カラーテレビアニメと内製システムの崩壊とは? わかりやすく解説

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カラーテレビアニメと内製システムの崩壊

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 02:06 UTC 版)

日本のアニメーションの歴史」の記事における「カラーテレビアニメと内製システムの崩壊」の解説

テレビアニメでも上述の『もぐらのアバンチュール』など試験的にカラー制作されるものが現れてきた。1964年1月25日放映され『鉄腕アトム』第56話や、1963年12月20日から1964年にかけて全15話が放送され人形アニメーションシスコン王子』などはカラー制作されたが、放送自体モノクロであり、カラーテレビアニメではなかった。 『ドルフィン王子』全3話『ジャングル大帝』1965年10月)に先立つこと半年前に放映されているが、放送回数少なかったため、「ジャングル大帝」が事実上日本カラーテレビアニメの嚆矢とされる。 そして、本格的な日本最初のカラーテレビアニメ『ジャングル大帝』1965年)は、アメリカ合衆国での放送前提資本集められ実現したカラーによるテレビアニメは、制作費がかかることと、カラー受像機普及していなかった事情から、この後数年間は新作カラー白黒作品混在していた。ただしこれはアニメ限ったではなく、この時代、他の多く番組同様にカラー白黒混在していた。 楠部大吉郎によるとテレビアニメカラー化によって制作費大幅にアップしたそうである。モノクロの時は30240-250だった所がカラー540になったによれば歴史的にいって日本テレビアニメ制作費これほど上がったのはカラー化の時だけである。 テレビアニメ大人気となり、大量プロダクション生まれ作品数飛躍的に増加したその結果アニメーターの数が不足した多くプロダクション美術系大学卒業生などを集めたがそれでも足りなかった。優秀なアニメーター引き抜き恒常的に行われるようになり、アニメーター人件費みるみる内に高騰した反面テレビ局の製作費はそれほど増えなかった。 それまでほとんどのアニメ制作プロダクション内製システムを採っていた。キャラクター設定から原画動画動画チェック彩色撮影など、全ての工程社内で行うことによって、作品品質保てていた。外注1963年には既に存在したが、恒常的に行われていなかった。 しかし、1971年から東映動画主だった工程のみを自社内行い動画彩色などの比較単純な工程については外注出来高払い移行をし始め実質的な人員整理開始した。これに対して組合側が激しく反発したが、経営側は応じず、1972年指名解雇が始まる。経営側は組合側の反発ロックアウト行って応酬した経営側が強硬だったのは、赤字嵩み人件費削減が行えない限り会社存続困難だったためだと言われている。 一方虫プロダクションでは1973年労働争議解決しないまま倒産した社長の手塚治は虫プロ設立当時「僕は何かあったら労組先頭立って一番に会社糾弾する」と冗談言っていたことがある同じく内製システムだったタツノコプロ1970年代半ば賃金問題社長死去で、70名から80名の有力な人材流出して結果的にリストラ行ったことと同じ状態になった。 これらの事件切っ掛けに、ほとんどのプロダクション多く作業外注に頼るようになり、また、以後アニメーター給与極めて低く抑えられるようになった例えば、虫プロダクション出身者によって設立され日本サンライズは、虫プロダクション教訓に、制作管理スタッフだけを正社員として発足した。この状況は現在も続いている。1980年代後半以降動画彩色という低賃金工程はほとんどが東アジア行われるようになり、アニメ制作空洞化指摘されている(なお東動画海外発注1973年開始している)。

※この「カラーテレビアニメと内製システムの崩壊」の解説は、「日本のアニメーションの歴史」の解説の一部です。
「カラーテレビアニメと内製システムの崩壊」を含む「日本のアニメーションの歴史」の記事については、「日本のアニメーションの歴史」の概要を参照ください。

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