ぼちぼち
いわゆる関西弁の「ぼちぼち」は「まあまあ悪くない」という意味合いで用いられることが多いが、これも「派手な勢いではないがゆっくりと事が進んでいる」という意味を土台とする表現と解釈できる。
「ぼちぼち」の語源・由来
「ぼちぼち」の語源は定かでないが、恐らく、元々は、小さい点々などを表現するオノマトペ的な言葉であったと推測される。こういう畳語の副詞はオノマトペ由来の言葉が多い。「ぼちぼち」と同じような語感の「ぽつぽつ」「ぽちぽち」「ぽつりぽつり」などの副詞も、「雨雫などが少し降るさま」や「途切れ途切れに行われるさま」を指す意味合いがある。
「ぼちぼち」の類語
「ぼちぼち」の類義語としては「徐々に」「次第に」「緩やかに」「そろそろ」などが挙げられる。「徐々に」や「次第に」は、物事の進行や変化が性急でないさま、少しずつ変わってゆくさまを指す意味で使える。
「緩やかに」は、動作や線形の勢いが激しくないさま、少しずつ変わってゆくさまを指す意味で使える。
「そろそろ」は、ある状態やタイミングが近づいてきている、すぐそこに迫っている、という意味で使える。「ぼちぼち行こうか」のような表現の言い換えに使える。
「ぼちぼち」を含む熟語・言い回し
「ぼちぼち頑張る」
「ぼちぼち頑張る」は、いきなり全力を注ぐのではなく、少しずつ着実に、あるいは無理のない程度に(自分のペースで)頑張る、という意味・ニュアンスで用いられる言い回しである。なお「頑張るぼちぼち」はラッパーの韻マンが2022年に発表した曲のタイトルである。
「ぼちぼち元気」
「ぼちぼち元気」は、「どちらかといえば元気だ」という程度の元気さを表現する言い方である。気力に満ちあふれているというわけではなく、かといって全く元気がないわけでもない、そこそこ元気、まあまあ元気、くらいのニュアンスで用いられる。「ぼちぼちいこか」
「ぼちぼちいこか」は、「それではそろそろ行こうか」くらいの意味で用いられる言い回しである。相手に配慮しつつ次の行動へ促すようなニュアンスで用いられる。この「ぼちぼち」の用法は多分に関西弁的である。「いこか」は典型的な関西弁である。「ぼちぼちいこか」は、アメリカの作家マイク・セイラー(Mike Thaler)の絵本の邦題でもある。原題は「What could a hippopotamus be ?」。訳者は今江祥智。タイトルだけでなく本文もすべて大阪弁基調で訳されている。
「ぼちぼちでんな」
「ぼちぼちでんな」は、「関西あるいは大阪の商人の会話」のステレオタイプとして知られるセリフである。「儲かりまっか?」とか「どないでっか?」のような問いかけ(挨拶)に対する返事として用いられる。「儲かりまっか?」に対する返答としての「ぼちぼちでんな」は、「特別に儲かっているわけでもないが、まるで儲かっていないというわけでもない、どちらかといえば儲かっている方だ」くらいの意味合いと解釈しうる。もっとも、たとえ派手に儲けていても火の車でも、建前上「ぼちぼち」と答えておく、という使われ方をする場合も多い。いわゆるテンプレ、紋切り型である。
「ぼちぼちの恨み」
「ぼちぼちの恨み」は「遊戯王オフィシャルカードゲーム」のカード(遊戯王カード)の一種である。正しい表記は「墓地墓地の恨み」であり、副詞の「ぼちぼち」ではない。もっとも、掛け詞(ダブルミーニング)として意識されている可能性もなくはない。「墓地墓地の恨み」は発動条件が揃うと相手側の攻撃力をゼロにできるという強力な効果を持つが、発動条件が厳しく、しかも相手側のデッキ構成に依存するため、しばしば「腐りやすい」と評価される。
ぼち‐ぼち
ぼ’ちぼ’ち
ぼちぼち
「ぼちぼち」の例文・使い方・用例・文例
- ぼちぼちでんな
- 「調子はどう?」—「ぼちぼちだ」
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