《早い対応》の敬語
「早い対応」の敬語表現
「早い対応」の敬語表現は「迅速なご対応」、もしくは「早速のご対応」です。「迅速」や「早速」自体は敬語に該当しないものの、日本語では難しい表現を使うことで、文章に特別感を持たせる形式があります。その形にあてはめれば、「早い」の難しい表現にあたる、「迅速」や「早速」は、敬意が込められた語句だといえるでしょう。さらに、対応に美化語の「ご」が付け加えられ、より丁寧な表現となっています。「早い対応」の敬語の最上級の表現
「迅速なご対応」や「早速のご対応」には、十分な敬意が込められています。あえてそれ以上の敬語表現に直すなら、「迅速なご対応をしていただき~」といった形で、その後の語句を工夫しましょう。謙譲語や尊敬語と併せて使うことで、文章の敬意は強くなります。さらに、「恐縮ながら迅速なご対応をいただき」「お忙しいところ、早速のご対応をいただき」など、クッション言葉と一緒に使うのもひとつの方法です。「早い対応」の敬語のビジネスメール・手紙での例文
「迅速なご対応」や「早速のご対応」は、ビジネスシーンでも多用されている表現です。主に感謝を示す文脈で使われてきました。以下、例文を挙げていきます。「この度は、御社の迅速なご対応にお礼申し上げます。おかげさまで無事、開店に間に合わせることができました」
「早速のご対応、まことにありがとうございます。これからもよろしくお願い申し上げます」
なお、ビジネスシーンでは相手にお願いをするときにも「迅速なご対応」「早速のご対応」といった表現をします。これらの表現が用いられるのは、時間的余裕があまりない状況です。以下、例文を挙げます。
「すでに納期は来週まで迫っております。ご多忙とは存じますが、迅速なご対応をお願いいたします」
「お客様は、誠意ある態度をお求めになられています。恐縮ながら、早速のご対応をお願いできないでしょうか」
「早い対応」を上司に伝える際の敬語表現
一般的に、目上の人物に「早い対応」を求めるのは失礼にあたります。それでも、ビジネスシーンではしかたなく、上司にお願いをしなければならないこともあります。そのようなときは、上司が不愉快に思わないよう、「迅速なご対応」や「早速のご対応」の前後の文章、文脈に注意しましょう。クッション言葉やほかの敬語をしっかり挟みつつ、早い対応が必要な理由もはっきりさせておきます。以下、例文です。「先方は、あと2日だけ待っていただけるとのことです。まことに申し訳ございませんが、迅速なご対応をしていただけるよう、何卒お願い申し上げます」
「早い対応」の敬語での誤用表現・注意事項
「迅速なご対応」や「早速のご対応」は、目上の人間が主語のときに用いる言葉です。そのため、自分や身内が主語のときには、これらの表現を使いません。「当店ではスタッフが早速のご対応をします」といった文章は間違いです。その際は「早速の対応をします」あるいは「早速の対応をさせていただきます」としましょう。次に、「迅速なご対応」「早速のご対応」を使う状況にも要注意です。これらの言葉には「予定よりも早く対応してもらった」「予想よりも早くお願いを聞き入れてもらえた」といったニュアンスが含まれています。逆をいえば、予定通りに物事が進行したときには、「迅速」や「早速」といった言葉を使いません。物事が遅れてしまったときは、なおさら避けるべき表現です。予定が遅れている状況下で「迅速なご対応」と伝えてしまうと、皮肉めいた意味合いになってしまいます。そのようなケースでは、単に「ご対応」とだけ書くようにしましょう。
なお、ビジネスシーンで注意したいのは「迅速なご対応に感謝いたします」「早速のご対応、ありがとうございます」といった、似た表現ばかり使い続けないことです。これらの文章は決して間違いではありません。しかし、ビジネスシーンでは定型化しており、感謝の気持ちが伝わりにくくなってしまう可能性もあります。ときには「迅速なご対応のおかげで、非常に助かりました」「いつもながら、早速のご対応に支えられています」など、違ったパターンの文言も用意するようにしましょう。
