《行方》の正しい読み方
「行方」の正しい読み方
「行方」の一般的な読み方は、「ゆくえ」である。「行(ゆく)」と「方(え)」が組み合わさった形の熟語である。「方」の「え」という読み方は、一般的ではない。しかし、元々の漢字に備わっている読みである。また、「なめがた」や「なみかた」、「ぎょうほう」といった読み方もある。その場合は、「ゆくえ」とは異なる意味を持つこととなる。「行方」の意味解説
「行方(ゆくえ)」は、行き先を表現するために使用する言葉である。物理的に移動する先を示す他、将来どのような状態になるのか、時間的な行き先を示すために使用することも可能だ。基本的には、不明瞭な行き先を指すために使用する。「なめがた」「なみかた」「ぎょうほう」などと読む場合は、人の名字や地名を指す固有名詞となる。なぜ「行方」と読むのか・理由
「行方」の「ゆくえ」という読み方は、それぞれの漢字が持つ読み方を使用している。そして、古くから「ゆくへ(ゆくえ)」という読みで使用されていた。それが現代まで続いている形だ。「なめがた」「なみかた」といった読み方は、「なみ」という古語が元となっている。古来日本では、列や行を作ることを、「なみ」と呼んだ。そして、行の当て字として「なみ」が読み方として定着した。そこに「方(がた、かた)」が組み合わさり、「行方(なめがた、なみかた)」となった形である。「行方」の類語・用例・例文
「行方」という言葉は、物理的あるいは時間的な移動先を示すために使用する。例文にすると、「思い切って電車に飛び乗ったが、行方を確認するのを忘れた」「彼と連絡がつかないため、行方がわからないままである」「この損失で我が社の行方が全くわからなくなった」といった形だ。名字や地名を指す場合は、「行方さんはこの辺りが出身地だそうだ」「会社の事業展開に伴って、私は行方に配属となった」のようになる。「行方」を「ゆくえ」と読む場合、物理的な移動先を示すのであれば、「目的地」が類語として挙げられる。行き先を示す言葉という点は共通であるが、大抵の場合、目的地は明確であるのに対して、行方は不明瞭なことが多い。時間的な行方を示す場合の類語は、「将来」や「先々(さきざき)」などである。いずれも未来を指す言葉であり、行方とほぼ同義だ。
「行方」の英語用例・例文
「行方(ゆくえ)」を英語で表現する場合、物理的な移動先を示すのであれば、「whereabout」を使用する。例文にすると、「I am looking for her whereabouts(彼女の行方を調べている)」といった形だ。未来を指す場合には、「future course」を用いて、「The future course of this country is unclear(この国の行方は不明瞭だ)」のように表現する。名字や地名の場合ローマ字で「Namikata」「Namegata」などと表記する。例文だと「Mr.Namikata is my boyfriend(行方さんは私の恋人だ)」「I went on a trip to Namegata the other day(先日、行方に旅行に行ってきた)」といった形となる。《行方》の正しい読み方
「行方」の正しい読み方
「行方」の一般名詞としての読み方は「ゆくえ」である。あるいは、「行き方」の略として用いられ「ゆきかた」「いきかた」と読まれる場合もある。人名(名字)としては「なめかた」や「ゆきかた」その他さまざまな読み方がある。
地名としては、茨城県行方市は「なめがた」、岡山県勝田郡奈義町行方は「ぎょうほう」と読む。
「智円行方」の読み方は「ちえんこうほう」である。
「行方」の意味解説
「行方(ゆくえ)」は、空間的に実際に移動した先、および時間的に先のことを指し、以下の意味がある。1. 行くべき方向。向かっていく先。進んでいく場所・方向。
2. 去って行った方向。行った先・場所。
3. 今後のなりゆき。これから先、行く末、将来。
「行方」を「ゆきかた」と読む場合、ある場所へ行く方法、道順を意味する。また、「なめがた」は、ヤマトタケルノミコトが水辺と大地の入り組んだ土地の様子を、「行細し(なめくわし)」と表現したことに由来している。
なぜ「ゆくえ」と読むのか・理由
行方を「ゆくえ」と読むのは、熟字訓という読み方によるもので、「ゆくへ」(読みは「ゆくえ」)という古文単語に対して、漢字本来の音よりも「行き方」「行った方」という意味を優先して、「行方」という漢字が当てられたためである。「行方」の類語・用例・例文
「行方」の類語には、「行き先」「行き場」「行く手」「行く末」「前途」「将来」などがある。「行方」は、以下のように、話し手にとって「わからないどこか」「はっきりしない場所」など、空間的・時間的な行き先に不確さや不明瞭さがある場合に用いる。
・好奇心旺盛で行動力もあった学生時代、行方も定めずに1ヶ月の旅に出たことがある。
・彼女は大学進学で地元を離れてから、行方知らずになってしまった。
・警察は、何らかの事情を知っているとみて、被害者の同僚の行方を追っている。
・今回の選挙では、無党派層の人々の票の行方が、大きなカギを握っていると言われている。
・決勝戦は、これまで負けなしの強豪チーム同士の対戦で、勝敗の行方は全く予想がつかない。
そのため、向かう先がはっきりしている場合は使用することができない。例えば、「今年の修学旅行の行方は京都です」という使い方はできず、「行方」の代わりに「行き先」を使うのが適切である。
「行方」の英語用例・例文
行方の英語は「whereabouts(居場所)」「outcome(結果・成果)」など。「行方不明」の場合は「missing」「lost」などを使う。・The whereabouts of the actor suspected of fraud are still unknown.(詐欺容疑のその俳優の行方は、まだわかっていない。)
・She is anxious to get any information about the whereabouts of her father.(彼女は父親の行方について、どんな情報でも得たがっている。)
・Police are searching for a missing girl.(警察は行方不明の少女を捜索している。)
・The report about the global market might influence the outcome of the negotiations.(世界市場についてのレポートが、交渉の行方を左右するかもしれない。)
・What will be the outcome of the game?(試合の行方はどうなるだろうか?)
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