《旅客》の正しい読み方
「旅客」の正しい読み方
「旅客」は「りょかく」「りょきゃく」両方の読み方があるが、「りょかく」と読むのが一般的である。社名などの固有名詞では、読み方が決まっている場合もある。また、「旅客機」の場合は、「りょかくき」または「りょかっき(促音化:「ク」の後にカ行の音が続いた場合に「ク」が「ッ」の音に変わる)」となり、「りょきゃくき」とは読まない。「旅客」の意味解説
「旅客」は旅をする人・旅人、および、運賃を払って交通機関を利用する人の意味がある。後者には、運転手や客室乗務員などの勤務者である乗員は含まず、利用者の移動の目的は旅に限らない。また、旅客列車、旅客船など、「旅客」の後に乗物の名称がつく場合、貨物輸送や貨物と人(貨客)の輸送ではなく、人のみが輸送対象であることを意味する。なぜ「旅客」と読むのか・理由
「旅客」は漢語であり、それぞれの字を音読みする。「旅」は「リョ」、「客」には「カク(漢音)」「キャク(呉音)」の字音があるため、「リョカク」「リョキャク」の読みとなる。「旅客」の類語・用例・例文
「旅客」の類義語は、「旅人」「旅行者」「乗客」などがある。日常会話では、「旅客」に他の語が結合した熟語で使うことが多い。「旅客」の例文は以下の通り。
・燃料代の高騰により、航空会社の旅客運賃が大幅に値上げされたので、夏休みの旅行を再検討しようと思う。
・地元の港には、海外からの旅客船が定期的に寄港するため、町は外国人観光客でにぎわっている。
・妹は、幼い頃からの夢だった航空業界に就職し、今は旅客サービス業務を担当している。
・感染症やテロ、戦争は、旅客数に大きな影響を与え、航空・鉄道業界や観光業界にとって軽視できない問題である。
・弊社が先日購入した車両は、最大150人の旅客収容能力を有する。
・いかなる時も旅客の安全を守るため、日々の設備点検は決して怠ってはならない。
・旅客にとって快適で思い出に残る旅となるよう、スタッフは笑顔で接客するよう、心がけている。
「旅客」の英語用例・例文
「旅客」の英語は、「passenger(乗客)」「traveler(旅人)」などがある。以下、例文。・The famous market research company expects an increase in passenger figures next year. (あの有名な市場調査会社は、来年、旅客数が増加すると予測している。)
・The manager decided to introduce a new system in order to enhance both conveniences and security of a passenger.(旅客の利便性と安全性の両方を高めるために、部長は、新しいシステムを導入することを決めた。)
・The expressway bus transports passengers from Tokyo to Nagoya every morning.(その高速バスは、旅客を乗せ、東京から名古屋まで毎朝運行している。)
・The test of traveler management system will start tomorrow.(明日、旅客管理システムの試験運用が始まる。)
《旅客》の正しい読み方
「旅客」の正しい読み方
「旅客」の読み方は「りょかく」もしくは「りょきゃく」である。どちらも正しい読み方といえる。どちらかといえば「りょかく」の方が一般的に用いられている。「旅客」の語を含む熟語としては「旅客機」「旅客船」「旅客列車」「旅客輸送」などが挙げられる。「旅客機」に限っては発音の都合上もっぱら「りょかく-き」と読む(「りょきゃく-き」とは読まない)が、その他「旅客船」以下の語については「りょかく」「りょきゃく」どちらでも読める。
「旅客機」は「クキ」とカ行の音が続くため、実際の発音では促音便が生じて「りょかっき」と読まれることが多い。
「旅客」の意味解説
「旅客」は、旅をする人(=旅行者)のことであり、とりわけ船舶や航空機といった交通機関を乗客として利用する人を指す意味で用いられることの多い語である。運輸業においては、運送・輸送の対象が「旅客」と「貨物」に大別される。
人を運ぶサービスが「旅客輸送」、人を運ぶ交通機関が旅客機・旅客船・旅客車。
モノを運ぶサービスが「貨物輸送」、モノを運ぶ交通機関が貨物機・貨物船・貨物車。
なぜ「旅客」を「りょかく / りょきゃく」と読むのか・理由
「旅客」を「りょかく / りょきゃく」と読む理由は、第一に、「旅」「客」をそれぞれ音読みするためである。なぜ「りょかく」と「りょきゃく」の2通りの読み方があるのか、これは漢字の音読みに「呉音」と「漢音」という別種の読み方が適用されているためである。
呉音や漢音(ならびに唐音)は、漢字や語彙が日本に伝来した時代などに応じた、読み方の揺らぎである。現代では「漢字の音読み」は漢音が一般的である。呉音は仏教用語などに多く名残りを留めている。
「旅客」の「客」を「キャク」と読むのは呉音の読み方である。漢音では「カク」と読む。たとえば「刺客(しかく)」。
「客」の字は呉音の「キャク」もいまだに多く使われており、他方で漢音の「カク」も使われていないわけではないので、旅客・乗客・来客・客体・客死、等々、さまざまな熟字において「キャク」「カク」どちらでも読める。
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