じょうがくこつ‐たい〔ジヤウガクコツ‐〕【上顎骨体】
読み方:じょうがくこつたい
⇒上顎体
上顎骨体
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/01/17 08:10 UTC 版)
上顎骨体(羅名corpus maxillae、上顎体とも)とは、上顎骨の構成部位のうち前頭・頬骨・口蓋・歯槽の各突起を除いた部分を指し、その内部には上顎洞を有する。 上顎骨体の前面は上方の前頭突起から眼窩下窩縁を形成し、そこから下方に向かって眼窩下縫合が伸び、下部に眼窩下孔が開いている。外側に向けては、頬骨突起に向かい頬骨上顎縫合に至る。眼窩下孔の内下方には、犬歯窩と呼ばれる口角挙筋の起始となる窪みが存在し、前下方に向かって歯槽突起へと繋がる。内側方には鼻切痕をなし、正中には上顎間縫合により左右の上顎骨が縫合し、鼻中隔を形成する。その下縁に於いて前鼻棘が前方に突出する。 骨体の上縁は前頭突起から連なりながら眼窩面をなし、眼窩下溝が眼窩底後縁から前内方へと伸び、そのまま眼窩下管となって眼窩下孔に開いている。眼窩面後方は内側から涙骨、篩骨、と順に縫合し、口蓋骨の眼窩突起と接している。 頬骨突起下縁より下の部分は側頭下面と呼び、なだらかな曲を描きながら頬骨歯槽稜から歯槽突起へと繋がる。側頭下面後方には歯槽孔と呼ばれる2個程度の小孔が存在し、上顎神経の後上歯槽枝や後上歯槽血管が通る歯槽管を為す。更に下方の歯槽突起に向かうと粗な構造の骨隆起である上顎結節へと繋がる。 骨体の内側面は、鼻腔側壁をなし、後上方には上顎洞裂孔と呼ばれる上顎洞の鼻腔に対する出口である大きな裂孔を有する。上方の前頭突起から内側面に篩骨稜、鼻甲介稜と繋がる骨稜下に涙骨から下方に伸びた涙嚢溝が走る。さらに、下方に向かって口蓋突起へと繋がる。
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