ゲル (化学)とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > ゲル (化学)の意味・解説 

ゲル

(ゲル (化学) から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/14 17:28 UTC 版)

こんにゃく。ゲルの例。

ゲルドイツ語: Gel [geːl]ゲール)またはジェル英語: gel [dʒɛl])は、分散系の一種で、ゾルと同じく液体分散媒のコロイドに分類されるが、そのうちで、固体状のものを指す。日本語で「凝膠体」と呼ぶこともある[1]

ゲルは、流動性を持つゾルとは異なり、分散質のネットワークにより高い粘性を持ち流動性を失い、系全体としては固体状である。ゾル状態からへゲル状態へ転移する場合をゲル化 (英語: gelation)、転移点をゲル点と呼ぶ。

広義には固体分散媒のコロイドであるソリッドゾルを含むが、ここでは狭義のゲルを扱う。

ゲルの種類

ゾルがゲルになるときに、分散質が繋がってネットワークを作る現象を架橋と言う。ゲルは架橋の方法により、

に分かれる。物理ゲルの結合は弱く可逆的で、温度変化や応力などでゾルに戻る。化学ゲルの共有結合は安定している。

分散質が高分子で、架橋により網目構造となったゲルを高分子ゲルという。

湿潤ゲルのうち、分散媒がのゲルをヒドロゲル英語版 (hydrogel)、分散媒が有機溶媒のゲルをオルガノゲル英語版 (organogel) という。有機溶媒にアルコールが使われたものはアルコゲル (alcogel) という。分散媒を大量に含み一様な構造をとるものをジェリー (jelly)、蒸発などにより内部の溶媒を失い空隙を持つ網目構造となったものをキセロゲル (xerogel) という。キセロゲルの代表はシリカゲルで、高い吸湿性を持つ。また、凍結乾燥超臨界乾燥により分散媒を除去したゲルをそれぞれクリオゲル (cryogel)、エアロゲル (aerogel) という。

ゲルの例

チキソトロピー

チキソトロピー (thixotropy) は、分散系溶液の状態が応力に対してゾルとゲルとの間で入れ替わることで表れる現象で、ゲル化しやすい分散系溶液に見られる現象である。応力の無い状態においてはゲルの状態にあり流動性を示さない。

しかし、外力が加わるとゲル構造の分子間力の一部あるいは全部が破壊されるため、ゾル状態となるため流動性を復元する。また、外力が作用しなくなるとゲル構造が再生され流動性を失う。

脚注

  1. ^ 岡谷製紙試験場 9koiwai.pdf” (2021年4月1日). 2021年12月31日閲覧。

「ゲル (化学)」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「ゲル (化学)」の関連用語

ゲル (化学)のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



ゲル (化学)のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのゲル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS