ヲシテの構成
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 05:59 UTC 版)
小笠原長武写本によるホツマ文字の標準字形 「ヲシテ」とは、「教える(をしへる)」の語幹「をし (WO SHI)」に手段や為し行く意味の「て (TE)」が合わさった言葉である。後世の時代での「押しで」(押し手)の意味ではない。「ヲシデ」と濁音に訛るのは誤り。ヲシテ時代における「教える」の言葉は「をし」とワ行になっている。ヲシテ時代での「押す」の言葉は「おす」とア行の「お」である。 子音をあらわす部分(父音、父相、相図象)と、母音をあらわす部分(母音、母態、態図象)とを組み合わせた構成である。父と母からヲシテ文字という子供が生まれる訳である。基本は母音5(アイウエオ)×子音10(アカハナマタラサヤワ)の48文字である(ワ行は「ワ」「ン」「ヲ」3音韻の特殊行)。ホツマツタヱ・キツノナトホムシサルアヤ内他には、『アワウタ』という48音からなるウタが記述されている。イサナミ、イサナキにより、当時言語が乱れコミュニケーションに不都合を生じるだけなく人心も乱れたため、このウタが使われたという。ヲシテの基本文字が48種類である事の根拠のひとつである。『よみがえる日本語』明治書院、ⅠおよびⅡにおいて詳細に論じられ始められた。おおよその概要は、『ホツマ辞典』(池田満、展望社)や『ホツマ辞典改定版』(池田 満、展望社)あるいは、『よみがえる縄文時代 イサナギ・イサナミのこころ―新発見『ミカサフミ ワカウタノアヤ』アマテルカミが解き明かす』(池田満、展望社)において説明されている。 右の表はヲシテ文字の四十八音図表である。ヲシテは、表音文字であると同時に表意文字である。相図象は、それぞれの子音に対応した立体的な意味・イメージを平面に映して表している。態図象は、母音に対応した立体的な意味・イメージを平面に映して表現している。母音・子音の組み合わせは、相図象の意味と態図象の意味の組み合わせになる。また、複数の文字が連続すると、それぞれの音が連続するだけでなく、相図象・態図象も連続して、より複雑な意味を表現することができる。 かな文字は、母音・子音に文字を分解できない。また、表意文字ではない。漢字は、表音文字であって表意文字であるが、文字の全てのパーツが音を表すわけではなく、また、母音と子音のパーツに分けることもできない。 また、かな文字も漢字も、縦書きでも横書きでも語彙も文も成立するが、ヲシテでは縦書きでなければ語彙も文も成立しない。ヲシテのイメージは縦に合成・作用するように作られており、縦に繋がる複数の文字のイメージで語彙や文を表すからである。ただし便宜(カタカナ表記、ひらがな表記、スペース節約、パソコン表示の仕様、ホームページ表示の仕様など)上、横書きされることも多いが、本来横書きは成立しないことを留意する必要がある。。 ヲシテ文献からはヲシテ時代の高度な哲学が読み取れる。すなわち、5母音は、ウツホ、カセ、ホ、ミツ、ハニに分類され、それぞれ下図の意味を持つとされるし、10子音ははじめ(ア行)、つなぐ(カ行)、ひらく(ハ行)、なる(ナ行)、たす(マ行)、かける(タ行)、ちらす(ラ行)、とめる(サ行)、はねる(ヤ行)、おわる(ワ行)に分類されるからだ。 意味に関してはヲシテ文献にその記述があり、解釈は研究者によって見解が異なる。以下は池田満による[解釈]。 名称ウツホカセホミツハニ解説気体、大空のように目に見えないもの、始まっていないこと 温度の低いエネルギー、風のように太陽の熱で空気が動くこと、始まったこと 熱いエネルギー、炎のようにエネルギーが生み出されていること、動いていること 液体、水のように様々に変化すること、影響を及ぼすこと、変化したこと 固体、大地のように安定した状態になったこと、成熟したこと 現代語に翻訳する時の注意点として特に注意すべき事で、池田満が提唱している概念としての解説によると、「ハニ」は固体を意味しているため、漢字の「埴」(どろどろの状態の泥)に当てはめて翻訳することは、大きな誤訳になるという。また、「ウツホ」は気体を意味しており、現代語彙の「空」とは概念が大きく異なっている。この他の母音の意味についても、現代語彙の「風」「火」「水」とは大きな相違が認められる、としている。そのほか、鳥居礼による解釈によると、ヲシテ(文字)の母音は5元素を示し、子音においては宇宙の発生過程を意味し、皐月などの月の名は人間の妊娠過程を指すという。 この他に、ヲシテ、すなわち文字の形を文献内で説明するという、珍しい特徴をヲシテ文献は有している。
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