能装束とは? わかりやすく解説

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のう‐しょうぞく〔‐シヤウゾク〕【能装束】

読み方:のうしょうぞく

能を演じるときに演者身につける装束能面除いたすべてのもので、かぶり物・鬘(かずら)から足袋まで含まれる。特に、唐織(からおり)・厚板(あついた)・摺箔(すりはく)・縫箔(ぬいはく)など染織技法の粋を尽くした豪華気品の高いものが多い。能衣装


能装束

主名称: 能装束
指定番号 2629
枝番 00
指定年月日 2005.06.09(平成17.06.09)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 4領
時代区分 桃山
年代 慶長15年(1610)
検索年代
解説文: 和歌山県伊都郡九度山町古沢【こさわ】荘四か笠木上古沢中古沢下古沢)の惣氏神である古沢厳島神社に伝わる慶長十五年(一六一〇)の「古佐布色衆【こさわしきしゅう】之道具日記」に記載されている装束である。九度山町地域文化の面では高野山影響強く受けており、高野山はこの地域法会祭礼必要な舞楽大坂四天王寺楽所能楽吉野衆を呼び寄せていたことが知られている。
 萌葱唐花尾長鳥文様狩衣紺地唐花尾長鳥文様狩衣用いられた、裂の裏に糸をまわさずに表を一方向に針足長く、柔らかく繍った渡し繍の技法や、大らかな文様表現尾長鳥唐花見られるような写実にこだわることなく二~三段大胆な色変わりに繍い分け表現方法桃山時代通例のものである
 本品のような狩衣遺例きわめて少なく重文・能装束紺地白鷺文繍狩衣一領岐阜県春日神社桃山時代)と重文黄地蝶梅文様繍狩衣及び黄地牡丹文様繍狩衣二領(岐阜県白山神社元和六年<一六二〇>)が知られるのみである。表裂や裏地傷み多く見られるものの、刺繍きわめてよく残されており、貴重な作品である。日記記されたうち「カリキヌ」「シテカリキヌ」がこれらに該当する考えられる

能装束〈色紙葡萄文摺箔/〉

主名称: 能装束〈色紙葡萄摺箔/〉
指定番号 2331
枝番 00
指定年月日 1972.05.30(昭和47.05.30)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文: 身幅広く袖幅が狭い小袖で、蘇枋地【すおうじ】全面に金摺箔すりはく】で葡萄描き色紙紋を散らしている。裾廻りに仕立直しの痕があるが、この種遺品甚だ少ない中で稀覯なものである技法意匠とも優れ時代特色が強い初期小袖である。もと奈良金春流保存会楽舎伝来したのである

能装束〈草花文繍箔肩裾/〉

主名称: 能装束〈草花文繍肩裾/〉
指定番号 2332
枝番 00
指定年月日 1972.05.30(昭和47.05.30)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文: 表は白平絹地で肩と裾を雲形区切り八重桜などの草花文【そうかもん】を紅、萠黄などの色糸刺繍しその間金銀箔をおしている。身幅広く袖幅狭い小袖で、能の小方装束として伝えられたものである初期小袖形態示した生ぶなもので、華麗な意匠保存の完好した甚だ珍しい遺品である。もと奈良金春流保存会楽舎伝来したのである

能装束〈雪持柳地紙散繍箔肩裾/〉


能装束〈紅白段菊芦水鳥文繍箔/〉

主名称: 能装束〈紅白段菊水鳥文繍箔/〉
指定番号 2345
枝番 00
指定年月日 1973.06.06(昭和48.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文: 紅白段に締切染めして織った地に、菊枝と土坡、雪持または鴛鴦えんおう】を刺繍し、地には金銀摺箔を施す。総繍の意匠金銀摺箔効果的に施した高雅な小袖で、初期小袖特徴強く桃山時代の優品である。奈良金春流保存会諦楽会に伝来したのである

能装束〈紅白段草花短冊八橋文繍箔/〉

主名称: 能装束〈紅白草花短冊八橋文繍箔/〉
指定番号 2346
枝番 00
指定年月日 1973.06.06(昭和48.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文: 表は紅白替り練緯地、裏は紅練緯地の袷仕立て文様は、松・枝垂桜菖蒲菊枝雪持芦・雪などの植物と、波濤貝類立涌八橋短冊などを刺繍表し白地には文様間隙に金の摺箔を施す。意匠・繍技・形態とも桃山時代特色良く示す。毛利家伝来

能装束〈緑地桐鳳凰文唐織/〉

主名称: 能装束〈緑地鳳凰文唐織/〉
指定番号 2369
枝番 00
指定年月日 1974.06.08(昭和49.06.08)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文: 緑地三枚綾に鳳凰文を紅・黄・紺などの絵緯で織出した唐織である。文様は四二羽鳳凰一区画図柄として、これを表裏反転連続して文様構成しており、文様技法共に桃山時代唐織特色みられる江戸時代盛行する能装束の先駆を示すものとして注目に価いする。

能装束〈紅地山桜円文蔓草模様縫箔/〉

主名称: 能装束〈紅地山円文蔓草模様縫箔/〉
指定番号 2417
枝番 00
指定年月日 1977.06.11(昭和52.06.11)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文:  紅の紗綾地に黒で抽象的な形象染め上げ、それに細かい草花の文様の繍と摺箔加えた小袖である。狭い袖幅桃山様式であるが、意匠いわゆる慶長文様であり、桃山江戸時代との過渡期位する考えられる甚だ貴重な資料である。また両袖と背に伊達紋付けられている点も珍しい。

能装束〈摺箔紅白段桜花文/〉

主名称: 能装束〈摺箔紅白桜花文/〉
指定番号 2478
枝番 00
指定年月日 1981.06.09(昭和56.06.09)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文:  平絹綿入仕立小袖で、袖は丈やや高く袂が丸くわずかに振り作るまた上半を紅白染の片身替【かたみがわ】りとし、胴以下を五段の紅白段々に縫合わせているが、当初全体片身替りであったものを江戸初期改装したのである全面摺箔技法描かれ桜花文は繊細華麗であり、しかも大らかな模様配置など桃山時代特色強くあらわれている。

能装束〈紅地花唐草入菱繋文唐織/〉

主名称: 能装束〈紅地花唐草繋文唐織/〉
指定番号 2497
枝番 00
指定年月日 1984.06.06(昭和59.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文:  滋賀県湖東永源寺よりさらに愛知川さかのぼった鈴鹿山系谷間にある、政所八幡神社伝来した能装束である。唐織一般に綾地に何色もの色糸用いて文様織り出しあたかも刺繍のように見え織物で、桃山時代には貴重な高級品として扱われた。この八幡神社に伝わる唐織は、紅色基調多彩な色糸で花唐草入り文様表したもので、多彩な色糸で画一的文様変化与えつつ破綻なく織り上げている。保存状態もよく、形態的にも桃山時代特徴示している。
 またこれと同時に伝わった繍箔の肩裾小袖同じく能装束として用いられたもので、形態意匠技法など、同時代特色をよく示している。
 唐織・繍箔肩裾とも技術意匠優れ桃山時代の能装束の様相を示す貴重な遺例である。

能装束〈紅地蜀江文黄緞狩衣/〉

主名称: 能装束〈紅地蜀江文黄緞狩衣/〉
指定番号 2498
枝番 01
指定年月日 1985.06.06(昭和60.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 室町
年代
検索年代
解説文: 黒川能重要無形民俗文化財の上大夫家に伝来した装束で、大夫世襲披露の際に舞われる翁舞いに着用され狩衣である。表には黄緞【おうどん】を用い、裏には白練緯【ねりぬき】地辻が花染小袖を引き解き裏返しに付けて仕立てにしている。黄緞は経に絹糸、緯に木綿糸用いた繻子組織織物で、中国・明時代にはかなり製織され、わが国にも舶載された。室町から桃山時代の能装束のうちには黄緞を用いた狩衣法被などが散見されるが、なかでもこの黄緞は堂々たる蜀江文様が織り出され、明時代盛期のものと考えられる。また裏地小袖裂はほぼ一領分が用いられ当初は肩と裾を紅の洲浜形染分け描きと金摺箔すりはく】で草花文様片身替に表した辻が花染肩裾小袖であったことがわかる。狩衣形状小振り仕立てで、総体に古様を伝えている。現存する能装束の中でも室町時代にまで遡る古例であり、同時に裏地辻が花染小袖裂も類例少な室町時代小袖資料として貴重である。

