法 (法学) 法令の優先順位

法 (法学)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/06 06:00 UTC 版)

法令の優先順位

ある現象に対して法令を適用する際に複数の法令がある場合、法令の種類によって優先順位が発生する。優先順位に関するルールを、そのルールの中での優先度の高い順に並べると以下のようになる。

上位法令の優先

法令にはその形式に応じて優先度の順位がある。例えば、日本法においては、日本国憲法のある規定と法律のある規定が矛盾・抵触する場合、憲法の規定が優先され、当該法律の規定は原則として無効となる。詳細は法令#日本の法令の種類を参照。上位法優位の原則。

一般法と特別法

同一の順位の法令であっても、一般法(広い範囲に適用される法令)と特別法(そのうちのある特定の範囲にのみ適用される法令)の関係がしばしば見られる。ある事象に対して特別法が存在する場合には、一般法よりも特別法が優先される。特別法優先の原則。

例えば、訪問販売にかかるトラブルは民法では対処が難しかったので、特定商取引法を特別法として制定し、対処している。

後法の優先

同一の順位で、かつ、一般法と特別法の関係でない形で、前法(従前からある法令)と後法(新しく制定された法令)がある場合は、後法が優先される。したがって、法令の内容を改正する場合には、同一順位の法令を制定することによって行われる。特殊な例としては、条約と法律を同順位とする国においては、条約の国内法的効力が、その後に制定された法律によって覆されることがある。後法上位の原則。

脚注

出典

参考文献

  • 高梨公之『法学』(八千代出版)
  • 尾高朝雄『法学概論』(有斐閣)
  • ラートブルフ『法学入門』(東京大学出版会)
  • 比較法制研究所 『歴史のなかの普遍法』 (未来社)

関連項目


  1. ^ 第2版,世界大百科事典内言及, 精選版 日本国語大辞典,デジタル大辞t泉,ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典,とっさの日本語便利帳,旺文社世界史事典 三訂版,世界大百科事典. “法とは”. コトバンク. 2022年3月29日閲覧。
  2. ^ 知らない間に罪を犯してしまった…法律を知らなかったと言い訳することは可能か”. ダーウィン法律事務所 刑事事件専門サイト (2020年6月25日). 2023年1月21日閲覧。
  3. ^ 小川環樹他編『角川新字源 改訂版』(角川書店、1994年)568頁
  4. ^ 裘錫圭 「談談古文字資料対古漢語研究的重要性」 『中国語文』1979年第6期 437-442頁。
    William H. Baxter and Laurent Sagart, Old Chinese - A New Reconstruction, Oxford University Press, 2014, p. 152-153.
  5. ^ 鄧佩玲 「古文字“廌”及其相関諸字――従金文“用作”文例中的“薦”字談起」 『青銅器与金文』第1輯 北京大学出土文献研究所編、上海古籍出版社、2017年、204-221頁。





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