スカルノ・指導される民主主義期とは? わかりやすく解説

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スカルノ・指導される民主主義期

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/12 10:02 UTC 版)

インドネシアの歴史」の記事における「スカルノ・指導される民主主義期」の解説

1945年憲法復活させたスカルノが、自らのリーダーシップ維持しようとしていたこの時期さかんに唱えていたのが「ナサコム NASAKOM」というスローガンである。これは民族主義 (Nasionalisme)、宗教 (Agama)、共産主義 (Komunisme) の各勢力支持訴え挙国一致して国難乗り切ることをめざすものであった。 「民族独立の父」としての地位民衆熱狂させたという弁舌の才とカリスマ性もちながら、スカルノは自らの特定の支持基盤をもっていなかった。また、独立後から内紛続けてきたインドネシア国軍は、ナスティオンらによる合理化によって組織求心力高めることに成功しつつあり、スカルノにとって国軍政治的脅威をあたえる存在となっていた。これを牽制するために、スカルノインドネシア共産党接近し、その大衆動員力を頼りにした。国軍共産党対立関係にあり、スカルノはその両者調停役としてふるまうことによって、みずからのリーダーシップ維持しようとした。 1961年12月オランダの植民地として維持されていたニューギニア島西部イリアンジャヤ)に「西イリアン解放作戦」として空挺部隊派遣しオランダとの戦闘挙句これを占領した国際連合調停結果停戦し、国連暫定統治の後、1963年5月、その施政権インドネシア移管された。この併合反対する自由パプア運動en:National Committee for West Papuaインドネシア政府反旗を翻しパプア紛争1963年–現在)が起こったまた、1963年マラヤ連邦北ボルネオ現在のサバ州)をイギリスから譲り受けマレーシア建国されると、スカルノはこれをイギリスによる新植民地主義あらわれであると非難し、「対決政策」を宣言したインドネシアは「マレーシア粉砕」をスローガン掲げてマレーシア領へ侵入するなど、一触即発事態となった翌年領有主張するフィリピン含めた3者が東京会談するなどの外交的解決模索されたが、最終的に現状維持決着するには後述スハルト政権掌握を待たなければならなかった。 この対決政策によって、インドネシアアメリカ合衆国とIMFからの経済援助停止され国際社会から孤立していった。スカルノ急速に中国接近する1965年1月7日国連脱退した1965年独立記念日8月17日)には、世界銀行とIMFからの脱退宣言したそのようにして対外政策進んでいるあいだにも、インドネシア国内経済状態悪化しインフレによる物資高騰民衆の生活を苦しめた詳細は「9月30日事件」を参照 こうした状況国軍主流派や一部の政党政治家、経済テクノクラートらは危機感強めスカルノ共産党対する不満が高まっていった。このように緊張した政治環境の中で発生したのが9月30日事件だった。この事件は、1965年9月30日深夜から翌未明にかけて、共産党シンパ国軍部隊と、共産党傘下組織国軍幹部の6将軍殺害したことに端を発する陸軍戦略予備軍司令官だったスハルトがこれをすぐに鎮圧したため、左派勢力による政権奪取失敗しクーデター未遂事件として終わった共産党肩入れしていたスカルノ苦し立場追い込まれ事態回復するための一切権限スハルトにあたえることになった。これを受けてスハルト共産党員およびそのシンパ殺害拘束し国内左派勢力物理的に解体した。東南アジア最大規模誇ったインドネシア共産党壊滅したことは、国内政治のみならず冷戦期におけるこの地域勢力図一変させた。1966年9月インドネシア国連復帰したその後スカルノ事件への関与疑われるきびしい立場追い込まれ国軍煽動するスカルノ民衆運動によって辞任への圧力をうけた。1967年3月スカルノ終身大統領地位剥奪された。

※この「スカルノ・指導される民主主義期」の解説は、「インドネシアの歴史」の解説の一部です。
「スカルノ・指導される民主主義期」を含む「インドネシアの歴史」の記事については、「インドネシアの歴史」の概要を参照ください。

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