叡王戦 叡王戦の概要

叡王戦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/09 10:17 UTC 版)

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叡王戦
棋戦の分類 タイトル戦(第3期より)
開催概要
開催時期 予選:10月 - 翌年4月
本戦:5月 - 6月
タイトル戦:7月 - 9月
初回開催 一般棋戦:2015年度(第1期)
タイトル戦:2017年度(第3期)
持ち時間 段位別予選:1時間
本戦:3時間
タイトル戦:4時間
番勝負 五番勝負
主催 不二家日本将棋連盟
協賛 レオス・キャピタルワークス(特別協賛)
SBI証券(特別協賛)
中部電力
公式サイト 叡王戦:日本将棋連盟
記録
現叡王 藤井聡太(第6期)
永世資格者 永世称号については未定[1]
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概要

一般棋戦時代(第2期まで)

本棋戦発足以前、プロ棋士対コンピュータ将棋ソフトウェアの棋戦である将棋電王戦が開催されていたが、2015年の電王戦FINALをもって団体戦としての電王戦は一つの区切りとされた。

電王戦に類する棋戦の存続を希望したドワンゴが日本将棋連盟と協議した結果、まずドワンゴ主催で新たな一般棋戦を立ち上げ、優勝者が、電王トーナメントを勝ちあがったコンピュータ将棋ソフトウェアと、装いを新たにした電王戦[注 2]で対局する事で合意した。 新棋戦の名称は一般公募から選出され、公募案から主催者が9つ[注 3]に絞り込んだ上で、公式サイトから一般投票[注 4]を行い、「叡王戦」に決定[2]。優勝者は「叡王」の称号を得る。対局の模様は、約50〜60局がニコニコ生放送で生中継された。

電王戦FINALまではタイトル保持者は出場しなかったが、本棋戦の第1期には糸谷哲郎竜王郷田真隆王将が出場した[注 5]。なお、本棋戦とその関連イベントでは、タイトル保持者であっても段位で呼称した[注 6]

平成28年度の第2期までは日本将棋連盟のタイトル戦以外の公式棋戦では最上位に位置付けられていた(第2期叡王戦の契約金は1億2500万円[3]。優勝賞金は非公表)。

タイトル戦・七番勝負時代(第3期から第5期まで)

2017年5月20日に電王戦の終了と第3期以降は王座戦以来34年ぶりにタイトル戦へ昇格すると発表された。これにより、初めてタイトル戦は8つになり、棋聖戦が年2回開催されていた1994年度以来23年ぶりに年8回タイトル戦が開催されることになった。電王戦の終了に伴ってエントリー制から全棋士強制参加に変更され、タイトル保持者の段位呼称も廃止された。主催が新聞社・通信社以外のタイトル戦は史上初[4]。契約金の額による序列は竜王戦名人戦に次ぐ第3位とされている。また、決勝七番勝負においては、過去に例がない変則持ち時間制の導入のほか、タイトル戦としては初の一日制七番勝負・事前振り駒・チェスクロック方式で行われる(#方式の遍歴)。

第5期では運営費などを募るクラウドファンディングを「CAMPFIRE」にて実施。高額出資者には振り駒役や本選トーナメントの抽選カード引きなど、将棋タイトル戦における重要な役割の体験が提供される[5]。また、ドワンゴとの動画配信協業により、AbemaTVでも同時生放送が開始された[6]。こちらではオリジナル編集として解説・聞き手は登場せず、評価値と対局の様子に限定して放送される。

タイトル戦・五番勝負時代(第6期以降)

2020年10月20日、ドワンゴが叡王戦の主催契約を解除することが発表された[7]。10月29日、第6期から不二家と日本将棋連盟の共同主催となることが発表された[8]。同時に、商標は日本将棋連盟に譲渡、タイトル戦は五番勝負、契約金の額による序列は第6位となる。第6期以降はABEMA 将棋チャンネルでのみ生中継され、解説・聞き手が登場する対局もある。

永世称号

2020年7月現在、永世称号については未定である[1]


