ユニオニスト (1886年 - 1922年)
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「保守党 (イギリス)」の記事における「ユニオニスト (1886年 - 1922年)」の解説
1886年にはアイルランド自治(英語版)を推進するアイルランド議会党(英語版)の支持を得て、自由党の第3次グラッドストン内閣が第1次ソールズベリー内閣に代わって成立した。グラッドストンは早速アイルランド自治法案を議会に提出したが、この自治問題は自由党を二分することになる。ついにハーティントン侯爵(後の第8代デヴォンシャー公爵)とジョゼフ・チェンバレンに率いられた反対派は自由党を離れて自由統一党(リベラル・ユニオニスト)を結成した。続く総選挙で保守党が第1党となるとリベラル・ユニオニストは保守党への閣外協力を決め第2次ソールズベリー内閣が成立した。以後両党はユニオニズムを旗印に選挙協力などを通じて一体化していくが、正式な合併は1912年を待たねばならなかった。ただ既に1886年12月には第2次ソールズベリー内閣の大蔵大臣を務めていたランドルフ・チャーチル卿の辞任に伴い、リベラル・ユニオニストのジョージ・ゴッシェンが後任に就任、その後1895年には連立政権に移行した。この自由党の分裂と離党組の保守党との協力関係の確立は保守党の自由党に対する優位をもたらし、ソールズベリー侯爵による通算13年にわたる安定した政権運営を可能にした。 1902年にソールズベリー侯爵が引退すると、再び通商問題を巡る対立が保守党を揺るがした。既に1850年代にダービー伯爵の指導の下で保守党は保護主義を放棄し自由貿易支持に転換していた。しかし20世紀に入ると植民地大臣を務めていたチェンバレンが関税改革を提起した。この関税改革は特に製造業におけるアメリカやドイツの企業との激しい競争を背景に、いわゆる帝国特恵関税(英語版)の導入を図るものであった。帝国特恵関税とはイギリス植民地や自治領間では低率の関税を採用するものの、それ以外の国や地域との間には高率の関税を課すものである。チェンバレンの提起する関税改革はイギリス製造業の保護や関税収入を様々な社会改革の財源に充てることを目的としたものであったが、自由貿易からの逸脱であることは明確であり保守党内で物議を醸した。デヴォンシャー公爵や大蔵大臣を務めていたチャールズ・リッチー(英語版)、前大蔵大臣でソールズベリー侯爵の側近だったサー・マイケル・ヒックス・ビーチ准男爵らは自由貿易の維持を唱えチェンバレンに反対した。両派は様々な運動を展開し改革派は関税改革同盟(英語版)を自由貿易派は自由食糧同盟をそれぞれ設立して、対立は徐々に激化した。首相で党首のアーサー・バルフォア(首相在任: 1902年 - 1905年)は将来の関税改革は否定しないものの当面は自由貿易を維持するという曖昧な態度をとり党内の対立を収拾しようと図った。さらにバルフォアは1903年、チェンバレンとリッチーを含む自由貿易派の閣僚3名の双方を辞任させる措置をとったが、対立は収拾されず1905年に辞任を余儀なくされた。一方の自由党はヘンリー・キャンベル=バナマン(首相在任: 1905年 - 1908年)の下自由貿易擁護で団結し、その結果1906年の総選挙では圧勝した。他方保守党は党首のバルフォアが落選する程の惨敗で打撃を蒙った。 保守党はキャンベル=バナマン、H. H. アスキス(首相在任: 1908年 - 1916年)の2代の自由党内閣の下での9年間の野党経験を経て、1914年に第1次世界大戦が勃発したことに伴いアスキスの挙国一致内閣に参加する形で政権に復帰した。この間1911年には落選後1906年のシティー・オブ・ロンドン選挙区の補欠選挙で復帰していたバルフォアに代わってアンドルー・ボナー・ローが党首に就任した。1916年には戦争指導を巡って閣内対立が生じ、保守党はデイヴィッド・ロイド・ジョージ(首相在任: 1916年 - 1922年)ら首相批判派に同調した。その結果アスキスは辞任しロイド・ジョージが後任に収まった。1918年の戦争終結後も保守党は連立政権を維持したが、自由党の方は連立継続を巡ってロイド・ジョージの連立派とアスキスの野党派に分裂した。この結果ロイド・ジョージ派は単独では庶民院での過半数を失ったため保守党に政権の基盤を依存せざるを得なくなった。一方の保守党では党首のボナー・ローが病気のため1921年に辞任し、連立維持に積極的なオースティン・チェンバレンが後任となった。
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