エキュメニズムと使徒継承性とは? わかりやすく解説

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エキュメニズムと使徒継承性

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/05 07:38 UTC 版)

使徒継承」の記事における「エキュメニズムと使徒継承性」の解説

最も厳密な意味での使徒継承性は、教義における連続性保障しかつ主張するのであるが、各教派自派異な教義有する、他のいくつかの教会に対しても、使徒継承性を認め傾向がある。他の教会使徒継承性を認めるとは、単に組織としての連続性認めということ留まらず、他の教派教会としての一定の正統性をもつことを認めることでもある。したがってエキュメニズム流れのなかで、他教派使徒継承性の確認論点としてしばしば取り上げられてくるようになった基本的に宗教改革以前から存在する教派同士の間では、その使徒継承性は争われない例え正教会東方諸教会が、ローマ教皇正統ローマ総主教であることを否定するということは起こらない。ことに伝統的な管轄地重ならなかったカトリック教会正教会の間では、互い使徒継承教会であるという認識は、他の対立にもかかわらず、常に維持されてきた。いったいに非プロテスタント教会は、歴史的起源同じくするため、細部においては解釈異なるものの案外に多く教義伝統共有している。さらに20世紀以降、「教会は本来ひとつである」という理解現在の分裂状態をむしろ異常とする共通の理解のもとに、それぞれの間で相互理解模索されつつある。とはいえ1600年間に開いた差異大きくその道のりは必ずしも平坦ではない。したがって互いに使徒継承性を認めといっても、他教派聖職者が自教派信者サクラメント秘跡機密)を与えることや、またその逆は、一部例外除き禁止されている。さらに各教会相互評価非対称であり、たとえば1960年代以降カトリック教会自派使徒継承教会認め東方教会信者に、制約付ではあるが聖体拝領許し、またそのような教会とのミサ共同司式一定の条件化に容認するが、対象とされている東方教会では、フィリオクェ問題ローマ司教教皇)の首位性など教義理解違いを重大とみなし、カトリックでの聖体拝領信者禁止するといった現象生じている。 カトリック教会から分岐した聖公会は、カンタベリー大主教通じた自派使徒継承性を主張しているが、他派からの判断分かれている。カトリック教会1896年レオ13世教皇書簡「アポストリチェ・クーレ」を発布しエリザベス時代のカタンベリー大主教マシュー・パーカー主教按手の際に用いられエドワード按手式文に欠陥があるとして、以降聖公会聖職位の有効性否認したカトリック教会は現在もこの立場取っている。 2000年教理宣言「ドミヌス・イエズス」では、東方教会使徒継承性を再確認するとともに宗教改革分かれた教会叙階秘跡を欠くとし、その聖職制度カトリック視点からは有効でないとする立場示している。また、2007年には「教会論のいくつかの側面に関する問いに対する回答」という教皇庁教理省の文書発表しその中で使徒継承のある東方教会正教会など)は『部分教会すなわち地方教会』ではあるが、ローマ司教であるローマ教皇との交わりにないために部分教会としての条件一部欠いており、さらに16世紀宗教改革から生まれたキリスト教共同体プロテスタント)は、使徒継承による司祭職秘跡を欠くため、(カトリック教えによれば、)固有の意味で『教会』と呼ぶことはできない」との見解示しプロテスタント教会などキリスト教の他の教派から批判された。 一方正教会では、1923年コンスタンティノープル総主教庁聖公会使徒継承性を認め、その聖職位を承認したが、すべての正教会がこの決定追随したわけではないまた、この承認同時に限定的なものであって聖公会聖職者正教会改宗帰正)した場合は、聖職者としてではなく平信徒として扱われ神品機密を受けることが必要とされる。これは主に聖公会での聖職按手正教会神品機密とは同等認められないことに拠っている。 第1バチカン公会議後にカトリック教会ローマ・カトリック教会)から分かれ自身ローマ教皇庁首位権に服さないカトリック教会とする復古カトリック教会使徒継承性を主張する復古カトリック教会聖公会とは20世紀初頭からフル・コミュニオンの関係にあり、ローマ・カトリック教会とは独立ながら普遍的カトリック)的な信仰保持するとの自己認識をもっている。プロテスタントの中では、スカンディナヴィア中心とする一部ルーテル教会使徒継承性を主張する。これらの教会は、1994年ブリテン諸島聖公会とともにポルヴォー共同声明調印し、各参加教会使徒継承性を認めとともに完全相互陪餐を行うコミュニオン結成した。のちにスペインおよびポルトガルアングリカン・コミュニオン加盟教会も、このコミュニオン加わった

※この「エキュメニズムと使徒継承性」の解説は、「使徒継承」の解説の一部です。
「エキュメニズムと使徒継承性」を含む「使徒継承」の記事については、「使徒継承」の概要を参照ください。

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