《施主》の正しい読み方
「施主」の正しい読み方
「施主」とは「せしゅ」と読む。「せぬし」は読み方としては正しくないので、読み間違えないように注意をする必要がある言葉だ。「施主」の意味解説
「施主」には設計や建築などを依頼する人、僧侶や寺に金銭的な施しをする人、法事や葬式などの儀式の代表者という3つの意味がある。そのため、「施主」を使うシーンの違いや「施主」の前後に付けられる言葉や文章によって「施主」の意味も変化する。なぜ「施主」と読むのか・理由
「施主」の「施」には「施す」や「実行する」、「恵みを与える」などの意味があり、「主」には「あるじ」や「中心者」などの意味を持つ。その2つの文字をそれぞれ音読みにして「せしゅ」と読むようなった。建築の現場では「施主」は工事を行う者に対して対価を与える存在のため、「恵みを与える」「中心者」となり、僧侶への布施を行う人は「施す」「あるじ」、法事の代表者は「実行する」「中心者」という意味で「施主」という言葉が使われる。「施主」の類語・用例・例文
「施主」の例文には、「この物件のお施主さんである○○さんです」や「午後から施主と打ち合わせに行ってきます」、「施主だからと言って良い顔ばかりしていられない」や「あの施主は元気にしているの?」などが挙げられる。また、「施主は私の兄が務めることになっています」や「施主として精一杯務めさせていただきます」なども例文となる。なお、類語には「施工主」や「顧客」、「斎主」などがある。「施工主」は「施主」から依頼を受けて実際に中心になって工事を行う業者のことで、「顧客」はサービスや商品の対象者、またはひいきにしてくれる人という意味があり、「斎主」は儀式などを主催する人のことを指す。用例としては「施工主があの会社なら間違いない、上手くいくよ」や「施工主ともめないように気を付けて」、「あの顧客はいつもすぐに足を運んでくれる」や「顧客の言うこと、要望はなるべく丁寧に聞かなくちゃね」などが挙げられる。また、「斎主が来たら葬儀が始まるから、今のうちにお手洗いに行っておこう」や「斎主に伝えていない連絡事項があるよ、すぐに伝えないと」なども例文となる。
「施主」の英語 用例・例文
「施主」は英語では「owner」と表現される。例文には「It is troublesome because there are many orders of the owner.(施主の注文が多くて困るよ)」や、「I can't contact the owner.(施主と連絡が取れないんだが)」などが挙げられる。また、「On this visit I came to ask a person's advice the owners.(今回は施主に相談をするために来ました)」や、「Where did the owner go?(施主はどこに行ったんだ?)」なども例文となる。《施主》の正しい読み方
「施主」の正しい読み方
「施主」の正しい読み方は「せしゅ」である。「施主」の意味解説
「施主」という言葉は、主に3つの意味で使われる言葉である。1.お寺に対して金品などを施(ほどこ)す人、お布施(ふせ)をする人
2.葬儀や法事の際に費用を負担する人
3.建築工事や造園工事の依頼主
他人に対して何かを提供することを表す「施(ほどこ)す」という字に、動作の主体を表す「主(しゅ)」という字を組合わせることで、「費用や金品を提供する主体となる人」を表した言葉である。元々は仏教において「お布施(ふせ)をする人」を表す言葉として使われていたが、そこから転じて「葬儀などの法事で費用を負担する人」や「建築工事などで費用を負担する人(依頼主)」という意味で使われるようになった。
なぜ「施主(せしゅ)」と読むのか・理由
「施」の音読みは「し」と「せ」、訓読みは「ほどこ(す)」である。「施」は会意兼形声文字であり、旗が長くたなびく様子を表す文字として誕生した。そこから物事を「広くゆきわたらせる」という用途で使われるようになり、現在の「ほどこす」という意味で使われるようになった文字である。「主」の音読みは「しゅ」と「す」、訓読みは「ぬし」と「おも」である。「主」は象形文字であり、燭台の上で火がじっと燃えている様子を表している。物事の中心に位置し、じっと動かずに構えているという様子から転じて、中心的な人物を示す文字として使われるようになった文字である。
これらの2文字を組合わせて「施す+中心人物」を表す言葉として「施主(せしゅ)」という言葉が生まれた。
「施主」の類語・用例・例文
「施主」の類語としては、「喪主」「依頼主」「注文者」などが挙げられる。類語として言い換え可能な言葉は文脈によって変わってくる。「喪主」は「葬儀の責任者」であり「遺族の代表者」を示す言葉として使われる。「施主」は「葬儀の費用を負担する人」を示す言葉であるため、「喪主」と「施主」は異なる人物/役割を示すものとして使い分ける必要がある。ただし、現代においては実質的に「喪主」と「施主」を同一人物が担うケースも増えてきている。
「依頼主」「注文者」は建築工事などを依頼する発注者のことであり、この場合は「施主」と同じ意味の言葉として使われる。建築基準法では、工事施工者は見えやすい場所に施主名などの情報を表示しなければならないと定められている。個人の住宅工事においても、工事監督者の氏名などと併せて、施主の名前を表示する必要があるが、表現としては依頼主や注文者と表示されているケースもある。
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