上顎洞とは? わかりやすく解説

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じょうがく‐どう〔ジヤウガク‐〕【上顎洞】

読み方:じょうがくどう

上顎体内部にある大きな空洞副鼻腔(ふくびくう)の一つで、鼻の左右両側位置する四つある副鼻腔の中で最大


上顎洞

読み方じょうがくどう
【英】:Sinus maxillaris,Maxillary sinus

上顎洞は上顎体中にある大き空洞で、その形は大腿において上顎体の形に一致するが、尖端を外上方、すなわち頬骨突起方に出しているので錐体状に近く、その底は鼻腔面にむく。ここにはなはだ大き上顎洞裂孔があるが、完全な頭蓋ではこの裂孔は口蓋骨の垂直板篩骨の鈎状突起および下鼻甲介の上顎、篩骨突起によりその一部ふさがれ著しく小さくなる。(生体では、さらに鈎状突起まで鼻粘膜に被われるため、中鼻甲介の下の半月裂孔に開く小さな開口を残すのみとなる。)上顎洞はその前壁が最も厚く、つぎは後壁、上壁の順で内側壁が最も薄い。下壁は歯槽突起入り、場所によってその厚さ異なるが、大臼歯および小臼歯歯根をおおう部、とくに第1、第2臼歯付近で最も薄く、それらの歯根はしばしば洞に達する。また、下壁には歯槽中隔の為に多くの骨の高まりやくぼみを見るのを常とする。なお、上顎洞の前後稜壁には多くの細い歯槽溝または歯槽管および歯槽孔が見られる。『ハイモア洞』:イギリス自然科学者Nathaniel Highmore (1613-1685)の名を冠するが、レオナルド・ダ・ビンチがすでに観察している。ハイモアは、この他にも精巣縦隔(Highmore's body)に名を残している。

副鼻腔

(上顎洞 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/04/21 10:30 UTC 版)

副鼻腔
副鼻腔の図解
上から前頭洞 (Frontal sinuses)・篩骨洞と蝶形洞 (Ethmoid and sphenoid sinuses)・上顎洞 (Maxillary sinuses)
ラテン語 sinus paranasales
英語 Paranasal sinus
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副鼻腔(ふくびこう 医学用語:ふくびくう 英語:paranasal sinuses)とは、鼻腔に隣接した内に作られた空洞であり、ヒトでは頬骨の直下にある上顎洞、眉骨より上の額の直下にある前頭洞篩骨迷路の奥にある篩骨洞、蝶形骨の内部にある蝶形骨洞の4つがある。  ちなみに、この4つの洞のなかで最も大きいのは上顎洞である。

概要

頭蓋の下部に接する上顎の内部の口腔鼻腔以外にある空間であり、頭部の骨を軽量化し頭部の重量を体重の1割ほどに収めている。

各副鼻腔は鼻腔とは小さな孔でそれぞれ連結しており外部との換気が行われている。副鼻腔内は粘膜で覆われ、その表面から水分が蒸発することで、すぐ真上に接している眼窩や頭蓋、脳へ至る血管などを冷却する効果がある。

粘膜に炎症が生じた副鼻腔炎では、この小さな孔が閉塞し、熱が篭もることで頭痛などを引き起こし、副鼻腔内の膿などの排泄ができなくなる。これを放置すると隣接する眼窩を冒して視力を低下させたり、頭蓋底から脳を冒して髄膜炎脳炎に拡がることもある。このため慢性症の場合は孔の周囲の骨を削り副鼻腔を開放させる手術が行われることがある。

発生学的な解釈

頭部は脳を入れる容器(頭蓋)と口腔鼻腔を形成する部位が一つになったものである。さらに、頭蓋骨の外面は筋肉の付着部となっている。これら主に三つの要素で一つの頭部を形成するに当たって、各部品の大きさを揃えるために発生したものが副鼻腔である。例えば、牛の頭部はかなり大きなものであるが脳自体はヒトの半分以下しかないために脳を入れる容器自体は小さくて済む。しかし、口腔と鼻腔、及び骨格筋の付着部位は体にあわせてそれ相応に大きくなり、角の付着部位も必要になるために、脳を囲む骨を重くすることなく他の部品の大きさに合わせるには広い骨洞=副鼻腔が発達することになった。ついで、副鼻腔はこれら以外の要因、例えばオスとメスで容貌や頭部の大きさが大きく異なる種においては性淘汰の結果によっても発達程度が異なることになる。ほとんどの動物種を通じて脳の形はほぼ楕円体であり、口腔と鼻腔の形も基本的には円筒形であるにもかかわらず、頭部の形=顔貌には著しい差異が認められる。これら多様な顔貌を作り出す上で、副鼻腔の発達程度が大きく関わっている。

上顎の大臼歯上顎第二大臼歯など)を抜歯した際、稀に抜歯部の傷穴を通じて口腔と一時的につながる(連通する)場合がある。

副鼻腔の疾患

関連項目


上顎洞

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/17 08:10 UTC 版)

上顎骨」の記事における「上顎洞」の解説

上顎洞は、上顎骨体中に存在する体状空洞である。左右に存在し副鼻腔の中では最も大きい。底部鼻腔外側壁をなし、尖部は上顎骨の頬骨突起中に伸びるまた、上顎洞の粘膜呼吸上皮属し、その上皮には絨毛見られる上顎の壁は薄く上顎大臼歯接近しているため、 歯周炎波及 抜歯時の洞底破損歯根迷入 根管治療時の洞内穿孔 などによって歯性上顎洞炎導きやすくなる副鼻腔の中で唯一外部との交通上部にあるため、一度副鼻腔炎歯性上顎洞炎等が発生すると他の副鼻腔よりも完治時間がかかる

※この「上顎洞」の解説は、「上顎骨」の解説の一部です。
「上顎洞」を含む「上顎骨」の記事については、「上顎骨」の概要を参照ください。

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