ロサス時代とは? わかりやすく解説

ロサス時代(1829年-1852年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 19:22 UTC 版)

アルゼンチンの歴史」の記事における「ロサス時代(1829年-1852年)」の解説

1828年ブラジル戦争集結引き換えアルゼンチン一部だった東方州ウルグアイ東方共和国として独立したが、国内多く勢力未だにこれを認めず、そのためにドレーゴは銃殺された。ドレーゴを殺害した帰還将校のフアン・ラバージェは自らブエノスアイレス州知事となったが、統一派のラバージェが連邦派のドレーゴを殺害したことから両者の対立は一層深まった。両派の対立の中で翌1829年12月にラバージェを打倒して政権就いた連邦派のロサスは、中央政府を築かずにブエノスアイレス州知事としてリトラル三州連邦カウディージョ同盟して連邦協約を結び、中央集権同盟を破ることにより連邦派の主導権確立したロサス1832年サンタフェロペスラ・リオハキロガらの地方諸州の連邦カウディージョ同盟することによって全アルゼンチン事実上統一したアルゼンチン史ではこの1829年から1852年までをロサス時代と呼ぶ。 こうして確立された平和を背景1832年ロサス州知事辞したが、自らも牧場主大土地所有者であったロサス権力握ったことにより、この時期アルゼンチン大土地所有制は拡大することになる。州知事辞したロサス1833年に現ブエノスアイレス州南部敵対的インディオに対してガウチョ黒人友好的インディオクリオージョからなる私兵率いて討伐作戦行った。この作戦により実に約6,000人のインディオ犠牲になり、このようにしてブエノスアイレス州領土拡大し征服した土地ロサス腹心達に分配された。 しかし、1835年内陸部連邦派の指導者、フアン・ファクンド・キロガが暗殺されると再び全土内戦訪れたために、ロサス州議会要請によって再びブエノスアイレス州知事就任し独裁握った内陸部連邦派との関係によりロサス同年保護関税制度創設し崩壊が進むアルゼンチン内陸部の諸産業マニュファクチュア)を保護したが、これは国内産業生産力限界国内市場満たすことができなかった)により、1841年以降徐々に国内市場充足できない産業への保護政策緩和されることになり、さらに1845年自由貿易求めイギリス=フランス艦隊攻撃によってロサス保護貿易政策放棄迫られることにもなった。 多く当時アルゼンチン人同様にロサスもまたブラジルイギリス干渉が進むウルグアイパラグアイアルゼンチン領土であると考えていたが、1839年アルゼンチン統一派と結び付いたウルグアイコロラド党政権によるアルゼンチンへの宣戦布告から始まった大戦争きっかけにして特にウルグアイに対して干渉を行うことになる。ラ・プラタ地域勢力圏入れることと、ロサスによるアルゼンチン市場保護貿易政策撤回目論んだイギリスフランス、およびロサス敵対する国内勢力を敵に回しこの戦争行われたロサス国内土着勢力との同盟具体的にアフリカ系アルゼンチン人ムラート秘密警察ラ・マソルカとして組織し密告によって国家ヨーロッパ化、白人化目論んでいた自由主義知識人や、農村からの収奪によってヨーロッパ文物奢侈に溺れ不在地主粛清し、ロサス対す個人崇拝徹底した恐怖政治による全体主義体制に近い独裁体制確立することによって戦争遂行し1850年には両国撤退追いやることになった。 しかし、1833年アルゼンチン領だったマルビナス諸島抵抗むなしくイギリス占領され、さらに英仏撤退後、ファラーポス戦争ブラジル最南部のリオ・グランデ・ド・スル州分離主義抗争)を収めたブラジル帝国が再びウルグアイパラグアイへの干渉進めるために干渉乗り出したブラジルブエノスアイレス利益中心に政治を行うようになっていたロサス利害分かち、袂を断っていたリトラル三州カウディージョの代表だった フスト・ホセ・デ・ウルキーサと密約結んだ連邦派によるモンテビデオ攻略迫りウルグアイアルゼンチンへの併合時間の問題かと思われ1851年にウルキーサはロサス反旗を翻しブラジルウルグアイアルゼンチン統一派の同盟軍1852年2月3日ロサスをカセーロスの戦いで破ることによりロサス時代は終わり迎えた土着文化との同盟によって独裁行っていたロサス失脚すると、以降アルゼンチンでは自由主義者の手によって急速に近代化が進むことになるが、ヨーロッパ移民導入土着文化弾圧によって上から押し付けられ近代化は、後の国民統合大きな禍根を残すこととなった

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