細胞診断の判定基準とは? わかりやすく解説

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細胞診断の判定基準

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/26 19:01 UTC 版)

細胞診断」の記事における「細胞診断の判定基準」の解説

細胞診検査結果を表すために従来Class分類(パパニコロウ分類)が用いられてきた。近年臓器毎に細かく定義され判定基準用いられるようになってきており、Class分類用いられない傾向にある。日本では細胞診検査または細胞診断の判定基準は各臓器癌取扱い規約(金原出版)で定義されたものが用いられることが多い。臓器特性過去症例研究解析した上で臓器ごとに細胞診断の判定基準が決められ利用されている。 子宮体癌取扱い規約(1996年3月 改訂第2版) 子宮腔内からの細胞採取法について記載があるのみで、判定基準記載はない。 子宮頚癌取扱い規約(1997年10月 改訂第2版) 日母分類ベセスダシステム記載されている。日母分類ではクラスI、IIIII、IIIa、IIIb、IV、Vが定義されている。クラスIV上皮内癌、クラスVは浸潤癌(微小浸潤癌を含む)を想定するとなっている。ベセスダシステム標本の適否総括診断記述的診断3つのパートか構成されている。 胃癌取扱い規約(1999年6月13版) 腹腔細胞診について記載がある。結果はCY0(陰性)、CY1(陽性)またはCYX(実施せず)として記載されるsuspicious malignancy(悪性疑いの意味)はCY0(陰性)。 膀胱癌取扱い規約(2001年11月 第3版)、腎盂・尿管癌取扱い規約(2002年10月第2版) 評価陰性疑陽性陽性3段階を用いる。ClassIIIを「陰性」、IIIを「疑陽性」、IV、Vを「陽性」と評価することになっている肺癌取扱い規約(2003年10月 改訂第6版) (1)「陰性」 (2)「疑陽性(3)陽性」の3つの区分用いClass分類使用しない標本上に組織球認められない場合は「判定不能材料とされる乳癌取扱い規約(2004年6月15版)、甲状腺癌取扱い規約(2005年9月 第6版) 判定区分所見2項目から構成されている。判定区分検体検査するために適しているかどうか区分含み検体適正場合にさらに「正常あるいは良性」「鑑別困難」「悪性の疑い」「悪性」の4つ区分される各区分に対応する組織型または細胞所見などの基準設けられている。 大腸癌取扱い規約(2006年3月 第7版) 腹水細胞診はI陰性 III疑陽性 V陽性診断し陽性(V)のみをCy1とする。癌細胞認めた場合がCy1、認めない場合はCy0である。Cy1の予後への影響不明でありStage因子には加えないとなっている。 このように臓器それぞれの癌取扱い規約により、クラス,Class,CY,Cy,陰性疑陽性陽性などが用いられ細胞診結果記載法は臓器ごとに異なっている。また、細胞診検体適正不適正などの標本評価判定区分に含む場合含まない場合がある。 たとえば、尿細胞診で「陽性」であるとはClass IVを含む概念であり、したがって癌でない場合含まれている。また、子宮頚癌では日母のクラスVは浸潤癌想定しているのであって陽性という意味ではない。一方喀痰細胞診では「陽性」は悪性細胞認めると定義されており、細胞診成績が「陽性」であるとは当該患者にとっては悪性腫瘍診断となる。胃癌では腹腔細胞診での「陽性」は癌であることが確実でありCY1は腹膜転移ありと同等である。 したがって細胞診結果または細胞診診断書を読む場合には、従来Class分類を「陰性(ClassI,II)」「疑陽性(ClassIII,IIIa,IIIb)」「陽性(ClassIV,V)」に単純に置き換えたものか、臓器毎に定義され判定基準なのか、区別する必要がある。しかし、報告書紙面上ではどういった判定基準基づいているかの記載はないことが多い。 患者細胞診結果について医師から説明を受ける場合には、どのような判定基準にもとづく結果であるのかも説明を受ける必要がある別の言い方をすれば、「細胞診陽性です」と説明受けても、臓器によって癌であることもあるし癌でないこともあるということになる。細胞診検体採取が容易であり、精度が高い臨床検査ではあるが、患者にとって細胞診結果わかりにくいのである似たような分類として組織診(生検)で用いられるGroup分類Category分類マンモグラフィーカテゴリ分類等もある。腫瘍についての検査分類はひとつではなく臓器ごと、検査ごとに結果表現方法や意味が違うことを理解する必要がある

※この「細胞診断の判定基準」の解説は、「細胞診断」の解説の一部です。
「細胞診断の判定基準」を含む「細胞診断」の記事については、「細胞診断」の概要を参照ください。

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