「交易の時代」とマラッカ王国とは? わかりやすく解説

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「交易の時代」とマラッカ王国

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/06 14:51 UTC 版)

港市国家」の記事における「「交易の時代」とマラッカ王国」の解説

15世紀から17世紀にかけての東南アジアは「交易時代」(大交易時代)と呼ばれる時代に入る。これは、およそ1450年代から1680年代にかけての時期であり、ヨーロッパ中心史観では「大航海時代」「地理上の発見」などと称されてきた時代とも重なっているが、東南アジアに関していえば、実態としては既にある程度一体化されていたアジアの海にヨーロッパ人おくれて参入しただけのことであった。「交易時代」を現出させていった契機としては13世紀以降マラッカ海峡周辺の住民イスラームへの改宗15世紀前半の明の鄭和による7次にわたったインド洋遠征あげられる13世紀以降スマトラ島北部マレー半島住民ムスリム化が進行している。13世紀末にスマトラ島北端のペルラクに5ヶ月滞留しマルコ・ポーロは、北スマトラ人びとさかんにイスラーム改宗していることを『東方見聞録』のなかに書き残しており、これが当地改宗記録した初出史料となっている。アラブ人来航イスラーム教伝来から数世紀経過した13世紀という時期ムスリム化が急速に進展した理由として、インドでのめざましいイスラーム化の進展がみられたのがやはり13世紀であり、インドの文化影響の受けやすい東南アジアへはインド系ムスリム商人もたらした考えられること、また、この時代さかんだったのはイスラームなかでも布教に熱心だった神秘主義教団スーフィーだったことなどが掲げられる東南アジアイスラーム化は、マラッカ王の改宗説話端的に示されるように、大量移民軍事的征服によらずして既存王国全体が王を頂点としてイスラーム改宗したことが特徴的であり、それは諸港市をむすび秩序づける規範ないし紐帯として機能した。そして、14世紀末から15世紀初頭にかけて、マレー人によるムスリム政権としてマレー半島北西部マラッカ王国成立しシュリーヴィジャヤマジャパヒトの両勢力抑えてマラッカ海峡両岸支配し海洋国家をきずいたのであるマラッカ王国は、タイアユタヤ王朝対抗するために明に朝貢し、鄭和西征こうしたマラッカ王国動き対応したものであったマラッカ王国首都であったムラカ(英名マラッカ)には、港務長官が4名もおり、第一長官インド西海岸グジャラート州第二長官南インドベンガル州およびビルマミャンマー)、第三長官東南アジア島嶼部第四長官中国(明)、琉球王国チャンパそれぞれ担当地域としていた。ムラカは、商人船員通訳港湾労働者、人や物流管理する吏員船乗り商人相手をする遊女などでにぎわったのである。 「交易時代」に入り貿易船航路にあたる沿岸諸地域には港市発達し、人や物産情報交流活発化して諸地域たがいに緊密に結ばれ、さらにまた、交易もたらす富が港市発展促した16世紀初頭ポルトガル人トメ・ピレス(英語版)の『東方諸国記(ポルトガル語版)』は、ムラカ港市は「商品のために作られ都市で、その点では世界中のどの都市よりもすぐれている」と絶賛しており、そこでは、カイロ・メッカ・アデンのムスリムアビシニア人エチオピア人)、キルワマリンディなどアフリカ大陸東岸人びとペルシャ湾沿岸ホルムズの人、ペルシャ人ルーム人(ギリシャ人)などが集まったとし、さらに「62の国からの商人集まり84もの言葉話されている」と記している。 しかし、そのような港市国家繁栄ヨーロッパ諸国進出を招くこととなったポルトガルによってムラカ占領されたのは1511年のことである。マラッカ王国スルタン、マームド・シャー(英語版)はポルトガル船隊15倍の兵力有していたといわれ、攻防戦熾烈きわめたが、最終的に華僑ポルトガルについたことが勝敗決したといわれている。

※この「「交易の時代」とマラッカ王国」の解説は、「港市国家」の解説の一部です。
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