ささにしき組
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/28 17:15 UTC 版)
駅の南口に勢力を張る博徒(古典ギャンブル)系ヤクザ(任侠)組織。安定収入を得るために『スーパー笹屋』を経営しており、祭りの縁日ではテキ屋(露天商)も行う。ヤクザではあるがカタギには優しいため、周辺の住人はもちろん駐在の警察官からも信頼されている。 笹本 紅葉(ささもともみじ) 伝説の札師(花札職人)の娘、登場時は16歳。この物語の主人公の一人。旧姓山野。父に続いておばにも先立たれ、おばの遺言に従って笹本万蔵を訪ねるが、その先で法律上万蔵の妻(兼、名目上組の代表者)になってしまっていたことを知る。当初は勝手の違う任侠の世界に途惑うものの、持ち前の明るさで色々な難局を乗り越えていく。 父が任侠の世界に通じていたこともあり、口上や啖呵でもいっぱしの口が利ける。その上で、親分衆に向かって「学生にも仁義がある」と言い放つなど、女子高生らしからぬ胆力も併せ持つ。 笹本 碧(ささもと みどり) 笹本万蔵の内縁の妻でもとは名の売れた深川芸者。登場時は28歳。この物語のもう一人の主人公。万蔵死後、実質的な組長としてささにしき組を取り仕切っていたが、万蔵が生活支援していた山野紅葉と知り合い、その子が法律上の母親となってしまっていたことに愕然とする。そのうえで、カタギである紅葉を任侠の世界に足を踏み込ませないように奔走する。 もと芸者でありながら凄腕の博徒(鉄火芸者と呼ばれる)でもあり、「隠し牡丹」の通り名を持つ。この名は「白粉彫り」によって興奮したり入浴したり血行が盛んになると牡丹の入墨が肌に浮かぶことに由来する。殴り込みの時に用いる武器は菊一文字。 陣吉(じんきち) 万蔵から杯を受けて(組に入って)10年あまり経つ古参の組員で、代貸(実質ナンバー2)の肩書きを持つ。肩書きどおり碧の補佐役であり、組員の中では一番出番が多い。かなりの苦労人のようで、種々のもめごとに対して仲裁役にまわることが多い。また、酔うと品のない冗談をいうクセがあり、紅葉を羞恥で赤面させた。 堀部 三吉(ほりべ さんきち) ささにしき組の三下(下級組員)、スーパー笹屋の営業社員でもある。テキ屋ではお好み焼きを担当。ヤクザでありながら実直、温厚、勤勉で善人そのもの。ただし知性は少々怪しく、きろうとした仁義を途中で忘れてしまった。 高山 初太郎(たかやま はつたろう) 紅葉が通う高校の後輩。仁侠映画ファンで、高校の体育館で行われた手打ち式に感動してささにしき組の乾分(子分)となるが、理想(映画の世界)と現実(スーパー営業員としての御用聞きと配達)のギャップに苦悩する。それでも組を辞めることなく、組員その一兼紅葉のボディーガードとして時折登場する。 源(げん) ささにしき組組員、かなりの老人。中庭の掃除をしていた。 徳(とく) ささにしき組組員、ハゲ頭で顔がかなり前に突き出ている。テキ屋では綿あめを担当。売り上げ勝負でこしひかり組と対決するも、流行を外した商法により敗北。 修平(しゅうへい) ささにしき組組員、かなりの老人。テキ屋では金魚すくいを担当。テキ屋稼業40年のベテランで、子供達に金魚すくいのコツを教えるなど優しく、暖かい雰囲気を持つ。 茂(しげ) ささにしき組組員。古米会との手打ちの花会では合力(ツボ振りの手伝い)をやる予定だった。 大船(おおふな) ささにしき組の顧問弁護士。笹本万蔵が山野紅葉との婚姻届を提出していたことを伝えた。 笹本 万蔵(ささもと まんぞう) 故人、ささにしき組の三代目組長。内縁の妻として碧をそばに置いていた。死に際して紅葉を養女とするために書類上の手続きをとるが、養子縁組と婚姻届を間違えて提出したために紅葉を妻に、碧を娘にしてしまった。故人となったため、紅葉が再婚することは可能だが離婚は不可能。 碧が惚れる侠客であったが、死後に発覚する種々のトラブルに周囲が呆れていた。
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