能装束〈摺箔扇面散文/〉

主名称: 能装束〈摺箔扇面散文/〉
指定番号 2135
枝番 00
指定年月日 1963.07.01(昭和38.07.01)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文: 桃山時代作品

能装束〈藍紅紋紗地太極図印金狩衣/〉

主名称: 能装束〈紋紗地太印金狩衣/〉
指定番号 2499
枝番 00
指定年月日 1985.06.06(昭和60.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 室町
年代
検索年代
解説文: 黒川能下座大夫家に伝来した装束で、下座大夫世襲披露翁舞いに着用され狩衣である。表は印金文様表したおよび紅染紋紗をはぎ合わせ裏地に節絹【ふしぎぬ】を用いて仕立てにしている。当地で「光狩衣」と呼ばれているこの狩衣文様厚く盛り上がった漆の下付け金箔置いた印金技法によって表されている。雲上天宮中心に日月星辰、瑞雲、飛などを配す文様中国独自の世界創成観を図様化したものと考えられる前身表された龍やなどの表現からは明時代中頃下らぬ時期特色うかがえる。明よりの舶載裂をわが国狩衣仕立てたもので、狩衣形状は丈や裄が短く、襟が詰まっているなど全体小振りで、古様を伝えている。黒川能上座蜀江文黄緞狩衣とともに室町時代数少ない能装束の遺例である。

能装束

主名称: 能装束
指定番号 2506
枝番 00
指定年月日 1986.06.06(昭和61.06.06)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文: 岐阜県根尾春日神社伝来する能装束は、いずれも古式伝え生地地質刺繍描絵などの染織技法模様表現など桃山時代特色示し近世初期の能装束の様相を知る上で貴重な遺例である。
 紺地白鷺文繍狩衣は、表に紺地繻子【しゆす】、裏に白地節絹【ふしぎぬ】を用いた仕立で、上前一部背面芦原で遊ぶ白鷺群れ刺繍で表わしている。模様に見る体部の針足長く、柔らかに繍った渡【わた】し繍【ぬい】の技法写実にこだわることなく二・三色の段に繍い分け表現法桃山時代刺繍通例のものである模様芦原で遊ぶ白鷺様々な姿態をよく捉え全体躍動感溢れ意匠である。刺繍模様を表わした桃山時代遺例稀少であり、当代特色をよく示した優れた意匠狩衣である。
 紅地牡丹唐草文黄緞狩衣は、表に紅地黄緞、裏に紺地節絹を用いた仕立で、全体小振り形状示している。表地の黄緞は経に極細紅絹糸、緯に紅木綿糸用いた経五繻子組織で、平銀糸を半越【はんこし】、地絡【じがら】みに入れて牡丹唐草文を織り表わしているが、銀糸剥落激しく模様不鮮明である。黄緞という生地経糸に絹、緯糸木綿用い色糸模様織り出した繻子組織交織織物【こうしよくおりもの】で、中世から近世初頭にかけて中国より輸入された。わが国では近世初頭の能装束のうち狩衣法被側次そばつぎ】などに黄緞の用例散見される本品もその一つで、模様わかりにくくなっているが、大らかな牡丹唐草文の黄緞や小振り仕立に古様を示す狩衣である。
 茶海狩衣は表に経萌葱緯紅【たてもえぎぬきべに】の無地海気、裏に白地節絹を用いた仕立で、子供用仕立てられ狩衣である。海気近世初期頃より舶来された光沢の強い玉虫色呈する絹織物である。海気仕立てられ狩衣遺例珍しく、かつ桃山時代の子供用狩衣遺例としても貴重である。
 白地草花描絵角帽子二頭とも同形、白平絹の単仕立で、額部に紅と杜若文を、垂れには紅と萌葱で笹状の杜若似た花をつけた植物描いている。角帽子僧侶などの役が用いる冠物【かぶりもの】であり、桃山時代遺例としては刺繍模様を表わしたものが数頭遺っているが、当社角帽子のように描絵で表わした例は珍しい。額部杜若文にみる描き技法当時辻が花染描絵技法にも見られ当代の一技法を示すものである

能装束〈白地桐竹鳳凰桜芦文繍箔肩裾/〉

主名称: 能装束〈白地鳳凰文繍肩裾/〉
指定番号 2547
枝番 00
指定年月日 1993.06.10(平成5.06.10)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文: 表地は白の練貫地【ねりぬきじ】で、前・後とも肩および裾部分洲浜形画したいわゆる「肩裾形式とし、そこに・竹・鳳凰文を多彩な繍糸で刺繍して間地には金・銀摺箔すりはく】を施した「繍箔」の小袖である。
 その形状は、身幅【みはば】が広いわりには袖幅狭く、立褸【たてづま】も短い。また袂の丸み付けるのに裂の角を畳んで摘み、糸で括っている。
 さらにその刺繍技法を見ると、渡繍【わたしぬい】(裏抜き)による柔らかおおらかな手法を示す。かつ胴部白地とし肩と裾に文様配したり、前後とも一方・竹・鳳凰を、他方文を表す片身替り構図示し、あるいは練貫白地や、文様間地に摺られた金・銀箔の平滑感と、ふんわりとした立体豊かな繍との対照性の強い表現手法となっている。
 加えて紅がちな明る配色など、形態意匠技法すべてにわたって桃山時代小袖類に見られる特徴顕著に認められる
 初期小袖類に共通する特色が豊かであり、数少ない桃山時代繍箔肩裾の優品の一つとして貴重である。
 なお本件能楽四座一流【よざいちりゆう】の内の今春座に伝来した能装束の一領である。

能装束〈茶地百合御所車文縫箔/〉

主名称: 能装束〈百合御所車縫箔/〉
指定番号 2560
枝番 00
指定年月日 1995.06.15(平成7.06.15)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文: 練貫地【ねりぬきじ】の表には、前後とも、地文として摺箔すりはく】により立涌文たてわくもん】を表し、さらに向かって右片寄せ大きく百合を、左には御所車各種各様色糸・繍技によって表している。
 身幅が広いわりに袖幅が狭いなどは桃山時代小袖類に共通するところであるが、地という地文暗さや、立涌小文摺箔文様御所車細かな繍技、主文様である百合大きく一方片寄せる意匠構成などは、江戸時代前期小袖類に近い。
 いわばその過渡的な複合性を示す数少ない遺例あり、か巧み意匠構成配色、繍技を見せる能装束の優品である。
 奈良金春【こんばる】家に伝来した

能装束〈繍箔紫陽花小花文/〉

主名称: 能装束〈繍箔紫陽花小花文/〉
指定番号 2137
枝番 00
指定年月日 1963.07.01(昭和38.07.01)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文: 桃山時代作品

能装束〈繍箔葭水禽文/〉

主名称: 能装束〈繍箔葭水禽文/〉
指定番号 2151
枝番 00
指定年月日 1963.07.01(昭和38.07.01)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文: 桃山時代作品

能装束〈繍箔菊橘文/〉

主名称: 能装束〈繍箔文/〉
指定番号 2152
枝番 00
指定年月日 1963.07.01(昭和38.07.01)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文: 桃山時代作品

能装束〈白地草花文肩裾縫箔/〉

主名称: 能装束〈白地草花肩裾縫箔/〉
指定番号 2313
枝番 00
指定年月日 1970.05.25(昭和45.05.25)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文: 室町時代から桃山時代にかけては、日本服史上最も華麗に発達した時代であり、その特色一つである肩裾を能装束として用いたのである。白平絹地の肩と裾に種々さまざまな草花・貝などを各種色彩豊かな平糸刺繍し金箔押した桃山時代典型的な肩裾である。

