保存車と塗装復元車
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/12/19 16:03 UTC 版)
「パシフィック電鉄」の記事における「保存車と塗装復元車」の解説
サン・ペドロの海岸沿いには500クラス及び1001クラスが観光用に定期運行される "Waterfront Red Car Line" が存在する。500クラスは古い図面や後述の "Orange Empire Railway Museum" に保存されている(荒廃が著しい)車体を元に、船舶工場で木造車体を完全新造したレプリカであり、500・501の2両が在籍している。また、1001クラスは個人篤志家が950クラスの車体を購入し、1001クラスと同一スタイルに改造のうえ、1001クラス末尾1057の次番“1058”を名乗らせたものがその出自で、やはり完全なオリジナルではない。1001クラスは以前、特殊なゴムタイヤ台車とガソリンエンジンを装備してイベント時に道路上を走行する、いわば“バス”となっていたもので、Waterfront Red Car Line の開業に向けて線路を走る本来の電車に復元したものである。なお、復元前には映画『ロジャー・ラビット』に一瞬のみではあるが出演したこともある。 台車はいずれもオリジナルとは異なり、500クラスはACFテーラー、1001クラスは山陽電鉄より寄贈された日本製ボールドウィン系台車を使用しているほか、いずれの車輌ともトロリーバス用ポール、LAMTAレッドライン車両と共通品のコンプレッサー、本来鉱山機関車用の汎用モジュールスイッチを使用した主制御器を搭載するなど、単なる保存鉄道とは異なる、現代において安定して通常運行させるための工夫が随所に見られる。 この他、"Orange Empire Railway Museum" には、動態の300・400クラスをはじめ、1960年代以降も各地に残存したパシフィック電鉄の保存車が多数収容されている。その状態は車内外、足回りとも完全な状態のものから、もはや崩壊寸前の木造車体まで様々である。 旧PEロングビーチ線を事実上復活させたロサンゼルス・メトロブルーラインのLRV、及びサンフランシスコ市営鉄道のFラインを走るPCCカーには、パシフィック電鉄の塗装を模した車輌が存在する。ブルーラインのそれは、前面中央部に丸い前照灯を増設しているほか、車内も往年のPEの色にあわせた仕様となっている。サンフランシスコのそれは、フィラデルフィアSEPTAの中古車をかつての米国各都市の塗装としたうちのひとつで、厳密には実際の色調と若干異なるといわれる。
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