保存蒸機
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/18 06:24 UTC 版)
「動態保存中の蒸気機関車」の記事における「保存蒸機」の解説
かつて、SLとして営業用鉄道路線、または専用線、工場内などで実用として使用されていたもの。正真正銘の動態保存蒸機。 丸瀬布森林公園いこいの森(北海道紋別郡遠軽町) - 一部に旧武利意森林鉄道武利意幹線跡を転用した延長2 kmの園内軌道(軌間762 mm)があり、同森林鉄道で使用されていたSL「雨宮21号」(1928年〈昭和3年〉雨宮製作所製)が運行。 三笠鉄道村幌内ゾーン(北海道三笠市) - 新日本製鐵室蘭工場や鐵原コークス室蘭工場で使用されていた1934年(昭和9年)製のC形産業用蒸機S-304が、園内の延長約400 mの線路を走行する。 小樽市総合博物館(北海道小樽市) - 1909年(明治42年)にアメリカのポーター社で製造され、グアテマラで使用されていたSLが「アイアンホース号」として動態保存されている。軌間は914 mmで、アメリカのテーマパークで使用されていた客車を牽引して体験乗車できる。 河北中央公園「いもこ列車」(山形県西村山郡河北町) - 公園内に敷設された130 mの軌間762 mmの軌道を往復走行する。機関車は1948年(昭和23年)ベルギーのアングロフランコベルジ社製造の347号。台湾糖業公司渓湖糖廠で使われていたものを購入して、1988年(昭和63年)から公開運転を開始した。近年、車両の不具合とアスベスト使用により運転を中止していたが、補修が完了し2007年(平成19年)に公開運転を再開している。補修時に添乗用のデッキが取り付けられて外観が変化した。 成田ゆめ牧場(千葉県成田市) - 羅須地人鉄道協会の運営。0.42 kmの周回線上を走る。現在稼動可能な蒸機は3両で不定期運転。 日本工業大学工業技術博物館(埼玉県南埼玉郡宮代町) - キャンパス内の120 mの軌道を走行。機関車は1892年(明治25年)製の2109で、かつて大井川鉄道で運転されていた日本の動態保存蒸機の草分け。 修善寺虹の郷「ロムニー鉄道」(静岡県伊豆市修善寺) - 381 mm軌間の「超」狭軌鉄道。一周2.4 kmの周回線だが、ロムニー→ネルソン・ネルソン→ロムニーと系統が分かれる。ほとんどがイギリス製の機関車(ノーザン・ロックII号、カンブリア号)だが、金沢工業大学製(村田外喜男教授指導による)C11形のスケールモデルもある。かつては、アーネスト・W・トワイニング号も使用されていた。 野辺山SLランド(長野県南佐久郡南牧村) - 軌間762 mmの一周0.35 kmの周回線上を走行する。機関車の362号は1948年(昭和23年)ベルギーのアングロフランコベルジ社製造。台湾のサトウキビ畑で使われていた車をこのランドのオーナーが購入し、既存のボイラーが使用不可であったため1986年(昭和61年)に機関車後方に別の蒸気ボイラーを新設して走行をはじめた。C形タンク機関車。弁装置はステファンソン式。2018年(平成30年)8月31日、閉園するのに伴い同園での保存運転を終了した。2024年(令和5年)に、埼玉県鶴ヶ島市に新しくオープンする関水金属の新工場の一帯を隣接する鶴ヶ丘児童公園と一体化させた地域の新たな拠点として「Nゲージとガーデンパーク(仮称)」が2024年(令和6年)5月にオープンし、この地での同機の保存運転が予定されている。 博物館明治村(愛知県犬山市) - 『明治村とうきょう』 - 『明治村なごや』間0.743 kmを往復する。機関車は1912年(明治45年)製の9号と1874年(明治7年)製の12号。 京都鉄道博物館(京都府京都市) - 国鉄が鉄道開業100周年を記念して開設した、日本におけるSLの本格的動態保存施設である梅小路蒸気機関車館を拡張し、2016年(平成28年)4月29日に開館した。館内の線路で「スチーム号」を運転。一部は車籍を有する。C56 160 - 展示運転のみ(有車籍)国鉄時代より各地に出張し、その後JR西日本の所有車となってからも「SL北びわこ号」や「SLやまぐち号」などで運用されていたが、JR西日本の恒久的なSL運転継続の実現のため、D51 200の本線運転復活に伴う入れ替わりで、2018年(平成30年)5月27日の「SL北びわこ号」をもって本線運転を終了。その後同年8月に整備が完了し、「SLスチーム号」の牽引機の一つとなった。 C62 2 - 同上(有車籍) C61 2 - 同上(有車籍) 8630 - 同上(無車籍) B20 10 - 構内入換など(無車籍) 7105(鉄道記念物) - 2014年(平成26年)、交通科学博物館から移設後、動態整備。
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