マラーターとの泥沼の戦いと帝国軍の疲弊とは? わかりやすく解説

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マラーターとの泥沼の戦いと帝国軍の疲弊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/12 07:02 UTC 版)

アウラングゼーブ」の記事における「マラーターとの泥沼の戦いと帝国軍の疲弊」の解説

このような反乱起きているにもかかわらずアウラングゼーブデカン戦い続けカルナータカ地方という広大な面積地方帝国併合しようとした南インド逃げたマラーターにはズルフィカール・ハーン差し向けて1690年9月からマラーター王国拠点シェンジ包囲させていた(シェンジ包囲戦)。 1698年1月帝国軍8年包囲したシェンジ落としラージャーラーム南インドからデカン地方サーターラーへと拠点移したその後アウラングゼーブマラーター追い1699年12月にはサーターラー包囲し1700年4月にこの地を落としたサーターラー包囲戦)。 この間3月マラーターラージャーラーム死亡し、その息子シヴァージー2世マラーターとなったアウラングゼーブマラーターとの戦闘片すことが出来ると期待したが、彼を擁する摂政であり母后ターラー・バーイー有能な人物で、マラーター率いて帝国軍から奪われた砦を次々奪回した。だが、アウラングゼーブジハード聖戦)を宣し包囲戦指揮を自ら取り買収武力圧迫して次々と落し、取戻していった。彼はすべてのマラーターの城を奪取するつもりであった。 だが、アウラングゼーブが敵の城塞集中しているのにマラーターは目をつけ、デカン地方あらゆるところで襲撃をはじめ、このため1702年から1704年にかけて北インドおよびグジャラートからハイダラーバードに至る隊商路が途絶えてしまった。マラーター王国のあるデカン西部では、安全の保証代償定期的に保護料が徴収されていた。その後マラーターはハーンデーシュ、マールワーグジャラートにまで襲撃繰り返すようになった。 その一方この頃になるとムガル帝国マラーター王国との間で講和の話が持ち上がってきた。マラーター側指揮官和平持ち出したのに対しアウラングゼーブもまた長年捕虜としてきシャーフー解放してマラーター王にすることを考えた。そのため、1703年から双方和平交渉何度か行われたものの、結果としてそれは実を結ばなかった。 アウラングゼーブデカンにおける遠征が長引くにつれ、デカン駐留する兵士志気徐々に低下していき、その戦費莫大なものとなって財政次第圧迫されていった財政の悪化マンサブダール制動揺させ、過度地租徴収よる。近藤治は「ムガル朝にとって最も深刻な問題は、皇帝親征ムガル大軍を以てしても、マラーター軍に壊滅的打撃与えられることが出来ないことによる皇帝威信低下であった。(略)だが、今やムガル朝高官たちのアウラングゼーブ対す信頼感さえも薄らいでいった」と主張している。 1681年以降アウラングゼーブ帝都デリー戻らず治世後半デカン戦争費やしたことによって、帝国重心アウランガーバード中心としたデカン移り、それから生み出される影響大きかった。特に、17世紀末から18世紀初頭アウラングゼーブマラーター激し戦争行い帝国統制権威北インドの及ばなくなった帝国仕える者はデカン北インド分けられ北インド仕える者はほとんど宮廷出仕しなくなりなかにはマラーター手を結ぶものも現れた。アウラングゼーブ信頼していたウラマーまた、徴税官同じようジズヤから得られた税を着服し国庫に税が届かなくなった行政機構壊滅し帝国財政担ってきた北インド荒廃して悲惨な状況であり、財政年を追うごとに悪化したまた、17世紀通してイギリスマドラスボンベイカルカッタを、フランスポンディシェリーシャンデルナゴルチャンダンナガル)をそれぞれ獲得し18世紀初頭になると両国インド植民活動乗り出そうとしていた。1690年代にはアウラングゼーブボンベイイギリス国王肖像刻んだルピー硬貨鋳造止めれず、1702年になるとアウラングゼーブ臣下マドラス権力行使できなくなっていた。

※この「マラーターとの泥沼の戦いと帝国軍の疲弊」の解説は、「アウラングゼーブ」の解説の一部です。
「マラーターとの泥沼の戦いと帝国軍の疲弊」を含む「アウラングゼーブ」の記事については、「アウラングゼーブ」の概要を参照ください。

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