細胞診(さいぼうしん)
細胞診
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/06 06:24 UTC 版)
細胞診(さいぼうしん、Cytology)とは、人体から採取された細胞材料について標本を作製し、顕微鏡で観察して行う検体検査。スクリーニング的細胞診と診断的細胞診に分けられる。
細胞診を細胞診断と呼ぶこともあるが、数量的には病理学的検査が主であり、細胞診専門医や病理専門医の関与しないものが多いので、この場合は細胞診という表現が実際的である。
- 2010年4月診療報酬改正からは、作製された細胞診(N004)標本に基づき、病理診断を専ら担当する医師が 診断した場合には細胞診断料(N006-2)が算定されることとなった。
スクリーニング的細胞診
スクリーニング的細胞診(screening cytology)はがん検診等で、病変の有無を調べる細胞診。剥離細胞診(exofoliative cytology)。
子宮がん検診では子宮頸部をブラシで擦り取って採取した細胞を用いる。肺がん検診で喀痰細胞診が行われることもある。
- 日本では細胞検査士がスクリーニングを担当し、細胞に異常がなければ陰性(ClassⅠ、Ⅱ)等の検査結果が発行される。異常があれば、疑陽性・陽性(ClassⅢ、Ⅳ、Ⅴ)に分類され、この場合は細胞診専門医・病理専門医等による顕微鏡観察が行われる。
- 米国では細胞診標本を画像解析して行う自動スクリーニングが行われている。細胞診材料について機器による分析も検討されており、細胞診検査精度管理での応用に期待がある。
診断的細胞診(diagnostic cytology)は病変が存在する場合に、病変部の診断を目的として、病変から採取した細胞材料を用いる細胞診。穿刺吸引細胞診(aspiration cytology)は病変部を刺して吸引採取された細胞を標本にして顕微鏡観察するもの。たとえば乳腺や甲状腺のしこりについて、良性のものか悪性のものか診断するときなどに、穿刺吸引細胞診が行われる。
- 診断するのに十分な細胞が採取されていない場合は、不適正標本(inadequate sample)との判定になる。
- 日本では多くの場合、細胞検査士が標本を観察して異常細胞にマーキングし、細胞診専門医・病理専門医が顕微鏡観察を行い細胞診断を行う。病変の診断であり医行為である。
関連項目
細胞診
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 14:02 UTC 版)
細胞診は子宮頸癌を疑うような異常細胞がないか判定する検査。子宮頸部から採取した細胞を色素で染色し、異常細胞がないか顕微鏡で観察する検査法。検査結果は日母分類(日本母性保護医協会、現・日本産婦人科医会)と呼ばれるクラス分類に従って、以下のいずれかに判定された。 日母分類検査結果クラス説明判定陰性 I 正常である。 A1 陰性 II 異常細胞を認めるが良性である。 A1 擬陽性 IIIa 軽度~中等度異形成を想定する。 C1 擬陽性 IIIb 高度異形成を想定する。 C1 陽性 IV 上皮内癌を想定する。 C1 陽性 V 浸潤癌(微小浸潤癌)を想定する。 C1 クラス IIIa以上(日本予防医学協会の判定でC1)の場合は精密検査を実施。細胞診による癌または前癌病変の発見率は約70%とされている。細胞診結果の記述法としてこの他に、Papanicolaou (Class) 分類、WHO分類、CIN分類などが知られている。 平成25(2013)年度より、日本産婦人科医会では、国際標準である「ベセスダシステム2001準拠子宮頸部細胞診報告様式」(ベセスダシステム、医会分類)に報告を統一した。 詳細は「医会分類」を参照 「パップテスト」も参照
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「細胞診」の例文・使い方・用例・文例
- 細胞診という癌診断法
細胞診と同じ種類の言葉
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