ホンダ・CBとは? わかりやすく解説

ホンダ・CB

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/14 13:17 UTC 版)

CB(シービー)とは本田技研工業が製造・販売している4ストロークガソリンエンジンを搭載するオートバイのシリーズ商標である。

由来・遍歴

元々「Motor Cycle」を意味する符号として使われていたCと「CLUB MAN RACE」のBを組み合わせたものである[注釈 1][2]。またBestまたはBetterB[3][要ページ番号]や1959年から輸出開始されたアメリカ合衆国向け仕様車に「AMERICA」のAを付けたことから、国内車両にはAの次のBを付けてCBとした[4][要ページ番号]という説もある。 諸説あり。

この由来論争の混乱は、『ホンダCBストーリー 進化する4気筒の血統』(小関和夫他共著)が、3つの異なる由来を載せていることが一因となっている。しかも、かつてホンダの窓口では、問い合わせ対して「はっきりしない」、あるいは「clubmanのcb」と返答していたことが、当時のネットのさまざまな書き込みによってわかっている。ところが、現在のホンダの公式HPを見ると、「CBのネーミングについては諸説ありますが、CはMOTOR CYCLEから、Bは”for CLUB MAN RACER”の意味として伝えられています。」[5]と書いている。これで、この説に収斂すると思いきや、混乱はおさまっていない。解決の糸口は、当時開発に直接かかわった方か、責任のある立場にいた方が残した文書、あるいは、それらの方が受けた取材をまとめた雑誌等の記事だろう。結論がどういったものになるにしろ、開かれた議論がなされる必要がある。

『ホンダCBストーリー 進化する4気筒の血統』で述べられている説の1つである、「CはMOTOR CYCLEから、Bは”for CLUB MAN RACER”」は、CBの設計者(開発者)である原田義郎氏の談話の中で紹介されている。この書籍の発行は1998年である。そして、この中で語られていることは、月刊誌『オートバイ AUTOーBY』の98ページの「メーカーに聞くカブレーシングCR110型50cc」という記事で語っていることとほぼ同じである。そして、この語り手はやはり原田義郎氏。この月刊誌『オートバイ AUTOーBY』は1962年11月号。36年も前である。1959年にCB92が誕生してわずか3年後のことを考えると、現在わかっているCBの由来の記録としてはこれが最も古いものと言え、信頼性は格段に高い。議論は、この記事がCBの由来として正当な根拠となるのかについてするべきであり、あるいは、これ以上に確かな根拠が見つかっているのであれば、是非、公開すべきである。[注釈 2]CBの由来についての議論が深まることを期待したい。

1955年より全日本オートバイ耐久ロードレースが開催され、後に市販車部門にあたる『全日本モーターサイクルクラブマンレース』も併催されることになった。ホンダは既存の市販車をベースに対応車を開発することになり、排気量250ccクラスではC71をベースにしたCB71[6][要ページ番号]、125ccクラスではC90をベースとしたCB90が試作された。しかし、CB71はC71からの車体構造に問題があったため市販直前に発売を中止。CB90は1959年にC90のモデルチェンジ車であるC92をベースとした上でCB71の部品も使用したベンリイCB92スーパースポーツが本シリーズ初の一般市販車となった。 またCB71は車体構造を変更した上で市販レーサーのCR71が開発された後、さらに同車をベースとしたドリームCB72スーパースポーツ1960年に開発・製造・販売された。

その後、本シリーズはCBXCBRなどの派生シリーズも含み車種を増やし、同社が世界一のオートバイメーカーとなる礎を築いた。

モデル一覧

この書体は現行モデル

50cc以下

51cc - 125cc

126cc - 250cc

  • ベンリイCB95スーパースポーツ (154cc)(1959年 - 1964年)
  • ベンリイCB135(1970年 - 1973年)
  • CB Trigger〔CB150〕(2013年 - 2015年 ホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア製造)
  • Verza〔CB150〕(2013年 - ピー・ティ・アストラホンダモーター製造)
  • CB150R(2017年 - )
  • CB Unicorn 150(2004年 - 2015年 ホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア製造 インド国内専売モデル)
  • ベンリイCB160(1964年 - 1970年[注釈 4]
  • ホーネットCB160R〕(2015年 - ホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア製造 インド国内専売モデル)
  • CB Unicorn 160(2016年 - ホンダ・モーターサイクル・アンド・スクーター・インディア製造 インド国内専売モデル)
  • CB175(1970年 - 1973年)
  • CB200(1973年 - 1979年 海外専売モデル)
  • CB223S2008年 - 2016年
  • ジェイド〔CB250F〕(1991年 - 1996年
  • スーパーホーク〔CB250D〕(1980年 - 1982年)
  • ドリームCB72スーパースポーツ(1960年 - 1967年
  • ドリームCB2501968年 - 1970年)
  • ドリームCB250セニア(1968年 - 1973年)
  • ドリームCB250エクスポート(1971年 - 1973年)
  • CB250F(2014年 - 2017年)
  • ドリームCB250T(1973年 - 1977年)
  • ホーク〔CB250T〕(1978年 - 1982年)
  • ホークN〔CB250N〕(1979年 - 1982年)
  • ホーネット〔CB250F〕(1996年 - 2007年
  • CB250R2018年 - )
  • CB250RS(1980年 - 1982年)
  • CB250RS-Z(1981年 - 1983年)

251cc - 400cc

401cc - 1000cc

1000cc超

脚注

注釈

  1. ^ 別説では、アメリカ輸出用がCAであっちたため、国内流通モデルをCBとした説がある。[1][要ページ番号]
  2. ^ この<月刊誌『オートバイ AUTOーBY』1962年11月号>は、オートバイ史を研究している富中昭智によって2008年に発見され、HP「おーとばいザムライ」で公表している。
  3. ^ 五羊本田が製造。教習車仕様のみが2015年より正規輸入されているが、一般仕様は並行輸入のみ。
  4. ^ 国内販売は1965年までで以降は海外専売モデル。
  5. ^ 日本国内は免許制度の関係で400ccモデルとして別途開発したNC47型でCB400F/400Xとして販売。
  6. ^ 当初は1,200台限定車として販売されたが、1981年の一般生産移行時に車名を変更。
  7. ^ ヨーロッパではCB900F HORNETで、北米ではCB900Fで販売。

出典

  1. ^ 『ホンダCBヒストリー 進化する4気筒の血統 1968〜1998』三樹書房 1998年 原田義郎『CBの系譜』
  2. ^ 『オートバイ AUTO-BY』1962年11月号 pp.97-101 『おーとばいザムライ』所収
  3. ^ 『HONDA 50years ホンダ50年史』八重洲出版 1998年
  4. ^ 『オートバイ2007年5月号別冊付録日本二輪車大辞典』モーターマガジン社 2007年
  5. ^ 「Hondaのロードスポーツモデルで最も長い歴史を誇る“CB”ブランド」ホンダ公式HP”. 2025年5月30日閲覧。
  6. ^ 『別冊モーターサイクリスト』八重洲出版 1993年6月号『幻のCB71』

関連項目

外部リンク

本田技研工業公式HP 2輪製品アーカイブ
BBB The History




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