「いそかぜ」関係者
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/15 02:59 UTC 版)
「亡国のイージス」の記事における「「いそかぜ」関係者」の解説
竹中勇(たけなか いさむ) 演:吉田栄作 海上自衛隊ミサイル護衛艦「いそかぜ」副長兼船務長(映画では船務長のみ)。三等海佐。他の主要幹部達と違い、防大出身ではなく一般大学から海上自衛隊幹部候補生学校に入隊。「有事法制研究会」メンバーだったが、高い能力から左遷を免れ「いそかぜ」に残った古参(着任3年目)の幹部である。A幹内の防大出身者と一般大出身者の待遇差に、潜在的な不満を持っている。 いわゆる「ムードメーカー」として描かれている一方で、自分の本心や本来の感情をどこか押し殺しているように見える場面も多い。明るく穏やかかつ誠実な人柄で、下士官からも好かれる幹部として描かれ、嫌われ者として描かれている杉浦や風間らとは一線を画した存在である。葛藤からか、事件前に仙石に「何か」を打ち明けようとしたが、結局伝えられずに終わる。妻とは死別して久しい。 叛乱以後も、船乗りとしての正常な感性を維持していたことでヨンファと、そして宮津とも対立。叛乱を裏切ったことが露見すると、ヨンファを負傷させるが、逆に致命傷を負い、宮津に止めを刺される。 杉浦丈司(すぎうら たけし) 演:豊原功補 海上自衛隊ミサイル護衛艦「いそかぜ」砲雷長。一等海尉(映画では三等海佐)。防衛大出身。 竹中とは逆に、規律に厳しく融通の利かない「嫌われ者」として描かれている。父親に憧れて防大を経て海上自衛隊に入隊するが、エリート意識も強く現場叩き上げの海曹士が幹部に上申(リコメンド)する慣習に不満を抱き、「有事法制研究会」の活動にのめり込む。周囲の人間に関心が無く、無意識のうちに社会との関わりを閉ざしていた。戦闘の中で仙石と遭遇して虚脱し、改心するが、如月に反射的に銃を向けてしまい殺される。 映画では積極的にヨンファたちに協力しながらも葛藤する姿が描かれた。 横田利一 海上自衛隊ミサイル護衛艦「いそかぜ」航海長。一等海尉。「有事法制研究会」メンバー。 仙石とは交流が少なかった。叛乱の終盤、舵輪を握ったまま死亡する。 酒井宏之 海上自衛隊ミサイル護衛艦「いそかぜ」機関長。一等海尉。「有事法制研究会」メンバー。 さえない幹部の典型と描写されたが、叛乱の終結にあたって冷静に振る舞う。 風間雄大(かざま ゆうだい) 演:谷原章介 海上自衛隊ミサイル護衛艦「いそかぜ」砲雷科水雷士。三等海尉。防衛大出身の初任幹部。 茨城県出身。優等生であるが、その分エリート意識が強く、小心者で頭でっかちのヒステリー男として同世代の海曹、海士達の嫌悪を一手に引き受ける存在として描かれている。田所殺害後の混乱では「こんなことをするために海自に入ったんじゃない」と発言し、本心を覗かせる。「有事法制研究会」で宮津隆史とも交流があったため、隆史の死後、初度配置から希望に反して経補幹部となり、左遷に等しい扱いを受けたと感じていた。 叛乱にあたって気持ちが高揚していたが、終盤ではヒステリックに銃を乱射する。仙石に銃を取り上げられると、子供にかえったように号泣する。如月の治療を通じて生命の尊さを実体感し、人の生命を奪う叛乱に加わったことを後悔すると、同期の初任幹部たちを一喝し、退艦を決意させる。 若狭祥司 演:光石研 海上自衛隊ミサイル護衛艦「いそかぜ」掌帆長。海曹長。仙石の親友であり、家庭内事情に対して親身に相談に乗る。プライベートでは家庭を大切にしており、20年来家族との交換日記を欠かさない。 「いそかぜ」に戻った仙石から乗組員を託されるが、潜水艦「せとしお」に最初に救助されることを潔しとしなかった。その後、作戦計画立案のため、渥美から仙石の情報を聞かれる。事件後は「はるゆき」に異動する。 田所祐作(たどころ ゆうさく) 演:斉藤陽一郎 海上自衛隊ミサイル護衛艦「いそかぜ」第一分隊砲雷科海士長。 暴走族を辞めてブラブラしているところを自衛隊地方連絡部の広報官に声を掛けられて入隊した。入隊後も暴走族くずれの気質がぬけなかったが、仙石の推薦で防衛記念章を授与されてからは見違えるように訓練に励むようになり、元々の面倒見の良さから海士達のまとめ役「兵長」として若いクルーを取り仕切るようになる。仙石の弟分的な存在。海曹への昇任試験を控え、米軍への留学を夢見ている。戦闘配置の混乱の中、如月を追い、何者かに殺害される。 映画では主人公やストーリーそのものへの絡みが少なくなっており、既婚者で恐妻家であることを窺わせている。 菊政克美(きくまさ かつみ) 演:森岡龍 海上自衛隊ミサイル護衛艦「いそかぜ」第一分隊砲雷科二等海士。 人間関係がギクシャクしがちな「いそかぜ」クルーの潤滑剤的な存在。幼い頃に両親が離婚して、祖母に育てられた。魚雷訓練中、事故死する。 他の福井作品でも同姓の登場人物がしばしば登場し、同じく悲劇に襲われることが多い。
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