フィクションとしての母乳フェティシズム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/14 09:51 UTC 版)
「母乳フェティシズム」の記事における「フィクションとしての母乳フェティシズム」の解説
2010年代現在、日本の成人向け漫画やアダルトゲーム、成人向け同人誌などのポルノグラフィやフィクション上では、経産婦や妊娠中の女性など実際に泌乳が可能な状態のキャラクターばかりでなく、妊娠とは関係無く性的興奮で母乳もしくはそれに類した乳汁が分泌される設定のキャラクターが登場する場合があり、授乳や搾乳を性交に絡める母乳プレイが登場する機会も珍しくなくなっている。こうした描写の氾濫により、より過激な画像を求める傾向も生まれ、男性の射精になぞらえて乳汁を噴出させながらオルガスムスに達するといった非現実的な表現もしばしば見られるようになった(後述)。 フィクション上ではつわりと同様に、妊娠を表す記号として母乳の分泌が描かれることが多い。 中には「分泌」と言うより「噴出」と表現した方が適当なぐらいに、現実ではあり得ない勢いで母乳が飛び散るシーンも描かれることがある。また、大量に分泌された母乳をローション代わりにマットプレイやパイズリするシチュエーションも描かれる。 実際には母乳は乳首先端だけではなく乳輪からもある程度分泌されるものであるが、乳首の先端からのみ水鉄砲のように噴射する形で描かれる事も多い。 搾乳器を使って母乳を搾り出すシチュエーションも存在するが、この場合は妊娠と連動しないことが多く、何らかの薬物を投与する事により無理矢理泌乳を誘発するというSM的な要素が付け加えられる事も多い。百合ものと呼ばれる同人ジャンルにおいては、SMプレイの一環として搾乳器を用いて得られた(多くの場合ボトム側の女性の)母乳を、トップ側の女性が用いる張形などの性具に注入し、精液の代用としてボトム側の女性の膣や子宮内に「射精」する描写すら存在している。 女性キャラクター自ら、或いは主人公の手による搾乳や、搾乳器を用いて搾り出した母乳をワイングラスやコーヒーカップに注いで直接的な飲料として愉しんだり、コーヒーやカクテルの割り材として用いるシチュエーションも存在しており、極端な場合には女性キャラクター自ら菓子作りにおける甘味料や、クリームシチューなど何らかの形で生乳を用いる料理の食材として、大振りなボウルを満たしてもなお途絶えない等の非現実的な生成量を持つ自身の母乳を「有効利用」するパターンもある。 母乳プレイの対象となるキャラクターは巨乳に分類される女性である事が多いが、ロリータ・コンプレックス系の母乳フェティシズム作品の中には貧乳の少女達が泌乳し、母乳プレイが成立するまでの過程を描くものも存在する。なお、現実にも母乳の生成量と乳房の大小には相関関係は無いとされている。 赤ちゃんプレイの一環として授乳が行われるシチュエーションも存在しており、この場合は母親役のキャラクターが膝枕の姿勢で授乳しながら幼児語で語り掛けて赤子役の授乳対象者をあやしつつ、授乳対象者の性器を母親役のキャラクターが手淫する「授乳手コキ」として描かれる事が定番である。 女性キャラクターを膣内射精で受胎させる事を目標とした妊娠フェティシズムの要素を含んだ作品では、女性キャラクターと主人公の間に産まれてきた新生児に授乳しながら性交したり、新生児と主人公がタンデム授乳を受けるシチュエーションが描かれる事がある。この場合は「父親からの性的刺激が母親の泌乳をより促進する」といった真偽不明の理論が我が子を前にしての母乳プレイの理由付けにされる事がお約束である。 ストーリー上実際にこのような役割を持たせられたり、二次創作においてその役割を潜在的に期待される立場にある女性キャラクターを題材としたファンアートでは、泌乳を象徴・暗示するシンボルとしてホルスタイン柄の衣装を着せたり、ホルスタインそのものの乳牛のコスプレを施して描かれる事も多い。 こうした母乳フェティシズムを全面に押し出した作品や、授乳を受けながらヒロインと性交を行う授乳プレイシーンは、ヒロインの妊娠・出産という事態が必ずしもストーリー上の肯定的な経過として捉えられておらず、人妻や未亡人などの経産婦や30代以上の妙齢女性自体がヒロインとしては非常にマイナーであった1990年代ごろまでは一般的な存在ではなかったが、2000年代以降爆乳ヒロインや人妻NTR系作品の広まり、或いは二次創作におけるカップリングものの広まりと並行してニッチな分野として定着し始め、2010年代以降は妊娠や出産がヒロインが迎える肯定的な結末の一つとして認知されるようになってきた結果、同人誌などの二次創作上でもカップリングの結末としての結婚や、妊娠中・出産後のプレイの中での授乳や射乳は必ずしも禁忌な表現では無くなってきている。
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