西洋剣術 剣の種類と構造

西洋剣術

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/09 14:14 UTC 版)

剣の種類と構造

剣は刀と異なり両刃である。相手に向けた側の刃を表刃(longedge)、反対側(親指と人差し指の間側)の方を裏刃(shortedge)と呼ぶ。裏刃は剣の主なテクニックであり、角度をつけて相手の裏側を切り込む。攻撃ラインが一つ増えることでもある。

種類

ブロードソード
片手剣、だんびらと呼ばれる。これは後世の細いレイピアに対して幅の広い片手剣をこのように呼んだ。代表的なものはスキアヴォーナやスコティッシュ・ブロードソードである。重さは1,2kgほど。刃幅3~5cm,刃渡り60cmほどである。
大きな籠型の護拳が特徴。通常は左手に盾をもつ。
ロングソード
騎士の使う剣であり、長さ90cm~ 重さ1,5~1,8kg。十字型の鍔が特徴である。これはキリスト教の十字が概念としてあるらしい。ヴァイキング、ノルマン人、十字軍の騎士から100年戦争まで使用された。もともとは馬上でも使用されたものを歩兵用の短い剣と区別してこうよばれた。それまでは剣はすべて(sword)とよばれた。ロングソードは剣身も長いながら、グリップが両手で持てるよう長くなっている。
西洋の大形剣はともすれば力任せに振り回す感じをもつがこれは現代の創作物の影響であり、実際には動きは小さい。
ハンド・アンド・ア・ハーフ
片手半剣或はバスタードソードとも(バスタード――混血)。両手でも片手でも使え、ブロードソードよりも長い。
あるいはグリップを長くしたブロードソードをこう呼ぶ場合がある。刃渡り70cm~、重さは1,3kg~。
ツーハンデッドソード
ツーハンドソードとも。両手剣。巨大な剣で、これを使うには技術よりも体力が必要である。ドイツのツヴァイヘンダーも同種の武器である。リカッソ(剣身の鍔に近い、刃をつけていない部分)が長く、ここを持つために革などを巻きつけた。リカッソと刃の境界には小さな鍔がある。これらは剣と言うよりもポールアームとみなしたほうが理解しやすい。2kg~ 160cm
エストック、タック
両手持ちの突剣。刃が無く、細長い角錐や円錐のような形状をしている。
チェーンメールを着た相手を刺しぬくためのもの。
レイピア(レピアー)
片手細身剣。三銃士などでおなじみの剣。見た目よりも重く1,2~1,5kg 刃渡り90cm程もある。ルネッサンスの中期に現れた。通常はダガーを左手に持つ二刀流である。無い場合はバックラー(小盾)や鞘、マント等で防御をする。
フェンシングの剣のようには撓らない。
スモールソード
レイピアだが、さらに細く軽くなった。片手だけを使う。
サーベル
片刃の騎馬用刀剣。アジアの影響がありハンガリー人が騎兵隊に持ち込んだ。
フェンシングのサーベルと比較すると非常に重く、刀身が厚いため、一撃で首を断ち切る威力がある。

構造

ポイント point
切っ先。
ブレードblade
剣身。
エッジ cutting edge
刃。
キヨン quillon
十字鍔。シンプルな棒鍔から指環のついたもの、華麗な曲線のレイピア、フックのあるもの、護拳のあるサーベルの剣など多彩であるが、それぞれのデザインは装飾もさることながら実用性があってのこと。キヨンは拳をまもるのはもちろん、接近して殴る際にも使う。
キヨンをどのように扱うかは西洋剣術の大きな要素といってよい。
ヒルト hilt
柄。
ポンメル pommel
柄頭。金属の塊で、ブレードをねじ止めするナットであり、またバランスを調節する大切な部分である。また、接近戦ではここで殴ることもある。彫刻や宝石で飾っている場合も多い。
リカッソ ricasso
剣身の根元、鍔から十数センチ~数十センチのところでここはわざと刃をつけていない。手入れのとき、不用意に怪我をしないため、また、鍔近くで切ることはないので刃が不要であること、ハーフグリップ、ハーフソードというリカッソを持って使う棒術的な扱いがあることが理由。とくにロングソードにおいてイタリア剣術では「リカッソを長く取るように」とある。実際刃の付いた部分は切っ先から1/3ほどであった。

切れ味

西洋剣は切れないといわれる。確かにロングソード等甲冑用の剣は切れない。甲冑相手では刃が有ってもあまり意味が無いからで、槍など貫通力のある武器の方が有用視され、剣の用途は殴打などになる。従って、「切れなかった」というよりも「切れる必要が無かった」と見るべきである。そのほかの剣は実は非常に切れ味が良い。

  • 実験映像ではスコティッシュ・ブロードソードやナポレオン時代の騎兵サーベルは片手で直径40cmほどのつるされた肉塊を両断できる。
  • 水を入れたペットボトルを下半分を残したまま、切とばす。サーベルは手首の返しだけで肉に裏刃を10cmほど切り込ませる。
  • レイピアは片手の突きだけで肉の裏から切っ先が30cmほど突き出る。
  • 両手剣(ツーハンドソード)の突きは自動車のドアを貫通させる。
  • ロングソードは一撃で平らに置いた電話帳を両断し、吊るした牛の大腿部(大腿骨)を切断する






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