哲学史とは? わかりやすく解説

てつがく‐し【哲学史】

読み方:てつがくし

哲学思想歴史的な推移変遷などを明らかにするための学問


哲学史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/07/25 20:27 UTC 版)

哲学史(てつがくし、: history of philosophy; theory of knowledge)は、哲学歴史、およびその研究のこと。

哲学史としてのヨーロッパ哲学史

哲学は、古代ギリシア以来、人が自然の驚異や人の生病老死や喜怒哀楽に出会い、生の不条理に疑問を感じるところ、至る所にあるとされて、歴史を重ねてきた。とはいうものの、この「古代ギリシア以来」という言い方も実は西洋的、もっと細かく言えばヨーロッパ的なものであり、哲学史と呼ばれているものの、実質は西洋哲学、ヨーロッパ哲学の歴史に他ならない。

しかし同時に、「西洋にあっては知による知の根拠づけとも言うべき哲学の長い伝統があり」[1]、「文明史的観点から西洋哲学を相対化することは可能であるし、場合によって必要であるものの、ロゴス(言葉、理性)の運動を極限まで押し進めるという徹底性は他の思想伝統には見られない特質であって、安易な批判や超克こそむしろ警戒されるべきである」[1]

哲学としての世界の哲学と思想

これに対して、中国の哲学あるいは思想の歴史は普通は中国思想史と言い、またインドのものも別にインド思想あるいはインド哲学などと呼んで区別するのが普通である。アラブイスラム世界イスラム思想あるいはイスラム哲学は、西欧哲学と同じようにギリシア哲学を基礎に置く哲学の体系だが、これとても哲学史の中では西欧に影響を及ぼした以上の見方がされることはおそらく少ない。こうしたものもすべて含めて、世界全域で営まれてきた哲学と思想の歴史を文化の壁を越えて語りたい時には、敢えて「世界思想史」といった表現を選ぶことがある。しかしその際には、哲学研究というよりも、比較思想研究といった色彩が強くなり、全体の歴史を捉えようとする動きが希薄ではある。

哲学史家

脚注

  1. ^ a b マイペディア、電子辞書PW-A8000所収

関連項目

外部リンク


哲学史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/18 09:39 UTC 版)

イスラーム哲学」の記事における「哲学史」の解説

オリヴァー・リーマン『イスラム哲学への扉 理性啓示めぐって中村廣治郎訳、筑摩書房 1988年ちくま学芸文庫 2002年 オリヴァー・リーマン『イスラム哲学とは何か 宗教と哲学攻防佐藤陸雄訳、草思社 2012年 アンリ・コルバンイスラーム哲学史』 黒田壽郎柏木英彦訳、岩波書店 1974年新版1996年2006年ほか S・Hナスルイスラーム哲学者たち』 黒田壽郎柏木英彦訳、岩波書店 1975年 井筒俊彦イスラーム思想史 神学神秘主義哲学岩波書店 1982年中公文庫 1991年新版2005年イスラーム哲学 井筒俊彦著作集 5』 中央公論社(全12巻)、1992年イスラーム思想史 井筒俊彦全集 第4巻慶應義塾大学出版会(全12巻別巻1)、2014年 井筒俊彦超越のことば イスラーム・ユダヤ哲学における神と人』 岩波書店 1991年 井筒俊彦ほか編 『イスラーム思想 Ⅰ・Ⅱ』〔岩波講座 東洋思想 第34巻岩波書店1988年イスラーム哲学原像岩波新書黄版 1980年復刊1998年2013年ほか。各・元版 井筒俊彦イスラーム神学における信の構造 イーマーンとイスラームの意味論的分析鎌田監訳/仁子寿晴・橋爪烈訳、「井筒俊彦英文著作翻訳コレクション慶應義塾大学出版会 2018年 ムハンマド・バーキルッ=サドルイスラーム哲学黒田壽郎訳、未知谷 1994年 ムハンマド・ハミードッ=ラーイスラーム概説黒田美代子訳、書肆心水 2005年 黒田壽郎イスラーム構造 タウヒード・シャリーア・ウンマ』 書肆心水 2004年 W・モンゴメリ・ワット『イスラム神学哲学福島保夫訳、紀伊国屋書店 1976年ワット『イスラーム・スペイン史』 黒田壽郎柏木英彦訳、岩波書店 1976年 ワットムハンマド 預言者政治家牧野信也久保儀明訳、みすず書房 1970年新版2002年ほか ワット地中海世界イスラム ヨーロッパとの出会い三木亘訳、筑摩書房筑摩叢書1984年ちくま学芸文庫 2008年 リチャード・ベル『イスラム起源熊田享訳、筑摩書房筑摩叢書〉、1983年ベルコーラン入門医王秀行訳、ちくま学芸文庫2003年シャトレ哲学史2 中世哲学山田晶監訳白水社1976年新装版1998年 ※『古典期イスラム哲学神学』A.バダウィー、柏木英彦訳 『イブン・ハルドゥーン』A.-A.マレク柏木英彦訳 を収録哲学歴史3 神との対話 中世 信仰と知の調和中川純男責任編集中央公論新社2008年 - 「古典イスラーム哲学」ほかを収録 五十嵐一 『イスラーム・ルネサンス』勁草書房1986年/『知の連鎖』同、1983年 中村廣治郎編 『イスラム-思想営み 講座イスラム1』 筑摩書房1985年

※この「哲学史」の解説は、「イスラーム哲学」の解説の一部です。
「哲学史」を含む「イスラーム哲学」の記事については、「イスラーム哲学」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「哲学史」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「哲学史」の例文・使い方・用例・文例

  • 哲学史
Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



哲学史と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「哲学史」の関連用語

1
エルトマン デジタル大辞泉
78% |||||

2
宇野哲人 デジタル大辞泉
78% |||||



5
クーザン デジタル大辞泉
58% |||||



8
朝永三十郎 デジタル大辞泉
54% |||||

9
桑木厳翼 デジタル大辞泉
54% |||||


哲学史のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



哲学史のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの哲学史 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaのイスラーム哲学 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS