治外法権とは? わかりやすく解説

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治外法権

読み方:ちがいほうけん

治外法権とは、治外法権の意味

治外法権とは、在留国においても外国人本国法制が及び、逆に在留国の法制及ばない態という意味のこと。簡単にいうと、A国民が国Bに在留していた時、B国法律ではなくA国法律適用されるということである。言葉分け方には諸説あるが、「治外」「法権」と分けとすればそれぞれ統治の外」「法律適用する権限」が語源となり、治外法権の意味にも合致する英語では extraterritorial rights表現する

ちなみに日米修好通商条約不平等な内容として、しばしば関税自主権が無いことと並んで治外法権が挙げられるが、それは正確ではない。当条約において定められたのは領事裁判権外国人本国領事によって裁判を受けることができる権利)である。治外法権の一種ではあるが、治外法権そのもの認められわけではない。ただし、現在混用されがちであることからも分かる通り当時もしばしば混同されて、領事裁判権超えた治外法権状態になることもあった。日本国内法制整え日清戦争・日露戦争勝利したことで、関税自主権が無いことも含めて撤廃された。

治外法権の例文、使い方

治外法権の例文として、「外交官には治外法権が適用される場合がある」という使い方をする。「荒れ果てたこの街は治外法権状態だ」という例文のように、「法律機能していない状態」を比喩的に表す場合もある。治外法権そのものあくまでも本国法律適用されるので、無法状態を指すものではない。

ちがい‐ほうけん〔チグワイハフケン〕【治外法権】

読み方:ちがいほうけん

国際法上特定の外国人外国元首外交官外交使節など)が現に滞在する国の法律、特に裁判権に服さない権利


治外法権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/06 21:43 UTC 版)

治外法権(ちがいほうけん、: extraterritoriality)とは、外交官領事裁判権が認められた国家の国民について、本国の法制が及び、在留国の法制が(立法管轄権を含めて)一切及ばないことをいう。在留国の法制が及ぶことを前提に、一定の免除が与えられることを指していうこともある。


注釈

  1. ^ 外交慣例によるそれは除く。
  2. ^ この性格からしばしば在日米軍の「治外法権立場」などと婉曲表現されることが多い。
  3. ^ 米軍は2014年から、「国際社会における合衆国軍隊に対する脅威」を理由に、2020年時点で日本国に報告を行っていない[11]
  4. ^ 参照:沖縄米兵少女暴行事件
  5. ^ 法令上は速度超過や駐車違反など道路交通法違反、不正改造などの道路運送車両法違反なども本来は日本の法令と司直により裁断されるものであり、これらが在日米軍地位協定により捜査・司法権限の競合をおこしているため、日本が裁判権を放棄した事案についても精査が必要である。もっとも本来日本政府が徴収すべき反則金罰金(及びこれらを滞納した場合の差押えの権利)、発すべき整備命令などが放棄されており、在日米軍の法的ステイタスに問題がないわけではない。
  6. ^ 参照:在日米軍裁判権放棄密約事件
  7. ^ この項目は、三宅孝之 (2019), p. 114から起筆した。
  8. ^ この項目は、岩本誠吾 (2010), p. 122-124から起筆した。
  9. ^ 兵員提供国のこと

出典

  1. ^ 広部和也. "治外法権". 日本大百科全書(ニッポニカ). コトバンクより2024年4月7日閲覧
  2. ^ "治外法権". ブリタニカ国際大百科事典. コトバンクより2024年4月7日閲覧
  3. ^ "治外法権". 旺文社世界史事典 三訂版. コトバンクより2024年4月7日閲覧
  4. ^ "領事裁判". 百科事典マイペディア. コトバンクより2024年4月7日閲覧
  5. ^ 木村時夫 1981.
  6. ^ 木村時夫 1981, p. 2.
  7. ^ a b 第34回参議院日米安全保障条約等特別委員会議事録7号(昭和35年06月12日)政府委員高橋通敏
  8. ^ 松竹伸幸 2021, pp. 153–167.
  9. ^ 松竹伸幸 2021, pp. 49–66.
  10. ^ 梅林宏道 2017, pp. 183–187.
  11. ^ 在日米軍基地における新型コロナウイルス感染拡大に関する質問主意書”. 参議院. 2023年6月20日閲覧。
  12. ^ 外務省:日米地位協定及び関連情報(令和5年5月2日)
  13. ^ 国会図書館の法務省資料 政府圧力で閲覧禁止 米兵犯罪への特権収録しんぶん赤旗
  14. ^ 日米地位協定第17条5(c)及び、刑事裁判手続に係る日米合同委員会合意 外務省
  15. ^ 志葉玲 (2019年3月6日). “日本は、自衛隊が駐留するジブチに「占領軍」のような不平等協定を強いている”. 日刊SPA!. 2022年1月14日閲覧。
  16. ^ 自衛隊派遣支える「地位協定」 ジブチの法令適用されず”. 日本経済新聞 (2020年1月29日). 2022年1月14日閲覧。


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