「早い対応」の敬語での言い換え表現
「迅速なご対応」「早速のご対応」ほど浸透はしていないものの、「早急なご対応」という言い回しもあります。この言葉も「早い対応」の敬語表現だといえます。一方で、ほかのフレーズと比べると、相手に早い対応を強制しているようなニュアンスが含まれかねません。状況が切羽詰まっており、どうしても相手に急いでほしいとき以外は使用を避けるのが無難です。ビジネスシーンでは「至急」という言葉も多用されてきました。これは「できる限り素早く」「今すぐにでも」という意味です。「至急、ご対応をお願いします」といった形で、敬語と一緒に使うことも可能です。ただし、「至急」も「早急」と同じく、強制的な意味が含まれてきます。顧客や上司に対して使うのは控えましょう。
そのほか、「速やかなご対応」「いち早くのご対応」といった表現もあります。これらは「迅速なご対応」「早速のご対応」とほとんど同じ意味です。「迅速」や「早速」を使いすぎていると感じたときには、これらの語句に言い換えてみましょう。
《早い対応》の敬語
「早い対応」の敬語表現
「早い対応」の敬語表現は、「早い」「対応」それぞれの語について、丁寧にかつ敬意を込めた表現に言い換えたうえで、二つを組み合わせて表します。この場合「早い」であれば「迅速」「早速」「早々」などに、「対応」は尊敬語の「ご」をつけた「ご対応」に言い換えることができます。これらを組み合わせ「迅速なご対応」「早速のご対応」「早々のご対応」などとするのが、敬語表現としては適当な言い回しとなります。「早速のご対応」「早々のご対応」は主に文頭に使う言葉です。いっぽう「迅速なご対応」は文頭以外にも文中に使ってもなじむ表現です。「迅速なご対応を求めます」とは言えても「早速のご対応を求めます」はこなれた表現とはいえません。その意味では「迅速なご対応」がより使用範囲の広い言い回しだといえます。「早い対応」の敬語での誤用表現・注意事項
「早い対応」の敬語表現としては「早々のご対応」も使えますが、注意すべき点があります。それは「早々」を使う時期です。この言葉はもともと謙譲表現に多く用いられるもので、尊敬の意味は含まれていません。自分や目下の人に使う場合には問題ないのですが、「早々にご対応お願いします」などのように依頼する文脈で目上の人に使うには不適です。「早々のご対応」が使える時期は先方がすでに行動を終えた後で、「早々のご対応ありがとうございました」などと、過去についていう場合に限られることに留意すべきです。このような誤用を避けるためにも目上の人に対して使う場合は、なるべく「迅速」や「早速」「早急」といった言葉を使い、「早々」は控えた方が無難でしょう。また「迅速なご対応」をより丁寧に表現しようとして「ご迅速なご対応」と尊敬語「ご」を重ねてしまうことがありますが、これは敬語表現がくどく、かえって礼を失する言い回しとも捉えられる恐れがあります。この場合、尊敬が向かう相手の行動を直接的に表している「対応」に尊敬語をつけ「迅速なご対応」としなくてはなりません。「早い対応」の敬語での言い換え表現
「早い対応」の敬語表現による言い換えでは「早急なご対処」「迅速なご措置」などを挙げることができます。対処は「状況や事態に即して適切な処置をすること」を意味し、広く事態への対応をはかる際に「早急なご対処をお願いいたします」などと使います。措置は「状況や事態に応じて必要な対処をはかり、始末をつけること」をいいます。「迅速なご措置のおかげで大事に至らなくてすみました」などと、解決が必要な特別な事案に対処する場合などに使われる敬語表現として使用します。- 《早い対応》の敬語のページへのリンク