ファルスハーツ (FH)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 06:28 UTC 版)
「ダブルクロス」の記事における「ファルスハーツ (FH)」の解説
レネゲイドの力を用いてテロ活動を行っている世界的な非合法組織がファルスハーツ(FH)である。世界各地で様々な破壊活動、犯罪行為などを行っており、人間社会の脅威になっている。FHの活動が目立つようになったのはレネゲイドウイルスの拡散以後であるが、それ以前から存在していたらしく、その歴史には謎も多い。 UGNとはその創設時から不倶戴天の敵同士であるが、過去にはレネゲイド・ウイルスとジャーム化抑制のための共同研究「プロジェクト・アダムカドモン」(『ダブルクロス・リプレイ・オリジン』『ユニバーサル・ガーディアン』『レネゲイズアージ』参照)を極秘裏に行なっていた時期もあった。しかしプロジェクト・アダムカドモンは失敗に終わっている。 最近になって、UGN創設者で行方不明だったアルフレッド・J・コードウェル博士がFHの幹部として現れUGN壊滅を宣言。これに呼応して多くのUGN構成員がFHに転じるという大事件が発生し、UGNとFHの対立はさらに根深いものとなりつつある。 FHは「オーヴァードはレネゲイドの力を抑制する必要はない」というスタンスを持っており、FHの構成員の多くがレネゲイドの力を使って自らの「欲望」を叶えたいというオーヴァードたちである。FHはそのオーヴァードがいかなる「欲望」を持っていたとしても排除せずに仲間として受け入れる。レネゲイドの力を振るう、他者を殺害するといった危険な考えを持つ者もいれば、今の生活を守る、自分の研究を進めるという者もあり、欲望は個人によって様々である。そして、FHに参加するようなオーヴァードは欲望を叶えるためならば手段を選ばないほどの覚悟を誰もが持つ。一般人を巻き込んだり他者を危険にさらすことを厭わず、時にはオーヴァード・ジャームを大量に生み出しレネゲイドの存在を世間に知らしめることも行おうとする。 「日常的な生活ではレネゲイドの力を使わないこと」「オーヴァードと人類の共存」を理想とするUGNとは、理念上で完全に対立している。FHがジャームをも構成員として受け入れているという部分もUGNとの大きな差異である。不幸にもジャーム化してしまった者はUGNに抹殺されることを恐れてFHに逃げ込む者も多い。 FHの組織形態は、ヒエラルキー型組織であるUGNとは異なり、網目のような構造である。FHには「セル」(細胞)と呼ばれるグループがいくつも存在している。力の強いFHエージェントが「セルリーダー」となって部下のFHエージェントと共にセルを構成するが、その活動指針はセルリーダーの欲望や目的によって様々である。上層部からの命令には従わなければならないが、それ以外の行動は制限されない。また、セル同士の上下関係や協力関係が存在することもあるが、それはFHエージェント同士の関係が反映されているためであることが多く、組織としての繋がりはそれほど強くない。 このようにそれぞれのセルの独立性が高いため、UGNがセルを壊滅しても他のセルへの影響が少なく、FH勢力の根絶を困難にしている。 FHエージェントに命令を下す実質的な最高意思決定機関を、UGNでは「セントラルドグマ」(中核)と仮称しているが、その内実はよく分かっていない。セントラルドグマが何を最終目的としてFHを運営しているのかは個々のFHエージェントさえも理解の及ぶところではない。ひとつ確かなのは、セントラルドグマから下される命令の多くはUGNの理想の対極に位置するものばかりということである。すなわち「非オーヴァードの社会を混乱させるテロ」「オーヴァードの存在を一般社会に暴露させる計画」「ジャームを意図的に作り出す」などである。 セントラルドグマはFHエージェントに命令を下すが、その達成手段は問われない。このためFHエージェントは自らの考えに基づいて自由に活動することができる。これは、命令さえ達成できるのならば、そのために与えられる組織の力を自らの「欲望」を叶えるために私物化しても良いことを意味している。FHがセルごとに活動指針が全く異なるのはこのような構造ゆえであり、個々の構成員たちは参加セルのことは熟知していてもセントラルドグマの真意を気にかけることは少ない。 セントラルドグマとセル、あるいはセルとセルの間を繋ぐのが「リエゾンエージェント」である。独立性の高いセルをまとめて動かし連携を指揮する、重要な存在となっている。特に、セントラルドグマに直接接触できる12人のリエゾンエージェントは「リエゾンロード」と言われ、極めて大きな力を持ち、「クラン」という配下を率いている。 リエゾンロードの中でも最大の実力者とされていたのが“プランナー”都築京香である。彼女もFHエージェントらしく最終的には自らの利益にとなるようにFHの組織を利用していたのだが、それと同時にFHエージェントやセルの数多くの活動を指揮し成功させていた。彼女の手腕によって日本のFHセル群は一つの組織のような統制がとられており、FHの日本支部長とも呼ばれていた。しかしコードウェル博士の表舞台への再登場と前後して発生した「面影島事件」を契機に都築京香はFHと決別、レネゲイドビーイングを結束させた集団「ゼノス」を立ち上げた。現在においては、強力なカリスマリーダーを欠く日本のFHセル群は統制を失い、FHの本来のあり方である「個々のセルが好き勝手な活動をする」という動きが活発化した。UGN日本支部はこれをFHの弱体化ではなくむしろ危険な兆候であるとみている。とりわけ、有力イリーガルとしてUGNに貢献してきた黒須左京のFHへの流出はUGN日本支部に衝撃を与えた。ただしこの事件は、上述した組織構造ゆえ、FHの不安定性を加増させる結果をも招いている(「Rabid Dog Crying」参照)。 FHエージェントの中でも特に有力な者は、コードネームに「マスター」を冠している。マスターは多くのセルを指揮するリエゾンエージェントである場合が多いが、強力なセルリーダーや個人であることもある。特に「マスターレイス」と呼ばれる者は、多くのエージェントを配下に置き、セントラルドグマの指示によらず自由に行動できる権限を持つ特殊なエージェントである。これまで何名かのマスターレイスがいたが、現在は性質が変化し、FHについたコードウェル博士の子を名乗る者を中心とした複数のマスターレイスが存在している(「マスターレイス04(デルタ)」など番号(読みはギリシャ文字アルファベットの名称)がつけられている。前述の黒須左京は「マスターレイス14(グザイ)」)。
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