《行ってらっしゃい》の敬語
「行ってらっしゃい」の敬語表現
「行ってらっしゃい」の敬語表現は「行ってらっしゃいませ」となります。「行ってらっしゃい」は「行く」の連用形、その後に言葉を続けるための接続助詞「て」、「来る」の尊敬語「いらっしゃる」の命令形からなる言葉で、「行って来て下さい」という意味です。外出する人に向けた挨拶言葉で、「行って、そしてまた無事に帰って来て下さい」という願いが込められています。「らっしゃい」の部分が命令形ですが、日本語では丁寧な命令形は目上の人に使っても問題のない敬語に当たります。つまり「行ってらっしゃい」自体が敬語となります。しかし日常に定着しすぎていて、目下の人にも親しい関係の人にも使える挨拶言葉ということもあり、敬語だという印象は薄いかもしれません。目上の人に対して「行ってらっしゃい」とそのまま使うのは失礼に当たると感じる人もいます。
より丁寧に表現したい場合は「行ってらっしゃいませ」とすると良いでしょう。「ませ」は「いる」の丁寧語「ます」の命令形です。語尾が丁寧な命令形となり文法的には「らっしゃい」と変わりませんが、「~ませ」という言い方は店員が接客で用いる言葉遣いとして耳なじみのある人が多く、丁寧な印象が強い言葉です。語感も柔らかくなるので、目上の人に対しても安心して使える表現と言えるでしょう。
「行ってらっしゃい」の敬語の最大級の表現
「~ですので(ですから)、どうぞお気をつけて行ってらっしゃいませ」とすると最も敬意のこもった表現になります。前半の「~ですので(ですから)」には、相手を気遣う言葉が入ります。例えば天候について、「暑いですので、お気をつけていってらっしゃいませ」「午後から風が強くなるそうなので、お気をつけて行ってらっしゃいませ」などです。雨天には「お足元が悪いですから」としても良いでしょう。「行ってらっしゃい」は本来、相手が無事に帰るように祈る言葉で、心遣いです。ですので相手のことを気遣っている、親身になっているような言葉を添えることでより丁寧に、敬意をこめて表現することができます。
「行ってらっしゃい」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「行ってらっしゃいませ」は一般的にメールや手紙の冒頭では使いませんので、用件を記述した後に締めくくりの言葉として用いるのが良いでしょう。・3時から外回りでしたね。行ってらっしゃいませ。
・出張のご予定をお知らせいただいてありがとうございます。どうぞお気をつけて行ってらっしゃいませ。
より丁寧にしたい場合に添える気遣いの言葉としては、天候についての事柄が使いやすく無難です。また相手が出張などで長い期間出かける場合は体調を気遣う言葉に替えることもできます。
・ご出張先は、来週は雨の予報でしたね。寒くなりますからお気をつけて行ってらっしゃいませ。
・今回の海外出張は2週間とのことですが、どうぞお体に気をつけて行ってらっしゃいませ。
仕事ではなく旅行やレジャーに出かける旨のメールや手紙などを受け取った場合は、楽しんで下さいという一言を添えて返しても良いでしょう。
・家族でご旅行なんてうらやましいですね。お子様も喜んでいらっしゃるでしょう。お気をつけて行ってらっしゃいませ。楽しんできて下さいね。
・週末はゴルフのご予定でしたね。ハイスコアを期待していますよ。お気をつけて行ってらっしゃいませ。
「行ってらっしゃい」を上司に伝える際の敬語表現
上司に対しては「行ってらっしゃいませ」とするのが適当です。かしこまった関係の上司に対しては「雨ですのでお気をつけて行ってらっしゃいませ」などと表現するとより丁寧です。口頭では気遣いに相当する言葉を長くしすぎないように気を付けましょう。「行ってらっしゃい」はこれから外出しようとしている人にかける言葉です。「雨ですので」「寒いので」「お足元が滑りやすいので」など端的な言葉にして、くどい言い回しは避けるようにしましょう。心遣いのひと言ですが、特に上司に対しては「~ですが」ではなく「~ですので(ですから)」という言い方が無難です。「ですが」は否定形となり「雨ですがお気をつけて」とすると「外はあいにくの雨ですが」という意味が加わります。「(私は建物の中にいますけど)外は雨ですがお気をつけて」という皮肉めいたニュアンスが微量ですが含まれるため、上司が言葉に敏感なタイプだと失礼と受け取られる場合があります。どちらの言い方も文法的に間違っているわけではないのですが、言葉から受ける印象が違う場合があるので覚えておきましょう。
