パッケージ型インフラ輸出
世界各国の電力、鉄道、通信、水をはじめとするインフラ整備が、グローバルビジネスの大きな関心事になっています。オバマ米大統領をはじめ各国首脳がトップセールスを行うなど、官民挙げての激しい受注争奪戦が繰り広げられています。モノづくり立国・日本にとって、設計・製造から完成後の管理運営・メンテナンスまで含めた“システム売り(パッケージ型インフラ輸出)”が競争力強化に向けた大命題になっています。
「日本とチュニジアが巨大な鏡を使って直射日光を集めて発電に使う太陽熱発電のプラントを共同建設することで合意」、「経済産業省がモロッコ政府と太陽エネルギー分野に関する包括的な協力協定を締結」、「ベトナムの原発建設で日本企業が受注へ、新興国から初」、「日本原子力発電、原子力技術でタイ公社と協定」、「日本とトルコ、原発建設の包括協力へ向け調整」…。
10月から12月初旬にかけて伝えられたインフラのシステム売りに関するニュースの一部です。今、このように官民が協力して受注にこぎつける海外ビッグプロジェクトが次々と出ています。世界各国、とくにアジアや中東など成長著しい地域のインフラ整備事業を受注するため、官民による懸命な努力が続いています。
景気が低迷し、先行きも少子高齢化に拍車がかかって内需の伸びも見込めないのが日本経済の実情です。となると、外で稼ぐしかない。その代表がインフラ整備の受注です。政府が6月に策定した新成長戦略では、2007年で1.5兆円ほどのパッケージ型インフラ海外展開=システム売りを2020年には19.7兆円規模に引き上げ、インフラ大国としての地位を確立すると目標を掲げています。
「日本勢は機器単体では強いが、システムとなると、どうも競争力が発揮できない」。インフラの種類を問わず、よく耳にする話です。システム売りの競争力強化に向けて企業の動きも加速しています。NECは海外事業や社会インフラ事業に精通した人材を集め「パッケージ型インフラ輸出戦略室」を新設しました。また東日本・中日本・西日本の高速道路会社3社が海外の高速道路の建設や運営管理業務の受注を協力して目指すことを検討しているという話も明らかになっています。
水ビジネスでもしかり。「システム全体として技術の強みを示せる」。東レの日覚昭広社長は海水淡水化と2種類の排水を統合処理する世界初の水処理プラント「ウォータープラザ」への期待をそう語っています。同プラントはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)プロジェクトのひとつで、北九州市において実証実験を進め、世界市場への展開を目指していきます。
インフラ整備の争奪戦を勝ち抜く上で、今後重要になるのが“システムアシュアランス(保証)”です。三菱総合研究所では、まだ馴染みのない用語をシステム売りのキーワードと見て、その啓蒙に力を入れています。システムアシュアランスとは、大規模・複雑系システムの安全性・信頼性を、計画的で体系的な取り組みによって明示し保証するものです。設計製造プロセスのフェーズ(各段階)ごとに検証して、各検証結果が適切に対応し合うことで安全性・信頼性を立証する仕組みです。「先進各国はもとより、新興国のビジネスでもシステムアシュアランスが欠かせない要件となってきている」(三菱総研)そうで、官民挙げてのセールスの一方で、官民協力によるシステムアシュアランス対応も急がれます。
(掲載日:2010/12/26)
「日本とチュニジアが巨大な鏡を使って直射日光を集めて発電に使う太陽熱発電のプラントを共同建設することで合意」、「経済産業省がモロッコ政府と太陽エネルギー分野に関する包括的な協力協定を締結」、「ベトナムの原発建設で日本企業が受注へ、新興国から初」、「日本原子力発電、原子力技術でタイ公社と協定」、「日本とトルコ、原発建設の包括協力へ向け調整」…。
10月から12月初旬にかけて伝えられたインフラのシステム売りに関するニュースの一部です。今、このように官民が協力して受注にこぎつける海外ビッグプロジェクトが次々と出ています。世界各国、とくにアジアや中東など成長著しい地域のインフラ整備事業を受注するため、官民による懸命な努力が続いています。
景気が低迷し、先行きも少子高齢化に拍車がかかって内需の伸びも見込めないのが日本経済の実情です。となると、外で稼ぐしかない。その代表がインフラ整備の受注です。政府が6月に策定した新成長戦略では、2007年で1.5兆円ほどのパッケージ型インフラ海外展開=システム売りを2020年には19.7兆円規模に引き上げ、インフラ大国としての地位を確立すると目標を掲げています。
「日本勢は機器単体では強いが、システムとなると、どうも競争力が発揮できない」。インフラの種類を問わず、よく耳にする話です。システム売りの競争力強化に向けて企業の動きも加速しています。NECは海外事業や社会インフラ事業に精通した人材を集め「パッケージ型インフラ輸出戦略室」を新設しました。また東日本・中日本・西日本の高速道路会社3社が海外の高速道路の建設や運営管理業務の受注を協力して目指すことを検討しているという話も明らかになっています。
水ビジネスでもしかり。「システム全体として技術の強みを示せる」。東レの日覚昭広社長は海水淡水化と2種類の排水を統合処理する世界初の水処理プラント「ウォータープラザ」への期待をそう語っています。同プラントはNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)プロジェクトのひとつで、北九州市において実証実験を進め、世界市場への展開を目指していきます。
インフラ整備の争奪戦を勝ち抜く上で、今後重要になるのが“システムアシュアランス(保証)”です。三菱総合研究所では、まだ馴染みのない用語をシステム売りのキーワードと見て、その啓蒙に力を入れています。システムアシュアランスとは、大規模・複雑系システムの安全性・信頼性を、計画的で体系的な取り組みによって明示し保証するものです。設計製造プロセスのフェーズ(各段階)ごとに検証して、各検証結果が適切に対応し合うことで安全性・信頼性を立証する仕組みです。「先進各国はもとより、新興国のビジネスでもシステムアシュアランスが欠かせない要件となってきている」(三菱総研)そうで、官民挙げてのセールスの一方で、官民協力によるシステムアシュアランス対応も急がれます。
(掲載日:2010/12/26)
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