ナント勅令とは? わかりやすく解説

ナントの勅令

(ナント勅令 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/05 16:48 UTC 版)

ナントの勅令、原本

ナントの勅令(ナントのちょくれい、: Édit de Nantes)は、1598年4月13日にフランスアンリ4世ナントで発布した勅令。

ユグノーなどのプロテスタント信徒に対してカトリック信徒とほぼ同じ権利を与え、近世のヨーロッパでは初めて個人の信仰の自由を認めた。

概要

この勅令によってユグノー戦争は急速に収まりを見せ、フランスの国家統一の出発になった。戦費の縮小や商工業におけるユグノーの活躍もあって政治情勢のみならず国家財政も安定し、17世紀のフランスの大国時代を作り上げた。

しかしプロテスタント信徒はこのとき、自分たちの教会を持つことは許されたが、それとは別にカトリック教会にも十分の一税を納めなければならなかった[1]

1685年、「太陽王」ルイ14世フォンテーヌブローの勅令によりこの勅令を廃止し、カトリック中心の権威主義的な国家へと逆戻りさせた。これによって、プロテスタント信徒の大半はネーデルラントなどの国外へ逃れ、商工業の担い手を失ったフランスの衰退を招くことになった。

プロテスタント信徒は産業の中核を占めていたため数世代にもわたる財政の悪化を招くことにもなり、それを補うための増税政策に反発した貴族・聖職者や市民・一般国民などの不満が爆発したフランス革命の遠因ともなった。

脚注

  1. ^ 『フランス・プロテスタント』p. 75.

参考文献

  • 森川甫『フランス・プロテスタント 苦難と栄光の歩み』聖恵授産所、1999年3月12日。ISBN 978-4-88077-102-1 

関連項目


ナント勅令(1598年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/01 05:31 UTC 版)

ユグノー戦争」の記事における「ナント勅令(1598年)」の解説

詳細は「ナントの勅令」を参照 アンリ4世は、破壊され疲弊しきった王国の再建と、唯一の権威の下で統一をする責務直面していた。彼と国王顧問シュリー公はこの第一歩として、ナント勅令について話し合った1598年4月13日アンリ4世はナント勅令を発しプロテスタント信仰の自由保障し一定地域限られていはいたが礼拝認めたまた、ラ・ロシェルなどの都市安全保障地とし、政治・軍事自治権与えられた。 これは単なる寛容政策の証ではなく双方宗派の自由を保障することによって宗派間の怨恨休戦させる類のものであった勅令はこの宗教戦争終わらせる画期であると言われるが、当時史料にはこれによる明確な成果確認されていない実際アンリ4世1599年1月にこの勅令通過させるために高等法院へ自ら訪れねばならなかった。 宗派間の対立その後何年間も政策悪影響及ぼし続け二度と同様の勅令を出さなかったにかかわらずアンリ4世幾度も生命危険にさらされ、そして最後に国王キリスト教徒として責務を果たさなかったと信じた一人カトリックによって、それは成功した1610年5月14日アンリ4世狂信的なカトリック信者暗殺された。

※この「ナント勅令(1598年)」の解説は、「ユグノー戦争」の解説の一部です。
「ナント勅令(1598年)」を含む「ユグノー戦争」の記事については、「ユグノー戦争」の概要を参照ください。

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