あ行・か行
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/16 17:49 UTC 版)
あかい(明い) 暖色の。明るい。「七時やゆうのにまだ外があかいの」 あかん 駄目だ(いかん)。小豆島弁。小豆島以外の香川では若者言葉。 〜あげる 動詞の後について、動詞の意味を強める。下品な言葉になる。主に「叩く」系統の意味の動詞に付く。「たたっきゃげる」「けっりゃげる」「おがっしゃげる」「ちゃっしゃげる」「きゃっしゃげる」「おごっきゃげる」「しばっきゃげる」「くらっしゃげる」「はっりゃげる」 あずる 【動】苦労する。「あずんじょったんなあ?」「がいにあずったがあ」「もうあずんじょるけん、代わりに食うてた」 あななん あんなもの 「あななんいかんわ」 あほ 馬鹿。「お前あほやのお」 あんじゃるい 【形】気持ち悪い、気味悪い。 いいかげん 【副】たくさん。多く。十分。中讃での表現。「これまでした旅の記録調べたら、意外にいいかげん方々行っとったわい」 いかさま 【形】ものすごく。「いかさま、おとっちゃまやのぉ」 いごく 【動】動く。古い日本語の転訛である。「なんいごっきょん?」 いで 【名】道の端などにある細く浅い水路(溝)のこと。上代の言葉に水路の堰の意で「いで」とあり、それに関係か。 いぬ 【動】帰る。古語の保存。「ぼちぼちいぬんな?」「そうやなぁ、いのか」 いまさっき つい先程やまさに今の意味。「いまさっき帰ったとこじゃが」 うれしげな 調子に乗っている、図に乗っている、思いあがっている、というような様子をさすが、讃岐弁独特の感覚であり、完全に同じ使い方が出来る単語というのは共通語には無いと思われる。ニュアンスは名古屋弁の「ちょうすいとる」(=調子付いている)に近い。讃岐弁を知らない人には、単純に嬉しそうという意味ととられがちであるが違う。「うれしげにしとるのお」(侮蔑的なニュアンスが強い言葉であり、不用意に使うと揉めごとの発端になるので注意) うまげな・うまたげな 素敵な。「うまげな車やのぉ」(西讃方言) えらい 【形】疲れた。しんどい。古語の保存。「えろうて動けんわ」【副】とても かなり 「えらい遅い車やのう」 おおかた もうちょっとで。「おおかたやられるとこやったがー」 大体、あらかたのことを指す場合もある。「仕事おおかた終わったわ」 おがす 【動】(土等を底から)掘り返す。田の端の土を耕す際に「田んぼのへりをおがす」と言う。 おがっしゃげる 【動】ぶん殴る。「ちゃっしゃげる」→「くらっしゃげる」→「おがっしゃげる」の順に強くなる。 類語に「おごっきゃげる」「きゃっしゃげる」「しばっきゃげる」「はっりゃげる」等がある。すべて同様の意味だが、強さのニュアンスに差がある。 おかっこまり 正座。地域によっては、まりが取れて「おかっこ」となることもある。 おきる 【動】腹が膨れる。「腹おきてもう食えんわ」「腹、おきたんな?(=「お腹、いっぱいになりましたか?」) おじゅっさん 【名】お坊さん。 おたし 【代】私。老人語。「おたしは知らんぜ。」 その他「ウ」が「オ」に変化。「海(オミ)」「兎(オサギ)」「後(オシロ)」「うどん(おどん)」いずれも老人語。 おとっちゃま 【名】臆病者。「いかさま、おとっちゃまやのお」 おどれ お前。「おどれなめとんか」 おび 魚(幼児語) おぴっぴ うどん(幼児語) おらぶ 【動】叫ぶ。古語の保存。「何おらんびょんな?」 おもっしょい【形】 面白い。「この漫画おもっしょいのお」 がいな 【形】すごい。きつい。強い。古語の保存。「がいに飛ばすなぁ」「あの人はがいな」 香川オリーブガイナーズ(四国アイランドリーグplus)の名称は、この讃岐弁(がいな)に由来している。愛媛県では「意外な」、高知県では「乱暴な」の意味で使われる。中四国と九州の一部に分布する言葉である。 かく 【動】かつぐ。若干の意味の変化はあるが、古語の保存である。「ちょっとそっちかいてつか(西讃)」「ちょっとそっちかいていた(東讃)」 がち 卑しい。意地汚い。「がちげにすな!」(もの欲しげにするな) かど 【名】(漠然と)家の外。玄関先。共通語の「表(おもて)」。「かどんとこに、誰かおるで」 かまへん(かまん) 構わない。〜でも良い。 〜がん 〜だけ、〜分。「あるがんまんで(あるだけ全部)」「遠足の菓子は三百円がんまでの」 きにょう 【名】昨日。「きんにょ」とも 〜きん(〜きに) 【助】〜から。理由・原因を表す。西讃・中讃での表現。「暑いきん、クーラーつけようで」「かかんきんこん、こんきんかかん(〔手紙を〕書かんきん来ん、来んきん書かん=書かないので来ない、来ないので書かない)」 く 家。「友達んく遊びに行った(友達の家に遊びに行った)」「うちんくに来るな?(私の家に来るかい?)」極西部では「き」とも言う。 くらっしゃげる 殴る。ちゃっしゃげる・くらっしゃげる・おがっしゃげるの順に強くなる。 けっこい 【形】きれいな。美しい。「あの子いかさまけっこい子やの」「けっこにしてどこ出かけるん」 〜げな 〜のような。動詞、形容詞、名詞に付く。これの多用も讃岐弁の特徴である。これに近い表現が古語にも多々見られる。「もうせんげなな(もうしないみたいだね)」「え? するげに言いよったで(え? するように言っていたよ)」「あれげなな(あれっぽいね)」 〜けん(〜けに) 【助】〜から。理由・原因を表す。東讃から西讃での表現。「〜きん」と同意。「明日早いけん、もう寝まい」(明日早いからもう寝なさい) けんびき 口内炎や肩こりなど体の不調の状態。 ご 下述の「ごんな」の縮まった形。 ごじゃはげ 無茶苦茶。「ごじゃ」とも「もうごじゃはげじゃわ」 禿とは無関係だが、県内出身者が県外出身者の禿の人もいる場で言いかけてあせることも。 こそばい くすぐったい。 こらえん 【動】承知しない。許さない。「〜したらこらえんぞー」 こんこ 【名】たくあん ごんな 〜してください。丸亀周辺で使われる。「廻ってごんな、見てごんな」 こんぴらさん 【固名】金刀比羅宮
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