トレーニング等
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 00:48 UTC 版)
「クレールフォンテーヌ国立研究所」の記事における「トレーニング等」の解説
13~15歳の2年制で無償である。INF育成スタッフは、少数精鋭で3名程度。GKは、フランスA代表コーチから指導を受ける。INFの場合、生徒たちは、クレールフォンテーヌから10分ほどの場所にある地元の学校に月曜から金曜まで通い、学校から戻った後、15時半頃から練習を始める。INFの練習で個人スキル(ゲームの中で生かせる個人技術)を高め、週末は自分の所属チームに戻って試合に出場する。この方法だと、指導者は目先の試合の結果にとらわれることなく、長期的な視点で選手を指導することができる。 将来から逆算して「大人になった時、プロになった時に困らない為に」、現在すべき1つ目のこととして「思考力を鍛えること」を何よりまず重視している。「日々進化するサッカーの変化に対応できるように、若い頃からしっかり思考力を鍛えなければすぐに時代に取り残される」という理由からである。具体的には「問題の原因を選手自身に発見させ、解決策を考えさせること」で思考力を鍛えている。INFの指導者は選手がミスした時に怒らず、大らかに接し、子どもが話しやすいように対話を試みるという。「欠点を除くのではなく、長所を伸ばす」という考えで対話を行う。2つ目としては、「考えること」、「積極的に参加すること」、「継続して努力すること」を育てている。プロ選手になってからも進化し続けるためである。3つ目は、「選択肢を増やす」トレーニングをすること。プロ選手になったら、選択肢は多い方がいいからである。より多くの部位で自由にボールタッチできるように(例えば両足が使えたら、時間的余裕がないゴール前でもボールに近い方の足でシュートできる)、シチュエーションに応じていろいろなテクニックが選べるようにトレーニングする。また、自分自身の選択肢だけでなく、味方の選択肢を増やす。オフ・ザ・ボールの動きを鍛えることは味方のパスの出しどころを増やすし、ボールを奪うためにポジションに戻ることは自分と味方の攻撃機会そのものを増やす。 キリアン・エムバペのような特別な選手にも、INFでは守備のポジションに就かせ、一定の守備貢献を求めた。その結果、ASモナコでヴァレール・ジェルマン、PSGでアンヘル・ディ・マリアというFW及び攻撃的MFの中では守備貢献度が非常に高い選手たちからエムバペがポジションを奪っている。これは守備貢献によって出場機会(成長機会)を「獲得した」好例である。 オフ・ザ・ボールは「状況を“ほどほどに厳しくして”鍛える」のだという。例えば攻撃対守備の練習で攻撃者の人数を少なめにするなど。攻撃的な選手が相対的に強力なチームなら攻撃者の人数をより少なくする。守備的な選手が相対的に強力なチームなら同数で練習する。 日常のトレーニングは、将来プロになった時に困らないようにという理念の下5つの主要要素「テクニック」、「フィジカル」、「戦術」、「メンタル」、「教育」を満遍なく鍛える(身体の使い方はテクニック、集中力はフィジカルに分別)。そして、この5つを満遍なく鍛えるようなメニューを組む。チームのレベルに合ったトレーニングを、テクニック練習、戦術アクション練習、ゲームの3段階に分けて組む。 指導計画は年単位と週単位に区切って立てる。まず1年で達成したい目標を立てて、大まかな年間予定を立てた後は、次に週ごとに何をするべきかテーマを考える。テーマは攻守両面とも、別々にではなくて、同時に行う。ポジションも、GKの選手以外はGKを除いた全てのポジションでプレーする。年間計画は3ヶ月ごとに振り返り、進度に合わせて調整する。 育成の2つの柱「しっかりとした技術を持つこと」と「その技術をチームプレーの中で生かすこと」を念頭に育成する。また、時代とともに移り変わるサッカーのプレースタイルの変化にも対応して、指導方針を変えていく。攻撃では、よりスペースが狭くなる中でのプレー。守備は低い位置での守り方、数的不利な状況での守り方。また、ハイレベルなサッカーでは、相手が繰り出してくる数々の難題に応じた最適解が求められる。そのため、様々な難題を与えて、柔軟に対応できる術を学ばせている。「試合に勝つための指導」はせず、良いサッカーをしていれば将来の勝利につながるという長期的な展望で育成している。 クレールフォンテーヌのトレーニングでは、基本的に以下のようなことを教えている。 判断を早く、より良くする 効果的に、かつ能率的に動く 利き足ではない方の足も使えるようにする 精神学 医学 フィジカル ボールスキル(ドリブル、パス、ボールコントロール) 戦術(ボール奪取、ボールを持っている選手のサポート、守備をしている選手のサポート、ポジショニングとスペースへの動き)
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