イギリス併合時代とは? わかりやすく解説

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イギリス併合時代(1801年 - 1922年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 14:44 UTC 版)

アイルランドの歴史」の記事における「イギリス併合時代(1801年 - 1922年)」の解説

主要記事:イギリス併合時代のアイルランド 1801年前年可決され連合法受けてアイルランド王国グレートブリテン王国1707年イングランド王国スコットランド王国連合して成立)へ併合されグレートブリテンおよびアイルランド連合王国発足した連合法可決前にアイルランドへの譲歩として約束されていたカトリック教徒プレスビテリアンへの政治的差別解消は、当時イギリス国王ジョージ3世反対などもあり実現遅れた結局アイルランド地位向上はナポレオン戦争終結後となった。「カトリック教徒協会」を率いたダニエル・オコンネルらの尽力によって1828年審査法廃止され1829年カトリック教徒解放法定められた。イギリスに完全に併合されたとはいっても、実際それ以前からイギリス国王アイルランド国王兼ねていたため、植民地であることには変わりなかったが、形式上連合王国一員となったことで更なるイギリスへ同化圧力加えられることになった1845年から1849年にかけてはアイルランドジャガイモ飢饉襲いアイルランドからのアメリカ合衆国などへの移民促進させる原因となった飢饉以前800万人数えた人口は、1911年には410万人にまで減少している。 アイルランド語使用19世紀急激に減少した。これは飢饉影響加えイギリスによる国民学校national school)の設立当時アイルランド人政治家による排斥などが影響している。代わって用いられるようになった英語は、イングランド本土の英語と文法的に相違があり、一種方言と見なされている。これは、古英語由来する文法柔軟性特徴的なアイルランド英語(ハイバーノ・イングリッシュ)として、20世紀前半イギリス文学界にも一定の影響与えたJ・M・シングジョージ・バーナード・ショーショーン・オケイシーオスカー・ワイルドなどはその代表である。 1870年ごろにはアイルランド自治が再び取り上げられるようになった政治活動指揮したのはプロテスタント大地主であったチャールズ・スチュワート・パーネルと彼が作り上げた自治同盟である。イギリスの首相ウィリアム・グラッドストンパーネル協力して1886年1893年2度にわたり自治導入図ったが、いずれも上院での反対により失敗終わったアイルランドにおけるパーネル絶大な影響力は、彼が友人の妻と内縁の関係にあったことが発覚したことにより終わりを告げた。現在では「王冠なきアイルランド国王」と呼ばれるなど、アイルランドで最も尊敬集め政治家一人となっている。 これらの自治権付与への流れのなかで、アイルランド民族主義者(ナショナリスト)とイギリスへ帰属求めユニオニスト対立激化していった。アイルランド島全体では圧倒的に優勢占めていたナショナリスト・カトリック教徒要求する自治対し北東部アルスター6県多数占めていたユニオニスト国教徒は自らの経済的政治的特権奪われることを恐れていた。 ナショナリスト中の過激派イギリスから実力独立勝ち取ろう目論んでいた。1803年にはロバート・エメットが率い共和主義者が、1848年にはトーマス・フランシス・マハーなどのアイルランド青年団反乱起こした。そして1868年には後のIRA前身となるアイルランド共和同盟IRB)の暴動発生した。これらの事件はみな鎮圧されたが、暴力的政治活動という伝統以後アイルランド史にも引き継がれることになる。 19世紀後半にはアイルランド土地改革図られた。マイケル・デイヴィットの率い土地連盟1870年頃から地主所有地を分割し小作農分け与える政策押し進めた農村の状況改善していったにもかかわらずアイルランド首都ダブリンでは当時イギリス帝国最悪とも言われ貧富の差発生していた。モント呼ばれる治安の悪い歓楽街は、ジェイムズ・ジョイス始めとする多く小説の舞台となっている。

※この「イギリス併合時代(1801年 - 1922年)」の解説は、「アイルランドの歴史」の解説の一部です。
「イギリス併合時代(1801年 - 1922年)」を含む「アイルランドの歴史」の記事については、「アイルランドの歴史」の概要を参照ください。

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