能装束〈紅白締切菊桐文段替唐織/〉

主名称: 能装束〈紅白締切菊桐文段唐織/〉
指定番号 2314
枝番 00
指定年月日 1970.05.25(昭和45.05.25)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文:  唐織は能装束の中で、女役着用し最も華麗な織物一つである。これは紅白の段に織り分け、さらに縞模様文を色糸織り出した唐織で、古様な織技を示す桃山時代盛期の優品である。備州池田家伝来した能装束の一つである。

能装束〈紅地鳳凰桜雪持笹文唐織/〉

主名称: 能装束〈紅地鳳凰桜雪持笹文唐織/〉
指定番号 2316
枝番 00
指定年月日 1970.05.25(昭和45.05.25)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文:  紅綾地鳳凰桜・雪持笹文を色々な絵緯織り出した豪華な唐織である。袖先の増幅および重厚な文様などは江戸時代盛行する能装束の先駆を示すとみられる厳島神社伝えられた能装束で、桃山時代唐織として特色が強い。

能装束〈紅萌葱地山道菊桐文片身替唐織/〉

主名称: 能装束〈紅萌葱地山菊桐片身唐織/〉
指定番号 2317
枝番 00
指定年月日 1970.05.25(昭和45.05.25)
国宝重文区分 重要文化財
部門種別 工芸品
ト書
員数 1領
時代区分 桃山
年代
検索年代
解説文:  全体渡り長い絵緯用いて山道文を織り、さらに上文として菊桐文を散らした意匠で、桃山時代盛行した絢爛たる文様である。この唐織毛利輝元豊臣秀吉から賜わったもので、当代特色が強い名品である。
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能装束

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/01 21:03 UTC 版)

