細胞説の問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/01 14:25 UTC 版)
ただし、細胞説は、同時に一つの問題を提出する。細胞が生きているのだとすると、それから構成されている我々個々の命はあるのか、という問題である。元来は生命を持つものを生物といい、その働きを研究する中で細胞が発見されたわけであるが、細胞が生命を持っているのだとすると、我々が生きているのは、それを構成する細胞が生きているからだ、ということになり、問題は逆転してしまう。実際、このような観点から反対を表明した生物学者も存在し、たとえばドバリは、生物体を構成する原形質を第一に考え、細胞はそれが各部分で分化しているにすぎない、と主張した。しかし細胞説そのものは現在も正しいと認められている。 生物学的にはそれでよい、との見方もある。また細胞の生命と個体の生命を分けて考えることも可能である。しかし、脳死の問題などを見ると、まだ解決していないと言ってもいいだろう。 また、細胞説はあらゆる生物は細胞からなるという学説であるが、ウイルスは細胞の構造を有しない。このため、ウイルスは細胞説を根拠に、無生物に分類されることがある。
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