フリーメイソンの広がりとは? わかりやすく解説

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フリーメイソンの広がり

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/12 03:54 UTC 版)

ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の記事における「フリーメイソンの広がり」の解説

フリーメイソン」も参照 教派国籍超えた友愛団体として知られるフリーメイソン宗教的寛容政治的中立大原則としている。フリーメイソン起源には諸説あるが、もともとは城塞教会建築たずさわった自由な石工」の集団だといわれている。16世紀以降イギリスではフリーメイソン会所ロッジ)では石工とは無関係な人々入会認められたといわれているが、この結社大発展を遂げたのは1717年6月ロンドン市内の会所4つ合同集会開いてロンドン大会所(グランドロッジ・オブ・イングランド(英語版))を結成したことに起因するロンドン大会所結成スコットランド長老教会牧師ジェームズ・アンダーソン英語版)とフランス生まれユグノー亡命者ジャン=テオフィル・デザギュリエが深くかかわっていることも察せられるように、異教共存求めプロテスタント諸派融和精神重なり合う部分大きく、他のヨーロッパ諸国へも急速に広がっていった。フランスには1720年代伝わり当初フランス政府禁止した親王たちまでメンバーとなり、やがて黙認されようになった1723年ジェームズ・アンダーソン牧師は「フリーメイソン憲章」を編纂しているが、ここでは宗教多元性が受け入れられており、フリーメイソン会員は「愚かな無神論者でもないし、無宗教自由思想家でもない」と謳われ、「善良忠実」でありさえすれば各人自由に独自の信条をもってもよいと規定した1738年フリーメイソン憲章では、造物主としての神の存在信じること以上の信仰求めないとされた。ローマ教皇は、この結社理神論的性格秘儀義務反カトリック的であるとして、1738年1751年の2回にわたってフリーメイソン加入したカトリック教徒破門する旨の教書発した。しかし、カトリック国々においてもフリーメイソンの広がりを押しとどめることを防ぐことはできなかった。パリはいくつもの支部結成され会合では人類の幸福実現方法めぐって議論なされたナント勅令廃止以後公共生活から完全に締め出されてしまったユグノーにとっては、フリーメイソン会所自身社会性回復して教派差別乗り越える社交空間意味していた。ヴォルテールフリーメイソン会員であったことは周知の事実であり、カラス事件においてカラスの名誉回復迅速におこなわれた背景にはフリーメイソンとのかかわりがあるとの指摘もある。1773年フランスではグラントリアン(大東社)が創設されており、その庇護者はのちにオルレアン公となるルイ・フィリップであった1789年時点でのフランスフリーメイソン会員は、約5万人と推定されている。 ドイツにおける最初フリーメイソン1737年ハンブルク設立されたものであるが、すぐに北ドイツ一帯広がり中部から南部へも拡大したドイツでもカトリック教会フリーメイソン禁圧したが、ここではバイエルン選帝侯領中心にイルミナティ光明会)」と呼ばれるフリーメイソン一分派を生じた人類の幸福のための科学技芸推進主な目的としていたフリーメイソンは、卸売商人、企業家小売店主、自由業職人親方といった人々広がり、彼ら中小ブルジョアジー啓蒙主義接触していくうえで大きな助けとなった。ただし、平の職人下僕俳優などは排除されていた。一方フリーメイソン開明的啓蒙的な君主貴族をも惹きつけており、プロイセン国王フリードリヒ2世ベルリン会所ロッジであったイギリスイーフレイム・チェンバーズは、『サイクロペディア』(Cyclopaedia 1728年)の編纂者であると同時にフリーメイソン会員でもあったが、各国会員当初チェンバーズ百科事典翻訳しフランスではこれに刺激され上述の『百科全書刊行つながったフリーメイソン活動改革派教会再建運動とも連動しており、各国会員会員相互交流によって啓蒙思想にふれ、政教分離論にもとづく宗教的寛容思想育てていった。「啓蒙の世紀」は、たんに偉大な思想家文化人活動したというのにとどまらず、「読書協会」など身分越えて関心同じくするサークル教派越えて同一信条をもつフリーメイソンなどの広がりにより、広く人々の間に新し思想文化もたらされた。これが、18世紀が「協会世紀」とも称される所以である。

※この「フリーメイソンの広がり」の解説は、「ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の解説の一部です。
「フリーメイソンの広がり」を含む「ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の記事については、「ヨーロッパにおける政教分離の歴史」の概要を参照ください。

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