泌乳
牛の乳首が、いくつあるのかご存知ですか。あの大きなオッパイには、4つも乳首がついているのです。その乳首から、1日になんと牛乳パック(1リットル)30本分!もミルクが出てきます。これを、普通は朝・夕2回に分けて搾ります。30リットルは約30キロですから、小学校低学年くらいの子ども1人分の体重 と同じ位のミルクといえます。 もちろん、牛も人間と同じように、子牛を産んでから始めてミルクを出します。一度お産すると、約300日の間ミルクを出し続けるのです。ちなみに出産して最初の5〜6日間の初乳は、人間のためのミルクにはしません。たんぱく質やビタミンなどの栄養価がとりわけ高く、子牛に免疫力をつけるために必要なもの だからです。 ミルクは、牛の血液に含まれる栄養素から作られます。牧草などの餌を食べて、消化された栄養素が血液に流れ込み、乳房へと送られてミルクになります。牛の乳房には太い血管が何本も走っています。そのところどころにあるふくらみは、ミルク用の血液が逆流しないための弁の役目を果たしています。牛乳1パック(1リットル)を作るには、400〜500リットルもの血液の循環が必要です。乳牛が1日に出すミルクの量を30リットルとすると、1万リットル以上もの血液をめぐらせて一生懸命にミルクを作り出していることになります。そして、作られたミルクは、ちょうどスポンジが水を含んだような状態で乳房に蓄えら れ、搾乳の刺激によって4つの乳頭から外へ押し出されていくのです。 ここで牛の乳房の構造についてちょっと専門的な話です。血液から栄養分をとり、お乳を作るのが「乳腺胞」。ここはお乳をためておく役割も持っています。乳腺胞で作られたお乳は、乳管を通って、乳腺槽、乳頭槽と呼ばれるところへ。そして乳頭孔というオッパイの先からお乳が出てくるというしくみになっています。 さて、緑の草が赤い血になって、白いミルクに変わることを不思議だと思いませんか。ミルクが白く見えるのは、じつはたんぱく質や脂肪の小さな粒にすべての色の光が乱反射して混じり合っているからです。 |
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<ミルククラブ情報誌'99 SPRING vol.33より> |
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