上顎洞
【英】:Sinus maxillaris,Maxillary sinus
上顎洞は上顎体中にある大きい空洞で、その形は大腿において上顎体の形に一致するが、尖端を外上方、すなわち頬骨突起の方に出しているので錐体状に近く、その底は鼻腔面にむく。ここにはなはだ大きい上顎洞裂孔があるが、完全な頭蓋ではこの裂孔は口蓋骨の垂直板、篩骨の鈎状突起および下鼻甲介の上顎、篩骨稜突起によりその一部がふさがれて著しく小さくなる。(生体では、さらに鈎状突起まで鼻粘膜に被われるため、中鼻甲介の下の半月裂孔に開く小さな開口を残すのみとなる。)上顎洞はその前壁が最も厚く、つぎは後壁、上壁の順で内側壁が最も薄い。下壁は歯槽突起に入り、場所によってその厚さが異なるが、大臼歯および小臼歯の歯根をおおう部、とくに第1、第2臼歯の付近で最も薄く、それらの歯根はしばしば洞に達する。また、下壁には歯槽中隔の為に多くの骨の高まりやくぼみを見るのを常とする。なお、上顎洞の前後稜壁には多くの細い歯槽溝または歯槽管および歯槽孔が見られる。『ハイモア洞』:イギリスの自然科学者Nathaniel Highmore (1613-1685)の名を冠するが、レオナルド・ダ・ビンチがすでに観察している。ハイモアは、この他にも精巣縦隔(Highmore's body)に名を残している。
副鼻腔
上顎洞
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/17 08:10 UTC 版)
上顎洞は、上顎骨体中に存在する鐘体状の空洞である。左右に存在し、副鼻腔の中では最も大きい。底部は鼻腔の外側壁をなし、尖部は上顎骨の頬骨突起の中に伸びる。また、上顎洞の粘膜は呼吸上皮に属し、その上皮には絨毛が見られる。 上顎の壁は薄く、上顎大臼歯と接近しているため、 歯周炎の波及 抜歯時の洞底破損、歯根迷入 根管治療時の洞内穿孔 などによって歯性上顎洞炎を導きやすくなる。 副鼻腔の中で唯一外部との交通が上部にあるため、一度副鼻腔炎や歯性上顎洞炎等が発生すると他の副鼻腔よりも完治に時間がかかる。
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