注釈

  1. ^ 2020年10月29日の発表に基づく。2021年現在、不二家が公開した叡王戦の特設サイトのトップでは主催は不二家と将棋連盟が併記されており、日本将棋連盟のサイトでも「日本将棋連盟主催棋戦一覧」のページに叡王戦を載せている。
  2. ^ 2015年以前の電王戦は「第n回」(最終回のみ「FINAL」)だったが、2016年からは他の棋戦と同じく「第n期」となる。
  3. ^ 覇王、叡王、賢王、棋帝、抗帝、仁王、天帝、一刀座、棋神。
  4. ^ 投票結果(得票数等)は公表されていない。
  5. ^ 羽生善治名人王位王座棋聖)、渡辺明棋王は欠場。段位は当時のもの。
  6. ^ 仮に名人が出場しても、「〜名人」ではなく「〜九段」となった。同様の措置は叡王戦(1期・2期)のみであった。なお、第1期優勝者の山崎隆之は第2期では叡王と呼称された。
  7. ^ 王座戦、棋王戦、棋聖戦では前期ベスト4は準決勝まで対戦しないよう組まれる。
  8. ^ 第3期のみ、前期叡王は本戦トーナメントからの出場、七番勝負は本戦トーナメントの決勝進出者2名の対局となった。
  9. ^ 女流棋士の戦う女流棋戦では、2011年に開始した女流王座戦で、女流棋士を含めてエントリー制をとっている。
  10. ^ 年度初め(4月1日現在)の段位を基にトーナメントを決定する。そのため、それ以降に昇段した棋士は、実際の段位より低段位の予選に出場することになる。
  11. ^ 不参加は羽生善治渡辺明有森浩三堀口弘治堀口一史座の5名。
  12. ^ 不参加は渡辺明・橋本崇載・堀口一史座・上村亘の4名。
  13. ^ 第2期までドワンゴではアルファベット(A、B…)、日本将棋連盟ではアラビア数字(1、2…)で表記され、ブロックの表示順は異なっていたが(Aブロック = 1 ではない)、第3期からはアルファベット表記に統一され、ブロックの表示順も同一になった。
  14. ^ 女性奨励会員も含む。
  15. ^ 西山は当時奨励会員であり、女流棋士ではなかった。
  16. ^ 加藤は当時奨励会員であり、女流棋士ではなかった。
  17. ^ 第7期は6月から翌年6月に戻る模様。
  18. ^ 開始時は四段であったが、予選進行中に勝数規定で五段に昇段し、その後予選を制して本戦に進出。よって第4期本戦トーナメントに四段は出場なしとなった。
  19. ^ 新型コロナウイルス感染症の流行による開催の遅れと、主催変更時に開催時期が見直されたため、挑戦者決定時は2019年度、獲得時は2020年度となっている[25]
  20. ^ 開始時は四段であったが、予選進行中に勝数規定で五段に昇段し、その後予選を制して本戦に進出。よって第6期本戦トーナメントに四段は出場なしとなった。
  21. ^ 清水は女流代表決定戦(非公式戦)にて敗退。公式戦である四段予選出場の最年長記録は、第5期 里見香奈の27歳。
  22. ^ 第3-4期は主催者推薦を受けた女流棋士等(女性奨励会員を含む。以下同じ)1名がそのまま段位別予選に出場。第5期は主催者により選定された女流棋士等が女流代表決定戦(非公式戦)に出場し、優勝者1名が段位別予選に出場。第6期以降は女流棋士の出場なし。
  23. ^ 第3-4期は主催者推薦を受けたアマチュア1名がそのまま段位別予選に出場。第5期は主催者により選定されたアマチュアがアマチュア代表決定戦(非公式戦)に出場し、優勝者1名が段位別予選に出場。第6期以降はアマチュアの出場なし。
  24. ^ 阿久津八段は電王戦FINALにおいて電王AWAKEに勝利している。
  25. ^ 叡王戦の主催者側では「1937年の第1期名人戦以来81年ぶり[35]」としているが、そもそも第1期名人戦で番勝負は行われておらず正しくない。
  26. ^ 通常の対局では持将棋は千日手同様即日指し直しを行うが、タイトル戦の場合持将棋は1局として成立し、生涯戦績でも持将棋引き分けが1局として計上されるため、持将棋指し直し局という表現は極めて珍しい。なお叡王戦では、規定により21時30分までに持将棋が成立すると千日手と同様即日指し直しを行うが、本局は21時30分を過ぎての持将棋成立となったため対局者の合意により即日指し直しは行われなかった。
  27. ^ 厳密には対局開始予定から30分遅れての19時30分開始。
  28. ^ 第3期の七番勝負では、第3局のみ盛上駒が使用された。
  29. ^ 第5期のアマチュア代表決定戦と女流代表決定戦について、両決定戦の動画生配信は行われたが、公式サイトで棋譜の配信は行われていない。

