農村の状況
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/24 13:35 UTC 版)
ブラジルは1891年に君主制から共和制に転換したが、デオドロ・ダ・フォンセカ大統領は、副大統領フロリアーノ・ペイショトの敵意と、国家の権力集中を嫌う大農園経営者たちの反発を受けて辞職した。以降の政権は軍部と大農園主たちの支持によって成立する政権となり、政府の権限はリオデジャネイロやサンパウロといった都市部に留まって、ブラジルの広大な「地方」はコロネル(大佐の意)と呼ばれた大農園主が支配する「王国」のまま残された。そのため共和制に移行しても、人口比4%の大農園主が農耕地の60%を所有する状況に変化はなく、土地を持たず農園で働かせられる労働者の生活も改善されなかった。特にブラジル北東部では旧来の大土地所所有制度(ファゼンダ)が温存された。その上、フォンセカ政権が工業生産や商取引の増加を過大に見込んで紙幣を乱発したため、庶民は搾取とインフレーションに苦しめられていた。
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