「行ってらっしゃい」の敬語での誤用表現・注意事項
「行ってらっしゃい」には「行って、帰って来て下さい」の意味があるため、往復する相手にかける言葉です。一般的に、戻ってくる予定のない相手に対しては使いませんので気をつけましょう。引っ越しをする人や、転勤する上司に「行ってらっしゃいませ」と声をかけるのは不自然な表現となります。ただし、転居や転勤をしても一定期間が過ぎれば戻ってくる予定がある場合は「行ってらっしゃいませ」などの敬語表現で見送ることができます。「行ってらっしゃい」の敬語での言い換え表現
・行ってらっしゃいませ・お気をつけて行ってらっしゃいませ
・どうぞお気をつけて行ってらっしゃいませ
・お足元が悪いのでお気をつけて行ってらっしゃいませ
・行ってらっしゃいませ、お気をつけて
・行ってらっしゃいませ、お気をつけになって下さい
・早く帰って来て下さいね
・ご無事でお戻り下さい
・お帰りをお待ちしております
・お帰りをお待ち申し上げております
《行ってらっしゃい》の敬語
「行ってらっしゃい」の敬語表現
「行ってらっしゃい」を敬語で表現する場合、「行ってらっしゃいませ」という形になります。「行ってらっしゃい」自体は、文法上は敬語の表現です。行った後に、無事に戻って来てくださいという意味の言葉で、「行って」と「いらっしゃい」を組み合わせてあります。「いらっしゃい」の部分が戻って来ることを意味していますが、そこに敬語の要素が含まれます。「来る」の敬語表現である「いらっしゃる」が変化した形で、店舗が顧客を迎え入れる際に使用することが多いです。このように、「行ってらっしゃい」には敬語の要素が含まれているため、文法としてはそのまま敬語として使用しても問題はありません。しかし、家族間を始めとして、目上と目下に関係なく日常的に使用されている言葉であるため、「行ってらっしゃい」だけでは敬語だということが伝わりにくいです。そのため、「行ってらっしゃいませ」という丁寧な形にして、敬語であると強調することが望ましいです。「行ってらっしゃい」の敬語での誤用表現・注意事項
「行ってらっしゃい」はそのままでも敬語表現として成立しているため、目上の人に対して使用しても問題はありません。しかし、ビジネスの顧客相手や格式高い場面では、「行ってらっしゃい」は、不適切な表現と捉えられかねません。そのため、「行ってらっしゃいませ」を使用した方が無難です。ただ、「行ってらっしゃいませ」は他人行儀な印象を与えやすいため、会社の上司など、身内の相手に対しては「行ってらっしゃい」の方が適しているかもしれません。使用する状況に合わせて、「行ってらっしゃい」と「行ってらっしゃいませ」を使い分けることが大切です。どちらも敬語であることには違いないため、相手との関係性だけを考えて使い分けても問題ありません。「行ってらっしゃい」の敬語での言い換え表現
「行ってらっしゃい」を別の敬語で表現する場合、「お気を付けて」という形にできます。「行ってらっしゃい」は、「無事に帰ってきてください」という意味がある言葉です。そして、相手が外出や遠出をする前の場面で使用するのが基本です。その同じ場面で使用するのであれば、「お気を付けて」も「行ってらっしゃい」とほとんど変わらない意味を持ちます。特に前後の言葉を意識せず、ただ「行ってらっしゃい」の代わりに「お気を付けて」と言うだけで、意味は伝わります。この「お気を付けて」は、場合によっては「行ってらっしゃい」よりも丁寧な印象を与えることもあります。また、「行ってらっしゃい」と「お気を付けて」は、「お気を付けて行ってらっしゃいませ」という風に組み合わせても問題ありません。それぞれ単体で使用するよりも、丁寧な表現となります。- 《行ってらっしゃい》の敬語のページへのリンク