語史
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/11/26 22:56 UTC 版)
アラビア語の「イスラーム」 (Islam, إسلام) は「投降する」「身を任せる」を意味するaslamaの派生形である。アラビア語のsalaam (سلام、平和) は「イスラーム」「ムスリム」と同じ三子音語根 (s-l-m) を持つ。このため、イスラームという語も平和の意味を持つという誤解が広く行われることとなった[出典無効]。 イスラム教における平和主義といえば、主にアフマディーヤ、アレヴィー派、ムーリッド派(英語版)各派が連想されるが、主流のイスラム法では、暴力の使用に関して詳細な規制が明文化されており、それには家庭内暴力の使用、体刑や死刑の執行、そして戦争を行う方法やタイミングについての規定も含まれる。 反イスラム主義者の中には、アメリカ同時多発テロ事件の隠された原因及び動機はイスラムの教義と信条であったとし、イスラム教は本質的に暴力的だと主張する論者がいる。しかしながら、多くの著名なムスリムは、一般市民へのテロはイスラム教義の誤解が動機であると主張する。マレーシア元首相マハティール・ビン・モハマドはこう述べる。 「 明らかに、イスラムという宗教はテロの原因ではない。イスラム教は、先に述べた通り平和の宗教である。しかし、何世紀もの期間を経て、イスラム真の教えからの逸脱が生じている。だから、イスラム教が特に無辜の殺人を禁じていながらムスリムは殺人を犯すのだ。 」 ジョージ・W・ブッシュ大統領はこの後者の考え方を採用し、「イスラムとは平和だ」と述べた。 「 英語に翻訳するとアラビア語原文ほどよく伝わらないが、コーランそのものから引用させて欲しい。「所詮悪行の徒の最後は悪い。それはかれらがアッラーの印を虚偽であるとし、それを愚弄していたためである。」テロという外面はイスラムの真の信条ではない。それはイスラムの本質ではないのだ。イスラムとは平和だ。彼らテロリストは平和を体現していない。悪と戦争とを体現しているのである。 」 この発言は一部の筋の批判を呼び、2002年に行われた福音派プロテスタント指導者に対する世論調査では、イスラムは平和と同義とするブッシュの意見に賛成したのはたった1割だった。 暴力の拒絶を強調することに努めるムスリムも、イスラム教の説明として「平和の宗教」という言葉を使用している。例えば、パリ・モスクのムフティーダリル・ブバクーは、「預言者はテロの宗教ではなく、平和の宗教を打ち立てられたのだ。」と発言した。ロンドン同時爆破事件後、欧米在住の一部のムスリムは、イスラム教は平和的な宗教だと表現することに更なる心血を注いだ。
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