日本の染織工芸」の記事における「能装束」の解説

能は、民間芸能である猿楽田楽起源をもつ舞台芸能である。当該芸能は、近世までは「猿楽」あるいは「猿楽の能」と称されたが、本項では染織用語として一般的な「能装束」を用いる。 足利義満大和猿楽観阿弥世阿弥父子取り立て、この父子、特に子の世阿弥によって舞台芸術としての能が大成した。能は将軍大名によって保護され江戸時代には武家式楽としての地位確立した室町時代の能装束の実態はよくわかっていないが、舞台衣装として分化した存在はなっておらず、通常の衣服大差ないものであったとみられる当時は「小袖脱ぎといって武将等の後援者祝儀として、能役者に自らの着ている小袖脱ぎ与え習慣があった。寛正5年1464年)に行われた河原勧進猿楽では、多くの「小袖脱ぎが行われたことが記録されている。永正10年1513年)頃の成立とみられる禅鳳雑談』には「舞衣」(まいぎぬ)、「長絹」(ちょうけん)、「唐織物」などの装束種別を示す語がみえる。唐織呼ばれる小袖形の能装束の中には袖幅の狭い、桃山時代さかのぼると思われる作品若干残っているが、現存する能装束の多く江戸時代以降のものであり、舞台衣装としての能装束の形式完成するのも江戸時代のことである。 能装束には、用いられる役柄に応じて多く種類があり、加飾方法文様もさまざまである上半身に着る衣服には表着(うわぎ)と着付がある。着付とは表着肌着の間に着るものである表着には女役用い唐織からおり)、男役狩衣かりぎぬ)など、着付には女役摺箔すりはく)、男役厚板あついた)、男女役ともに用い縫箔ぬいはく)などがある。直垂ひたたれ)、狩衣直衣などは能装束と現実衣装とで同じ名称が使われているが、長絹ちょうけん)、水衣みずごろも)のように、能装束特有の名称もある。唐織摺箔縫箔などは、染織技法の名称がそのまま装束になっている形態的には、唐織摺箔厚板縫箔などは小袖形であるが、長絹水衣狩衣などは広袖形である。 唐織 女役表着用いられる小袖形の装束各種色糸金銀糸用い緯糸縫取織風に浮かせたもので、能装束の中でもっとも華やかなのである文様はさまざまだが、紅葉松竹梅などの草花樹木を表すものが多い。紅入(いろいり)と紅無(いろなし)の別があり、前者若い女性の役、後者赤色用いないもので、年配の女性の役に用いられる縫箔 刺繡金銀箔を加えた技法名がそのまま装束の名称になっている着付用いられる小袖形の衣装で、腰巻着て(「腰巻に着る」とは、袖を通さず、腰に巻きつけるように着用する意。)その上に水衣長絹などを着る。女役男役子役のいずれにも用いられるが、男役場合平家公達などの高貴な役に限る。「道成寺」の後シテ鬼女役には表着なしで用いられる唐織同様に紅入と紅無の区別がある。文様などの植物文が多い。 摺箔 これも技法名が装束の名称になったもので、模様の形に糊置きし、その上に金銀箔を摺り付けて文様したものである。女役着付用いられる。中で、鱗文摺箔は女の情念を表すものとされ、「道成寺」「葵の上」「安達原」などの演目怨霊鬼女の役に用いられる厚板 男役着付用い小袖形の衣装で、老若貴賤鬼神などさまざまな役柄用いられる染織用語としての「厚板」とは、平織の地に各種色糸金銀糸緯糸として用い緯糸唐織のように浮かせずに経糸固く押さえたものを指し、厚い板に巻いたことがその語源とされている。ただし、能衣装としての厚板は、上述のような技法よるものはむしろ少なく唐織同様の組織よるもの綾織のものもみられる文様幾何学文、縞、格子などの固い感じのものが多い。「厚板唐織」という装束名が使われることもあるが、これは男役着付用い衣装で、唐織同様の組織により、華やかな文様表したものを指す。 直衣 男役表着で、天皇最高位貴族の役に用いられる狩衣 男役表着で、翁や貴人などの特定の役に用いられ、袷(あわせ)と単がある。袷の狩衣金襴、錦などで作られ、「高砂」の後シテ住吉明神など、威厳ある役に用いられる。単の狩衣は紗、絽など薄手生地作られ、「住吉詣」のツレ光源氏などに用いる。中で、蜀江文様の狩衣は、「翁」専用衣装である。 法被(はっぴ) 男役表着で、武人鬼畜などの役に用いる。袷と単があり、単は甲冑姿を象徴的に表すもので、「屋島」の後シテ義経などに用いられるまた、紅葉狩」の後シテ鬼神のように、鬼神本性表した場面にも用いられる甲冑姿を表す場合は、右肩肌脱ぎにし、腋に挟んで着用する側次そばつぎ男役表着で、法被から袖を取り去ったもの。武人甲冑姿などを表す。 水衣 男女役ともに用い表着で、僧、老人庶民労働者漁師、潮汲、樵夫など)の役に用いる。無地多く、縞文様もある。着流し腰帯締め、または袖をつまんで襟までたくし上げ、糸留めとして着用する長絹 主に女役使用する舞用の表着で、平家公達などの男役用いることもある。広袖で腋から下は縫い合わせず、紗、絽などの薄物金糸色糸縫取織とする。文様は総文様にはせず、枝垂れ文様とするものが多い。 舞衣 舞用の表着女役にのみ用いる。長絹違い、丈が長く、腋は縫い塞ぎ胸紐はない。文様長絹異なり文様とする。 直垂 武家直垂同形で、袴と対になる素襖 武家素襖同形で、直垂よりは格が下がり、武士の日常着を表す。 大口 後半部を板のように固くした袴で、前を精好地、後ろ畝織とする。 半切 大口同形だが、前後を同裂で作る指貫 裾を括った袴で、高位の僧の役のみに着用する

※この「能装束」の解説は、「日本の染織工芸」の解説の一部です。
「能装束」を含む「日本の染織工芸」の記事については、「日本の染織工芸」の概要を参照ください。

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