出典

  1. ^ a b 「叡王戦」の仕組みや特徴について” (日本語). 日本将棋連盟. 2020年1月14日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年1月14日閲覧。
  2. ^ a b ドワンゴ・日本将棋連盟主催 新棋戦名は「叡王戦」に決定、154名のプロ棋士がエントリー”. 日本将棋連盟 (2015年6月18日). 2015年6月19日閲覧。
  3. ^ 予算収支書 公益社団法人日本将棋連盟 2016年11月15日閲覧
  4. ^ a b 将棋の「叡王戦」がタイトル戦に昇格! 王座戦以来34年ぶり - スポーツ報知・2017年5月20日
  5. ^ みんなで盛り上げよう!将棋タイトル戦 をクラウドファンディングしちゃう企画「第5期叡王戦を応援するプロジェクト」始動”. ニコニコニュース (2019年5月15日). 2019年6月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年6月7日閲覧。
  6. ^ “将棋・叡王戦 第5期はAbemaTVも放送 応援機能や対局後の16倍速振り返り映像も”. AbemaTIMES (AbemaTV). (2019年6月7日). https://abematimes.com/posts/7006063 2019年6月7日閲覧。 
  7. ^ ドワンゴ、将棋主催を解除 タイトル戦の叡戦”. 共同通信 (2020年10月20日). 2020年10月20日閲覧。
  8. ^ “将棋・叡王戦、第6期から不二家が日本将棋連盟と共同主催に 新たな開催概要も発表”. AbemaTIMES (AbemaTV). (2020年10月29日). https://times.abema.tv/articles/-/8630976 2020年10月29日閲覧。 
  9. ^ 「第1期電王戦」2016年春開催へ、新棋戦の優勝者対最強ソフトの2日制2番勝負に - マイナビニュース・2015年6月3日
  10. ^ 開催概要 - 叡王戦公式サイト
  11. ^ 第3期 叡王戦
  12. ^ 抽選日は6月4日。開催概要 | 第4期 叡王戦
  13. ^ 【将棋】第5期叡王戦 女流代表決定戦 里見・西山・渡部・清水 - 2019年8月15日閲覧。
  14. ^ 【将棋】第5期叡王戦 アマチュア代表決定戦 - 2019年8月15日閲覧。
  15. ^ 抽選日は2020年10月6日。叡王戦について|将棋ニュース|日本将棋連盟
  16. ^ タイトル戦以外の通常の対局開始時刻と同じ
  17. ^ 第1期叡王戦本戦”. www.shogi.or.jp. 2021年4月6日閲覧。
  18. ^ 第1期叡王戦予選”. www.shogi.or.jp. 2021年4月6日閲覧。
  19. ^ 第2期叡王戦本戦”. www.shogi.or.jp. 2021年4月6日閲覧。
  20. ^ 第2期叡王戦予選”. www.shogi.or.jp. 2021年4月7日閲覧。
  21. ^ 第3期叡王戦本戦”. www.shogi.or.jp. 2021年4月6日閲覧。
  22. ^ 第3期叡王戦予選”. www.shogi.or.jp. 2021年4月6日閲覧。
  23. ^ 第4期叡王戦本戦”. www.shogi.or.jp. 2021年4月6日閲覧。
  24. ^ 第4期叡王戦予選”. www.shogi.or.jp. 2021年4月6日閲覧。
  25. ^ 棋士データベース 豊島将之|日本将棋連盟” (日本語). www.shogi.or.jp. 2020年11月2日閲覧。
  26. ^ 第7局の持ち時間6時間に第8局のものも含める。第9局の後手・永瀬が持ち時間6時間を選択。
  27. ^ 第5期叡王戦本戦”. www.shogi.or.jp. 2021年4月6日閲覧。
  28. ^ 第5期叡王戦予選”. www.shogi.or.jp. 2021年4月6日閲覧。
  29. ^ 第6期叡王戦予選”. www.shogi.or.jp. 2021年4月6日閲覧。
