Tu-204SM
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「Tu-204 (航空機)」の記事における「Tu-204SM」の解説
Tu-204SMは2011年から2018年のロシアの国内外の単通路機の民間航空機市場における地位を維持、拡大する事を目的とした計画である。この中距離旅客機は210席(2クラスの場合174席)で急成長する格安航空会社の市場を対象とする。この機体はロシアと国際民間航空機関(ICAO)と欧州航空航法安全機構の新しい国際安全基準に適合するように改良された。 Tu-204SMの利点は小型の機体とPS-90Aエンジンを搭載するTu-204-100/100E/100Vに多くのデザインと空力の類似性を享受しつつ改良されたPS-90A2エンジン(ETOPS 180 対応)によってもたらされる。航法装置とアビオニクスにより2人乗務が可能になり以前の機体よりも1名乗員が減った。直接の運行経費はTu-204-100/300よりも10から15%削減された。 Tu-204SMの改良点。 機体形状と全体の空力設計の改良。 内装の改善。広々とした荷物棚と大型トランク用の床下収納スペースの確保。 多色 LED 照明。 騒音低減構造によって客室内での騒音を低減。 飛行中の娯楽にオーディオとビデオを追加。 国際的な火災防護基準と毒性基準に適合する材料を全ての客室に使用。 新開発のロシア製の飛行制御装置と航法装置を搭載。Tu-204SMの飛行航法システムは全て新設計で欧州航空航法安全機構(Eurocontrol)行動計画(AP-24)に適合する。外国製の航空機との調和の為に搭載されるシステムと飛行航法制御システムの言語は英語となる。アビアプリボアで開発されたVSUPT-85-204コンピュータは飛行制御とエンジン出力管理システムでSCD-100-1コンピュータ飛行管理システムは垂直と水平の自動航法を提供し国際的な規格とP-RNAVに適合する。 ASO-204の搭載。このシステムはロシア製の近代的な航空機制御システムで、航空機の技術的な状態を蓄積することで、積極的に迅速な診断と対策を可能にして飛行の安全性を高め運行費用を低減する。 大型の液晶画面でトラックボールのような扱いやすい航法制御をもたらすKSEIS-204E 電子表示装置と警報装置を搭載。 SIVDデータを測定するための、合理化された、より効果的かつ信頼性の高いシステムの採用。 パイロットを2名に削減。 "E-Pilot"の概念を備え、全ての飛行段階において飛行管理を自動化。 操縦席のパネルを液晶ディスプレイとし、ヘッドアップディスプレイ(HUD)を追加。 エンジンを大規模な騒音低減システムを備えたPS-90A2に換装。PS-90A2は、PS-90Aシリーズに大幅に改良を施した事によって大幅に性能が向上し、世界最高水準に達した。PS-90A2とPS-90Aは互換性があり交換が容易である。オーバーホール間隔を低温部品で20,000 サイクル、高温部品で10,000 サイクルにとしたことで現在生産される機種と比較してPS-90A2のライフサイクル費用は35%削減され同時に信頼性は50から100%向上、整備費用も低減した。騒音や排出ガスの環境面においてICAOや他の国際的な基準に適合する。PS-90A2はETOPSの条件下でTu-204を運用する航空会社に海上で180分間の片肺飛行を可能にする。PS-90A2はPS-90Aの半分の労力で運行できる。旧型の燃料システムを新型の空気で運用するシステムに更新することによってエンジンの耐火性を向上する。PS-90A2はAP-33航空規格にFARパート33とJAR33と共に適合する。 運転高度が高くなった新しいTA-18 APU-200の採用。巡航高度 - 12 km。 作動高度 - 10–12 km。 国際民間航空機関(ICAO)と欧州航空航法安全機構の要求規格に適合。 先進的な飛行制御装置(ASO-204/FMS)と機上自動整備診断装置の搭載。 補助動力装置 (APU)の制御、火災安全、燃料管理と油圧システムの強化。
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