バラエティ番組 観客の演出

バラエティ番組

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 14:10 UTC 版)

観客の演出

2000年代に入ると笑ったら手を叩く演出が多くなり、視聴率だけではなく番組に対する好奇心を与えるようになってきた。元々はヨーロッパから来た演出で、日本では1980年代後半からであるが、当時はごくわずかな番組に限られていた。 しかし、2000年にレギュラー放送を開始した『いきなり!黄金伝説』を皮切りに徐々にこの演出が採用されるようになってからは、また、ラフトラックにも使われるようにもなってきた。この演出の特徴は、笑いに堪えるのに限界があるため、手を叩く若者(主に女性)が増えてきたからでもある。締める際はひき笑いや笑いで締めているが、放送局や番組によってはするあるいはしないなど完全に統一でない。  

日本のバラエティ番組

バラエティ番組に対する批判

日経ビジネス2006年1月30日号の中で、大橋巨泉は「バラエティーと称する、わけの分からないものは日本にしか存在しない。外国では台本がきちんとあるシチュエーションコメディーと、ライブだけ」「今のバラエティーは芸能界の内幕ネタばかりで芸能人が使い捨ての状態になっている」と批判している。

NHKプロデューサーである立元幸治の著作『誰がテレビをつまらなくしたのか』(PHP研究所刊)では、『テレビ番組がつまらなくなった原因は、多くはプロデューサーにある。』としており、『海外ではテレビ番組の国際市から売れている番組を購入したり、一流のプロデューサーを使ったり大金を投じて番組を作る。比べて日本はコネで入社した三流プロデューサーが思いつきで番組を作っている。彼らのほとんどは年収1,000万以上の高給取り。さらに、お笑い芸人やタレントらには1回の出演で数百万から数千万の給料をあげているにも関わらず、クイズやバラエティの景品は金をかけない安っぽいものがほとんど。そしてその芸能人共は大金をもらっている癖に安っぽい景品や食事で一喜一憂し、一般視聴者と同レベルの生活を演じている。完全に視聴者の事をバカにしている。』と切り捨てている。

茂木健一郎はブログで「日本のアニメは最近はめざましく素晴らしく、日本の地上波テレビ(特に民放のバラエティ番組)は惨憺たるありさまだ。なぜ、これだけクオリティの違うものができるのか不思議だ。」「民放のバラエティ番組がダメになった理由の一つは、馴れ合い、ゆるさで席巻しているお笑いの文化のせいだろう。社会的な批評性を伴わないゆるい笑いは一つのあり方だが、それがモノカルチャーになるときつい。」「もう一つ、最近の日本のテレビ番組でどうしても理解できないのは、画面や音の「汚さ」。なぜ字幕やテロップを多用して画面を「汚す」のか、芸人たちのつまらぬ間の手や笑い声を強調するのか、全くよくわからない。」と批判している[5]

2009年11月、放送倫理・番組向上機構は「最近のテレビ・バラエティー番組に関する意見」を発表した[6]。「バラエティ番組がこれまで人々をタブーから解放し、より自由で、風通しのよい社会を作ることに貢献してきた事実を高く評価するがゆえに、一方でバラエティ番組がその自由で斬新な表現という特性をより発揮するように製作者を励ますことのできる方法はないものか」[7] を考えた末、意見書のバラエティ化を図って面白おかしく提言を行った。具体的には「下ネタ」「イジメや差別」「内輪話や仲間内のバカ騒ぎ」「製作の手の内がバレバレのもの」「生きることの基本を粗末に扱うこと」が視聴者から嫌われていると分析し[8]、「バラエティーは、テレビと視聴者と世の中のあいだにどんなコミュニケーション空間を築いている」[9] のかと問いかけ、「委員会はバラエティー番組制作者が視聴者一人ひとりの現実にしっかり目をむけていただきたいと考える。そこから新しいバラエティーを作り上げてほしい、と期待する」[9] とした。また「この四半世紀のあいだに行政当局によって行われた「注意」「厳重注意」「警告」は30余件に及ぶと見られるが、そのうち20余件、じつに7割近くが広い意味でのバラエティー番組に対してであった」[10] とし、「バラエティー番組が頻繁に公権力の干渉を受けるような隙を作っている現実」に自覚的か[10] と問いかけた。また日本民間放送連盟の「放送基準」の不備を指摘し[11]、放送倫理に則り「可能であれば、放送番組一般を対象とした放送基準とは別に、バラエティー番組についての実効的な指針というようなものを作ることが適切な場合もあるだろう」[12] とした。

これに対して日本民間放送連盟は2010年3月、「バラエティー向上委員会」というイベントを開催した。集まった製作者からは、BPOの意見書はうっとうしい(50人中22人)、視聴者が不勉強(37人)、不当な現場介入という反発の意見が寄せられた[13]。例えば、罰ゲームのリスクに対しては「要するに、番組全体には文脈がある。ちゃんと見てくださる視聴者ばかりなら、それほどリスクは大きくないと思う」とし、最近の番組は昔と比べて面白くないという意見に対しては「個々の番組のクオリティーは編集のテクニックや演出方法などで確実に以前より上がっていると思う」「テレビの限界を考えすぎた萎縮」が原因だと反論した。BPOの意見に対しては、不快で「面白くない番組は視聴率が落ちて終わる」ので「BPOがそんなに言わなくても自然淘汰されるから大丈夫ですよって、思います」とした[14]。日本民間放送連盟は2010年10月に「最近のテレビ・バラエティー番組に関する意見」を受けての民放連の取り組み」を発表し、「意見書においてご提言のあった「バラエティー番組に関する実効的指針の作成」については、民放連で作成することは会員各社の表現の幅を狭めることにつながりかねないと判断して、行わないことといたしました」[15] と回答した。またフジテレビは「私たちのフジテレビバラエティ宣言」を発表し、2010年3月27日(土曜日)10:40-11:40に「悪いのはみんな萩本欽一である」という番組を関東ローカルで放送した[15]

