語誌
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/29 14:36 UTC 版)
「福」+「袋」という、意味の広がりが大きい語同士の結合による複合語であるため、過去には本項で扱う「福袋」以外のものを指して使われている例も確認される。若月紫蘭の『東京年中行事』(1911年)には(神田明神に)「新年劈頭の福運にあづからうと待ちに構へた参詣者が雪崩を打つて流れ込む。ヤツサモツサの中に手ん手に福袋を拝受し終ると、多くは六つの攝社二十一の末社へお巡りと出懸ける」とあり、ここでの「福袋」は開運札を入れる袋を指すという。また、『世界童話集 たから舟』(1920年)には望んだものが出てくる袋として、『談話売買業者』(1922年)には陰嚢の比喩として現れている。 本項でいう「福袋」の確かに確認できる早い時期の使用例は、たとえば1902年11月朝日新聞に掲載された小川屋(恐らく呉服屋)の広告で、「よせ切、見切反物、福袋 取揃居候」とある。説明もなく、ただ「福袋」と宣伝していることから、当時、すでにこの語は説明を不要とするほど一般的なものになっていたかもしれない。1903年年末の読売新聞には「三の酉 東京・吉原の大鷲神社の賽銭315円、守り札137円、福袋120円」とあるが、こちらは前述の開運札を入れる袋の可能性もある。
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