くろいみねいせきとは? わかりやすく解説

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黒井峯遺跡

名称: 黒井峯遺跡
ふりがな くろいみねいせき
種別 史跡
種別2:
都道府県 群馬県
市区町村 渋川市
管理団体
指定年月日 1993.04.02(平成5.04.02)
指定基準 史1
特別指定年月日
追加指定年月日
解説文: 浅間山榛名山赤城山火山擁する群馬県一帯には、火山噴火に伴う火山灰軽石の推積によって埋没した多く遺跡認められている。これらの遺跡は、今まで不可能とされていた旧地表面検出可能にし、考古学研究大きな成果もたらした
 群馬県のほぼ中央部吾妻川面した河岸段丘上にある黒井峯遺跡は、榛名山二ツ岳西南一〇キロメートル)の爆発噴出した大量軽石によって、短時間のうちに埋没した古墳時代後期集落跡である。遺跡のある子持村一帯は、子持山南麓から流れ小河川河岸段丘によって構成される軽石はこの地域一帯覆いつくし、薄いところで五〇~六〇センチメートル、厚いところで二メートルを測り、遺跡周辺堆積の最も厚い地帯である。
 昭和五十七年遺跡西辺部での軽石採取中、軽石下より古墳竪穴住居埋没していることが確認され注目集めたこのため子持村教育委員会が、昭和五十八年から三か年計画地中レーダー深査とトレンチ調査実施し台地中央部中心に一一〇か所の竪穴住居凹地確認した一方昭和六十年~六十二年に約四万平方メートル発掘調査が行われ、竪穴住居平地住居平地建物・庭状遺構・畠・道・柵列・祭祀跡などからなる古墳時代後期集落極めて良好な状態で検出された。
 本遺跡の特徴は、短時間降り積もった厚い軽石層に覆われたため、軽石中に建物の壁・崩れかけた屋根柴垣・綱代垣等が立ったままの状態で保存され建物の上構造復元できること古墳時代後期地表面後世攪乱を受けることなく残されたため、集落構成するさまざまな遺構具体的に、しかも同時性持って検出されたことである。
 調査区域内での集落は、人為的に踏み固められ硬化面の広がり柴垣囲まれ範囲などによって、竪穴住居中心にいくつかの単位分けることができる。この単位構成する共通の遺構として、柴垣囲まれ平地住居平地建物堀立建物小区画に分けられた畠・祭祀跡等が存在するまた、碁盤目状仕切られ一区画四〇〇~五〇〇平方メートルの畠が垣の内外接して設けられている。各単位占有面積は約五〇〇二〇〇〇平方メートル測るが、規模によって建物数が異なり、六~一三棟によって構成されている。それぞれの単位は、幅約八〇センチメートル幹線道三〇センチメートル前後枝道によって有機的に結ばれ集落全体構成されるその他の遺構として台地斜面湧き水利用した水場、そこから流れ出る用いた水田集落内には樹木痕跡等が認められている。
 また科学的分析結果から、残留脂肪酸により、外壁のない切妻屋の中で牛が飼われていたことが、プラント・オパール分析では、柴垣構築材にブナ科付いた樹木使用され、畠からは稲・ハトムギ・アズキ・麻・瓢〓(*1)等が栽培されていたことなどが判明した
 以上のように、黒井峯遺跡では、古墳時代後期集落実態が、従来考えられてきた以上に複雑化した様相持っていたことが明らかとなり、これから集落論や古墳時代社会構造認識に、新たな視点与えた遺跡として貴重である。
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