視聴率

バラエティー番組の30年間【1クールの視聴率ランキング】

※1990~2020年に放送されたレギュラー番組 ~1クール(3ヵ月)の平均視聴率~

バラエティー番組・1990~2020年の視聴率ランキング
順位 番組名 視聴率(%) 平均視聴率
最高記録クール
放送局
1 マジカル頭脳パワー!! 28.18 1996年1月~3月 日本テレビ
2 SMAP×SMAP 27.23 2001年1月~3月 フジテレビ
3 進ぬ!電波少年 26.55 1998年7月~9月 日本テレビ
4 伊東家の食卓 26.18 2000年1月~3月 日本テレビ
5 投稿!特ホウ王国 25.69 1995年1月~3月 日本テレビ
6 とんねるずの生でダラダラいかせて!! 24.59 1994年1月~3月 日本テレビ
7 トリビアの泉 〜素晴らしきムダ知識〜 24.53 2003年7月~9月 フジテレビ
8 関口宏の東京フレンドパークII 24.12 1996年1月~3月 TBSテレビ
9 速報!歌の大辞テン 23.85 2000年1月~3月 日本テレビ
10 平成教育委員会 23.83 1993年1月~3月 フジテレビ
11 愛する二人別れる二人 23.68 1999年10月~12月 フジテレビ
12 とんねるずのみなさんのおかげです 22.75 1993年1月~3月 フジテレビ
13 さんまのSUPERからくりTV 22.68 1998年1月~3月 TBSテレビ
14 クイズ世界はSHOW by ショーバイ!! 22.65 1992年1月~3月 日本テレビ
15 嗚呼!バラ色の珍生!! 22.46 1997年1月~3月 日本テレビ
16 踊る!さんま御殿!! 21.79 2003年1月~3月 日本テレビ
17 志村けんのだいじょうぶだぁ 21.76 1990年1月~3月 フジテレビ
18 世界まる見え!テレビ特捜部 21.75 2000年1月~3月 日本テレビ
19 クイズ!年の差なんて 21.50 1992年1月~3月 フジテレビ
20 ネプリーグ 21.42 2009年10月~12月 フジテレビ
21 加トちゃんケンちゃんごきげんテレビ 21.28 1990年1月~3月 TBSテレビ
22 THE夜もヒッパレ 21.24 1996年1月~3月 日本テレビ
23 笑点 20.91 2009年10月~12月 日本テレビ
24 行列のできる法律相談所 20.66 2008年4月~6月 日本テレビ
25 ウッチャンナンチャンのウリナリ!! 20.65 1999年1月~3月 日本テレビ
26 世界の果てまでイッテQ! 20.48 2015年1月~3月 日本テレビ
27 特命リサーチ200X 20.32 1999年1月~3月 日本テレビ
28 ポツンと一軒家 20.23 2020年4月~6月 テレビ朝日
29 ザ!鉄腕!DASH!! 20.09 2001年10月~12月 日本テレビ
30 ガチンコ! 21.01 2001年1月~3月 TBSテレビ

  1. ^ 業界ノリ・内輪ウケ・瞬発力・バカ…すべてを封じられた『めちゃイケ』『みなさん』終焉の必然 (1) | マイナビニュース
  2. ^ ひろゆき『僕が2ちゃんねるを捨てた理由』巻末の土屋敏男との対談より
  3. ^ 松本修著『探偵!ナイトスクープ アホの遺伝子』P139
  4. ^ 『TVの現場はどうなっている!? 「テロップ編」』(民放プロデューサー・谷スグル) 日刊ゲンダイ 2010年3月3日付(2日発行)
  5. ^ 日本のアニメ>>>日本の地上波テレビ(特に民放のバラエティ) 茂木健一郎 公式ブログ
  6. ^ 放送倫理検証委員会 (2009年11月17日). “最近のテレビ・バラエティー番組に関する意見”. 放送倫理・番組向上機構. 2013年1月27日閲覧。
  7. ^ P2
  8. ^ III バラエティーが「嫌われる」5つの瞬間
  9. ^ a b V バラエティーが成り立つ公共空間
  10. ^ a b I はじめに――バラエティーを検証しても意味がない?
  11. ^ II バラエティーを考えるということは、大変なのだ
  12. ^ VII おわりに――バラエティーに新しい力と魅力を
  13. ^ 民放側が本音の議論 バラエティー番組 BPO意見書巡り”. 朝日新聞 (2010年3月16日). 2010年3月16日閲覧。
  14. ^ 月間民放2010年5月号 特集「バラエティーなう」
  15. ^ a b 「最近のテレビ・バラエティー番組に関する意見」を受けての民放連の取り組み


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