《既存》の正しい読み方
「既存」の正しい読み方
「既存」は「きそん」と読む。「既」には「すで(に)」という読み方があり、こちらも広く知られている。なお、「きぞん」という読み方をする場合もあるものの、これは本来間違いだ。そのため、「既存」を難読語に分類することもある。「既存」の意味解説
「既存」は「すでに存在していたこと、もの」という意味である。現在に存在しているものと同じ事象が、過去にも見受けられる状態を表す。なぜ「既存(きそん)」と読むのか・理由
「既(き)」とは、「過去にもうあった」という意味の漢字である。また、「存(そん)」は「ある」という意味を持つ。つまり、2つをつなげると「過去にもうあったもの」という意味になる。そのうえで、「既」と「存」を音読みでつなげ、読みやすくした言葉が「既存」だ。「既存」の類語・用例・例文
「既存」の類語には「既出」「現存」がある。いずれも、現在にあるものが過去にも存在していたと示す言葉だ。ただし、「既出」は文献、資料について使われてきた。誰かがすでに執筆するか、提出していたデータについて「既出」は用いられる。一方、「既存」は物や人の存在に関する言葉だといえる。また、「現存」も細かい定義が「既存」と違う。「現存」は過去のものが、現代にまで受け継がれてきたというニュアンスを持つ。あるいは、同じものが過去から現代まで、ずっと存在し続けていた場合にも「現存」は用いられる。それに対し、「既存」は過去のある時点に存在していたものが、現代でも同じ形で存在しているというニュアンスだ。「既存」では、対象が必ずしも過去と現代の間に途切れず存在していたとは限らない。
以下、「既存」を使った例文を挙げていく。
「既存の思想では、君の悩みに答えられない。だから、勉強して新しい可能性を見つけるしかない」
「営業成績が伸び悩み、彼女は苦しんでいた。既存の顧客にアプローチするだけでは、もう限界のようだ」
「既存のルールには穴が多すぎる。それがこのゲームの人気を低迷させている原因だ」
「一度、あの遊園地に行ってみよう。既存の娯楽施設とは比べ物にならないイベントがあると聞く」
「既存」の英語用例・例文
「既存」は英語で「existing」と書く。以下、英語における「既存」の例文を挙げていく。Readers are demanding excitement not found in existing books. The author should know that too.(既存の書籍にはない興奮が、読者からは求められている。作者もそれは分かっているはずだ)
There was a big problem with existing housing in the area. The malfunction of the water pipe is one of them.(この地域の既存住宅には大きな問題があった。水道管の不調はその一つだ)
Apparently this meeting is not interesting. Because no one can abandon existing common sense.(どうもこの会議は面白くないね。誰もが既存の常識を捨てられないでいるからだ)
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