《施行》の正しい読み方
「施行」の正しい読み方
「施行」の一般的な読み方は「しこう」であるが、「せこう」と読む場合がある。これは法律関係でよく使われる読み方である。何故なら、法律用語で「しこう」とよく似た発音の「しっこう(執行)」という言葉があり、「施行」と区別するために「せこう」と読む慣習が定着したからである。仏教用語にも「施行」があるがこの場合の読み方は「せぎょう」である。「施行」の意味解説
「施行」とは仏教の世界においては、僧侶に施しを行うという意味であるが、一般社会において「施行」とは法律・規則・条例の効力を現に発生させることをいう。法律は国会の議決をもって成立するが、成立しただけでは効力は発生しない。法律成立後、官報で「公布」され一定期間の周知期間をおいて「施行」されるのが通常である。従って、「施行」される日と成立日は一致しない。一方規則は公布と同時に施行されることが多い。また「施行」と似た言葉で「施工」があるが、意味は全く異なる言葉である。「施工」は工事を施すという意味で、住宅等の建物を建築する時に使用する言葉である。なぜ「しこう」と読むのか・理由
「施行」は法律等の効力を実際に発生することを意味するが、何故「しこう」と読むか、理由については不明だ。ただし、「施」を「し」と読む場合には、ゆきわたらせるという意味があり、現在の「施行」の意味につうじるものがあるので、「行」を「こう」と読む場合は法律等を表していた可能性はある。「施行」の類語・用例・例文
「施行」の類語としては、「実施」「実行」「適用」等があげられるが、これらの言葉は法律・条例・規則を対象としない点で異なる。「施行」の用例・例文としては「5月3日の憲法記念日は、日本国憲法が施行された日だ。」「近い将来、憲法が施行以来初めて改正されるかもしれない。」「2022年4月1日改正民法が施行され、成人年齢が18歳となるが一部の法律においては成人は20歳としている。」「来年、新しい法律が施行されるので、内容を確認しておく必要がある。」「相続登記の義務化を定めた不動産登記法の規定は、令和6年4月1日から施行される。施行前に開始した相続についても適用されるので注意が必要だ。」「条例が来月施行されるにあたり、管内の商業施設で、周知イベントが催され市長が出席した。」等があげられる。「施行」の英語用例・例文
「施行」に対応する英語としては、enforceという言葉がある。ただし、この言葉には、「施行」の類語である「実施」も含んでいる。用例・例文としては「The government must enforce the law immediately(政府はその法律を速やかに施行しなければならない。)」があげられる。- 《施行》の正しい読み方のページへのリンク