トリーアのギムナジウムとは? わかりやすく解説

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トリーアのギムナジウム

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/17 19:33 UTC 版)

カール・マルクス」の記事における「トリーアのギムナジウム」の解説

1830年12歳時にトリーアフリードリヒ・ヴィルヘルム・ギムナジウムドイツ語版)に入学した。このギムナジウムは父ハインリヒ所属していたトリーア進歩派会合『カジノクラブ』のメンバーであるフーゴ・ヴィッテンバッハが校長務めていたため、自由主義空気があった。 1830年フランスで7月革命があり、ドイツでも自由主義活気づいた。トリーアに近いハンバッハ(ドイツ語版)でも1832年に自由とドイツ統一求め反政府派集会開催された。これを警戒したプロイセン政府反政府勢力への監視強化し、ヴィッテンバッハ校長やそのギムナジウム監視対象となった1833年にはギムナジウム警察強制捜査入り、ハンバッハ集会文書持っていた学生一人逮捕された。ついで1834年1月には父ハインリヒライン県(ドイツ語版県議会議員集まり席上でのスピーチ原因警察監視対象となり、地元新聞彼のスピーチ掲載することを禁止され、「カジノクラブ」も警察監視下に置かれた。さらにギムナジウム数学ヘブライ語教師革命的として処分され、ヴィッテンバッハ監視のため保守的な古典教師ロエルスが副校長として赴任してきた。 マルクス15歳から17歳という多感な時期こうした封建主義弾圧猛威間近目撃したのだった。しかしギムナジウム在学中マルクス政治活動行っていた形跡はない。唯一それらしき行動卒業の際の先生への挨拶回り保守的なロエルス先生ところに挨拶にいかなかったことぐらいである(父の手紙によるとロエルス先生ところへ挨拶に来なかった学生マルクス含めて二人だけ先生は大変怒っていたという)。 このギムナジウムでのマルクス卒業免状卒業試験残っている。それによれば卒業試験結果は、宗教ギリシャ語ラテン語古典作家解釈優秀な成績収め数学フランス語自然科学は普通ぐらいの成績だったという。卒業免状の中の「才能及び熱意」の項目では「彼は良好な才能有し古代語ドイツ語及び歴史においては非常に満足すべき、数学においては満足すべき、フランス語においては単に適度の熱意示したと書いてある。この成績見て分かる通りこの頃マルクス文学への関心強かった当時ドイツ若者ユダヤ人詩人ハインリヒ・ハイネ影響でみな詩を作るのに熱中しており、ユダヤ人家庭出身者ならなおさらであったマルクス例外ではなくギムナジウム卒業前後将来の夢詩人だったという。 卒業論文は『職業選択に際して一青年の考察』。「人間職業自由に決められるではなく境遇人間思想作り、そこから職業決まってくる」という記述があり、ここにすでに唯物論影響見られるという指摘もある。「われわれが人類のために最もよく働きうるような生活上の地位選んだ時には重荷は我々を押しつぶすことはできない。何故なら、それは万人のための犠牲だからである」という箇所については、E.H.カーは「マルクス信念の中のとは言えないが、少なくとも彼の性格の中の多くのものが、彼の育ったところの、規律自己否定、および公共奉仕という厳し伝統反映している」としている。他方ヴィッテンバッハ校長は「思想豊富さ材料配置巧みさは認めるが、作者マルクス)はまた異常な隠喩的表現誇張して無理に使用するという、いつもの誤りに陥っている。そのため、全体作品必要な明瞭さ時として正確さ欠けている。これは個々表現について全体の構成についても言える」という評価下しマルクス悪筆について「なんといやな文字だろう」と書いている。

※この「トリーアのギムナジウム」の解説は、「カール・マルクス」の解説の一部です。
「トリーアのギムナジウム」を含む「カール・マルクス」の記事については、「カール・マルクス」の概要を参照ください。

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