  30. ^ 第7期叡王戦予選”. www.shogi.or.jp. 日本将棋連盟. 2021年6月29日閲覧。
  31. ^ 久保利明九段、異例の遅刻で不戦敗 相手の豊島将之七段に「良い人すぎる」の声【将棋】 ハフィントンポスト 2016年10月31日
  32. ^ HEROZでponanza開発者の山本一成が「将棋電王トーナメント」にて優勝し”電王”の称号を獲得”. 2016年12月25日閲覧。
  33. ^ 羽生善治名人と戦いたい”. 2016年12月25日閲覧。
  34. ^ a b どちらが勝っても68年ぶりの偉業。金井恒太六段VS高見泰地六段、叡王戦七番勝負の展望は? 日本将棋連盟、2018年4月13日(2018年4月19日閲覧。)
  35. ^ 第3期 叡王戦「決勝七番勝負、今春開幕!」 - ニコニコ動画
  36. ^ 一体誰なんだ(棒) 中の人がプロ棋士のVTuber「ひふみちゃん」、叡王戦発表会でお披露目” (日本語). ITmedia「ねとらぼ」 (2019年3月14日). 2019年6月29日閲覧。
  37. ^ ニコ生公式_将棋 (2019年7月8日). “本日14時より、小林裕士七段 vs.小林宏七段の対局を生放送中です。振り駒の結果、先手:小林(宏)七段、後手:小林(裕)七段となりました。” (日本語). @nico2shogi. 2019年7月12日閲覧。
  38. ^ 【将棋】第5期叡王戦 七段予選 小林(宏)・所司・小林(裕)” (日本語). ニコニコ生放送 (2019年7月9日). 2019年7月12日閲覧。
  39. ^ 「第5期叡王戦」七番勝負の対局会場など詳細公開開幕局は“将棋のまち”天童市のほほえみの宿 滝の湯亀岳林 万松寺、越後長野温泉 妙湶和楽 嵐渓荘ほか、4月12日より開催|ニュース|広報情報|株式会社ドワンゴ” (日本語). 2020年9月5日閲覧。
  40. ^ 将棋タイトル戦「第5期叡王戦」七番勝負の開幕延期が決定” (日本語). 2020年4月15日閲覧。
  41. ^ ニコ生公式_将棋 (2020年7月5日). “先ほど、番組内でお伝えした指し直し局について引き続き協議中です。内容に変更が発生する可能性があることから、一度先ほどの情報ツイートを削除させて頂きます。ご迷惑をお掛けして申し訳ございません。改めて決定次第、お伝え致します。” (日本語). @nico2shogi. 2020年7月5日閲覧。
  42. ^ ニコ生公式_将棋 (2020年7月14日). “7/5(日) 永瀬拓矢叡王 vs.豊島将之竜王・名人の第2局は、#持将棋 が成立し引き分けとなりました。この結果を受け、第8局の実施準備を進めております。詳細が決定次第、公式サイト・Twitterよりお知らせいたします。” (日本語). @nico2shogi. 2020年7月14日閲覧。
  43. ^ ニコ生公式_将棋 (2020年7月19日). “7/19(日) 永瀬拓矢叡王(先手) vs.豊島将之竜王・名人(後手)の第3局は、207手までで持将棋が成立。(引分で指し直し無し)叡王戦七番勝負、2回目の持将棋は史上初。第4局は19時より放送いたします。” (日本語). @nico2shogi. 2020年7月19日閲覧。
  44. ^ 叡王戦第8局と第9局について”. 日本将棋連盟. 2020年8月7日時点のオリジナルよりアーカイブ。2020年8月27日閲覧。
  45. ^ タイトル戦として行われた第3期・第4期では、持ち時間1時間の対局が行われる前に七番勝負は決着している。
  46. ^ 将棋・叡王戦 第5期はAbemaTVも放送 応援機能や対局後の16倍速振り返り映像も - AbemaTIMES・2019年6月7日
  47. ^ 増山 2006, p. 148, 公式戦の駒-公式戦で使用される盛り上げ駒 奨励会で使用される彫り駒
  48. ^ 2018年8月13日19:00〜藤井猛九段対南芳一九段
  49. ^ 2018年5月26日第3期叡王戦決勝七番勝負第4局金井恒太六段対高見泰地六段


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