《日向夏》の正しい読み方
「日向夏」の正しい読み方
「ひゅうがなつ」と読む。「日向夏」の意味解説
ミカン科ミカン属の常緑低木。白色の花が咲き、4月から6月にかけて果実が成熟する柑橘類である。一般的な温州みかんに比べてやや大きく、レモンのような薄黄色のなめらかな外果皮には厚みがある。果汁はゆずのような香りがするため、「日向夏」はゆずに由来する品種だと考えられていた。しかし、実際の花粉親はタチバナだったということが判明している。他の柑橘類とは異なり、「日向夏」は白い内果皮(アルベド)をつけたまま食べることが可能だ。「日向夏」の果肉だけを食べると酸味が強いが、白皮をつけたまま食べると独特のさわやかな甘みが感じられる。「日向夏」は文政年間(1818年~1929年)に宮崎県の真方安太郎氏の邸内で、偶然実生として発見された。「日向夏」の学名は「Citrus Tamurana HORT.ex TANAKA(シトラス・タムラナ)」。日向夏を世に広めた功労者、田村(たむら)利親氏が由来である。なぜ「日向夏」と読むのか・理由
かつて日本は47都道府県ではなく、さまざまな名称の国に分かれていた。現在の宮崎県を含む南九州の地域には、684~696年の間に「日向国(ひゅうがのくに)」が成立したとされている。「日向国」の読み方には諸説あり、「ひゅうがのくに」と読むようになった理由は明らかになっていない。「日向夏」が発見された場所は「日向国」である。よって、当初「日向夏」は「日向の夏蜜柑」と呼ばれていた。1887年には、田村利親氏によって「日向夏蜜柑」と命名されている。「日向夏」の類語・用例・例文
「日向夏」は宮崎県だけでなく、高知県や静岡県など全国各地で栽培されている。しかし、他県で栽培されるものの名称は「日向夏」ではないことが多い。「ニューサマーオレンジ」や「土佐小夏」など、それぞれ名称を変えて出荷されている。宮崎県で栽培される「日向夏」とは生産地が異なるため、同じ種類の果物でも全く同じものだというわけではない。よって、「ニューサマーオレンジ」や「土佐小夏」は「日向夏」の類語だと言える。また、高知県と静岡県では「室戸小夏」や「白鳥小夏」といった「日向夏」の変異種も発見された。枝変わりなどによる変異種であり、「日向夏」とは大きさなどが異なるが、広い意味では「日向夏」の類語だと言える。「日向夏」は、「日向夏ドレッシング」や「日向夏のゼリー」のような形で用いられることが多い。具体的には、「サラダに日向夏ドレッシングをかけた。」や「甘酸っぱい日向夏のゼリーを食べた。」、「日向夏の正しい食べ方を教わる。」などが挙げられる。「日向夏」の英語用例・例文
1903年、田村利親氏はアメリカ合衆国のスイングル博士に「日向夏」を「new summer small orange」として送った。よって、「日向夏」は「new summer orange」と呼ばれるようになった。「日向」は「ひなた」とも読めることから、英語で「日向夏」は「hinata summer」と言う。また、「hyuganatsu」や「species citrus」、「日向夏」の学名である「Citrus Tamurana」が用いられることもある。「日向夏」の英語を用いた例文として、「Hinata summers are delicious.(日向夏はおいしい。)」が挙げられる。- 《日向夏》の正しい読み方のページへのリンク